インフルエンザ予防接種と肺炎球菌ワクチンは同時にできる?|空けるべき間隔は?

インフルエンザの予防接種と肺炎球菌ワクチンの同時接種や、間隔を空けて接種する場合の空けるべき間隔などについて解説していきます。

インフルエンザの予防接種と肺炎球菌ワクチンの同時接種は可能

結論としてはインフルエンザの予防接種と肺炎球菌ワクチンの同時接種は可能と言えます。
インフルエンザ予防接種のワクチンの添付文書に、「他のワクチン製剤との接種間隔」という項目において、「医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる」と明記されており、医師の判断で同時接種が可能となります。
また、日本小児科学会においても以下のような利点から同時接種を推奨しています。

1)各ワクチンの接種率が向上する。
2)子どもたちがワクチンで予防される疾患から早期に守られる。
3)保護者の経済的、時間的負担が軽減する。
4)医療者の時間的負担が軽減する。

日本小児科学会
日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方

以前は1ワクチンずつの接種が原則とされていましたが、近年は上記のような点からも同時接種が推奨される方向性になっており、インフルエンザの予防接種と肺炎球菌ワクチンについても同時接種が可能とされています。

インフルエンザの予防接種と肺炎球菌ワクチンの同時接種は安全

インフルエンザの予防接種と肺炎球菌ワクチンの同時接種に関しては、一定の安全性が確認されています。
宮城県医師会の2012年の報告によると、10万人以上の方に肺炎球菌ワクチン無料接種が行われた際に、4665名で肺炎球菌ワクチンとインフルエンザの予防接種が同時に行われたとされています1)。この中で副作用が出た例は1例だけであり、同時接種を実施した医療機関側の見解は、2つのワクチンの同時接種は安全であるという回答でした。
上記の結果はあくまで一例と言えますが、5000人近い実際の患者さんで実施されている結果はインフルエンザ予防接種と肺炎球菌ワクチンの同時接種に関して、一定の安全性を証明するものと考えられます。
1) 清野正英 ほか: 宮城県医師会報 799: 624-627, 2012
 

インフルエンザ予防接種と肺炎球菌ワクチンの間隔を空ける場合は6日間以上

インフルエンザ予防接種と肺炎球菌ワクチンの同時接種については前述の通り、医師の判断で可能であり、一定の安全性も確認されていると言えます。
しかし、それでも別々に接種したいケースや、医師の判断により何らかの理由で同時接種をしないというケースでは、それぞれのワクチンを接種するのに最低6日間の間隔を空けるのが望ましいとい言えるでしょう。
インフルエンザワクチンの製薬会社の添付文書では以下のように注意喚起されています。

用法及び用量に関連する接種上の注意
3. 他のワクチン製剤との接種間隔
生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。ただし、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。

インフルエンザHAワクチン「北里第一三共」シリンジ0.25mL 添付文書

この6日以上というのは予防接種ガイドラインに基づいたものであり、一般的なワクチンの接種間隔として設定されているものです。

実際にインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを間隔を空けて接種する場合には1週間程度間隔を空ければ大丈夫というふうに覚えておきましょう。

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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