リレンザの効き目、使い方、副作用など|タミフルとの違いについても

リレンザの効き目や作用機序、熱が下がらないときの対処、主な副作用や薬価、通販での入手、タミフルとの違いや併用等について、添付文書などから解説します。

リレンザの効き目|熱が下がらない場合は

リレンザ(一般名:ザナミビル)はインフルエンザの治療や予防に使われる抗インフルエンザウイルス剤の一つです。リンレンザの効能効果は以下の通りです。

A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療及びその予防

リレンザ 添付文書

その作用機序はインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ阻害によるものであり、インフルエンザウイルスが体内で遊離することを阻害します。
インフルエンザウイルスは人に感染すると人の細胞内に侵入したのちに、ウイルスを複製し、細胞外へ遊離しますが、細胞外に遊離する過程にてウイルスのノイラミニダーゼというタンパクが重要な役割を果たします。リレンザなどのノイラミニダーゼ阻害薬はこのノイラミニダーゼの機能を阻害することによって、細胞外にウイルスが遊離されるのを阻害して、インフルエンザに効果を示します。上記のような作用機序であるため、リレンザはウイルスが増殖しきった後では効き目があまりないとされています。このため、リレンザはインフルエンザの症状が発現してから2日(48時間)以内に投与を開始することとされています。
 
また、リレンザの効き目は早ければ2日目から出ることが考えらえます。リレンザの添付文書では日内最高体温の推移の結果が報告されており、リレンザを使用した場合は2日目よりプラセボ(偽薬)群と比較して解熱作用が確認されています1)。この点からリレンザは早ければ使用2日目より効き目が現れると考えられます。
 
インフルエンザで解熱剤を使う場合はカロナールやアンヒバなどのアセトアミノフェンを含む薬が一般的となります。熱が下がらない場合に、一緒に処方されている解熱鎮痛剤があればそちらを使用するようにしましょう。解熱鎮痛剤が処方されてない場合は、前述の通り、リレンザの効き目が現れるまで数日かかるケースもあります。発熱が悪化しているような場合を除きまずは様子をみていただけば、数日のうちに解熱するケースがほとんどですので、落ち着いて対処しましょう。
1) リレンザ 添付文書

リレンザの使い方

リレンザはブリスターという薬が入った部分を専用の吸入器を用いて使用する吸入薬です。インフルエンザの治療に用いる場合は1回に2ブリスターを使用し、1日2回計4ブリスターを合計5日間使用します。
リレンザの用法用量は以下の通りです。

1. 治療に用いる場合
通常、成人及び小児には、ザナミビルとして1回10mg(5mgブリスターを2ブリスター)を、1日2回、5日間、専用の吸入器を用いて吸入する。
2. 予防に用いる場合
通常、成人及び小児には、ザナミビルとして1回10mg(5mgブリスターを2ブリスター)を、1日1回、10日間、専用の吸入器を用いて吸入する。

リレンザ 添付文書

リレンザの副作用

リレンザの主な副作用は下痢や発疹、悪心(吐き気)や嘔吐などとされています。リレンザの発売後に行われた使用成績調査では副作用の発現頻度は1.3%とされており1)、副作用はかなり少ない薬と安全な言えます。リレンザが処方された場合、副作用の心配はあまりいらないと言えるでしょう。
1) リレンザ 添付文書
 
なお、同じインフルエンザ治療薬であるタミフルでは異常行動の注意喚起がされていますが、リレンザに関しても、非常に頻度は少ないものの異常行動が観察された報告があります。添付文書の重要な基本的注意として以下のような注意喚起がされており、小児や未成年者が使用する場合には念のため注意するようにしましょう。

因果関係は不明であるものの、本剤の使用後に異常行動等の精神神経症状を発現した例が報告されている。小児・未成年者については、異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、①異常行動の発現のおそれがあること、②自宅において療養を行う場合、少なくとも 2 日間、保護者等は小児 ・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が現れるとの報告があるので、上記と同様の説明を行うこと。

リレンザ 添付文書

リレンザの薬価と通販での入手

リレンザの薬価は1ブリスター152.90円とされています。
リレンザは通常1回2ブリスターを1日2回、5日間使用します。
したがって、インフルエンザ一回の治療でかかるリレンザの薬価は
152.90 × 2 ブリスター × 2 回 × 5 日間 = 3058 円
となります。(厳密な薬価の計算方法とは異なるため、実際には多少前後した金額となります。)
 
なお、リレンザは個人輸入等でいわゆる通販などで購入できるケースもありますが、これらの手法で入手するのはおすすめできません。
その理由として、法外な値段がかかるケースや、品質が悪いものを買わされるケースなどがあったりするためです。また、万が一重い副作用が出た場合にも医薬品副作用被害救済制度を利用することができない可能性もあります。
通販で入手し自己判断で使用する場合は、そもそもインフルエンザと確定診断されていないこともあり、細菌性の疾患であったような場合には全く効果がないケースも考えられます。
このようなリスクがあるため、リレンザは通販で購入するはおすすめできず、基本的には医師にインフルエンザと診断されたのちに処方してもらい、処方箋をもって薬局で入手するようにしましょう。

リレンザとタミフルの違い

リレンザと同じ抗インフルエンザ治療薬のタミフルとの違いは、剤型と薬価が主な違いとなります。
リレンザが吸入薬であるのに対し、タミフルはカプセル(もしくはドライシロップ)となります。また、薬価は若干の差であるものの、タミフルの方が安いと言えます。
効き目は若干の違いはあると予想されるものの、どちらも同じ作用機序であり個人によってどちらが効くか分かれる程度の違いと考えられます。
使い方はリレンザとタミフルともに1日2回、5日間使用であり、違いは無いと言えます。
なお、リレンザとタミフルは同じノイラミニダーゼ阻害薬となるため、両方の薬を併用しても相乗効果は期待できません。基本的にはどちらか一方を使い併用するケースは基本的位はありません。いずれかの残薬が残っているケースでも自己判断で併用するようなことはやめましょう。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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