ボルタレンの種類と特徴|生理痛などへの効果や時間、眠気の副作用なども|インフルエンザの使用やロキソニンとの違い、市販での販売についても

ボルタレンの飲み薬、座薬、湿布、ゲルなどの種類とそれぞの効果や時間、生理痛への効果の有無、副作用、眠気の有無、ロキソニンとの違い、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

ボルタレンの種類|飲み薬、座薬、湿布など

ボルタレンはジクロフェナクという解熱鎮痛成分を含む薬です。

飲み薬の錠剤カプセル剤の他、座薬湿布(テープ)、塗り薬のゲルローションなど様々な形の薬があり、昔からよく使われている薬です。

NSAIDsと言われる解熱鎮痛薬のグループの中でも特に効果が強い反面、胃腸障害などの副作用も出やすいことが特徴となります。

ボルタレンの処方薬の種類は以下の通りです。

剤型 製品名
錠剤 ボルタレン錠25mg
カプセル剤 ボルタレンSRカプセル37.5mg
座薬 ボルタレンサポ12.5mg/
ボルタレンサポ25mg/
ボルタレンサポ50mg
テープ(湿布) ボルタレンテープ15mg/
ボルタレンテープ30mg
ゲル ボルタレンゲル1%
ローション ボルタレンローション1%

ボルタレンの効果と時間|生理痛には効く?

ボルタレンの効果や時間について、それぞれの剤型別に確認してきましょう。

ボルタレン錠は生理痛や歯痛、風邪などにも|ボルタレンSRカプセルは腰痛や肩こりなど慢性的な痛みに

同じ飲み薬のボルタレン錠とボルタレンSRカプセルですが、使い方がややことなり、適応疾患にも違いがあります。

ボルタレン錠は生理痛や歯痛、膀胱炎にも使われ、1日3回使用するのが一般的です。また、風邪に対する解熱鎮痛にも使用され、この場合は1日2回までの使用となります。

ボルタレン錠の効能効果の詳細は以下の通りです。

1. 下記の疾患ならびに症状の鎮痛・消炎
関節リウマチ、変形性関節症、変形性脊椎症、腰痛症、腱鞘炎、頸肩腕症候群、神経痛、後陣痛、骨盤内炎症、月経困難症、膀胱炎、前眼部炎症、歯痛
2. 手術ならびに抜歯後の鎮痛・消炎
3. 下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

ボルタレン錠25mg

主な疾患に対するボルタレン錠の効果(有効率)は以下の通りです1)生理痛抜歯後の痛みになどには80%以上の有効率を示します。

疾患名 有効率(%)
関節リウマチ 51.6
変形性関節症 62.2
腰痛症 63.7
腱しょう炎 57.7
頸肩腕症候群(肩こり) 55.3
神経痛 72.9
月経困難症(生理痛) 80.8
膀胱炎 66.5
抜歯後の疼痛・炎症 82.3

ボルタレンSRはボルタレン錠に比較し、効果が持続するように開発されてた薬剤であり、1日2回の服用で慢性的な痛みに対して効果を発揮します。腰痛や頸肩腕症候群(肩こり)、肩関節周囲炎(五十肩)、変形性関節症(ひざ関節症など)、関節リウマチなどの慢性的な痛みに対して使われます。

下記の疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群

ボルタレン SRカプセル37.5mg 添付文書

ボルタレン錠の効果がでるまでの時間は速ければ30分程度、効果が持続する時間は8時間程度とされており、このため、1日3回の使用でほぼ1日中効果が持続すると考えられます。

扁桃摘出術後疼痛へのジクロフェナクナトリウムの投与では、鎮痛効果の発現時間は、15~45 分で平均 26 分であった。また、鎮痛効果の持続時間は 6~10 時間で8 時間前後のものが多かった。

谷一郎:診療と新薬 11(8),1784,1974

ボルタレンSRに関してはボルタレン錠よりも穏やかに作用し、持続する時間も長くなるため、1日2回の使用で1日中効果が持続します。

1) ボルタレン錠25mg 添付文書

座薬であるボルタレンサポは強い痛みのときに使用

ボルタレンの座薬であるボルタレンサポは他の解熱鎮痛剤よりも強い効果を期待する場合やより早く痛みを止めたいときなどに使用されます。

ボルタレンサポの効能効果は以下の通りです。

○下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、後陣痛
○手術後の鎮痛・消炎
○他の解熱剤では効果が期待できないか、あるいは、他の解熱剤の投与が不可能な場合の急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)の緊急解熱

ボルタレンサポ12.5mg/ ボルタレンサポ25mg/
ボルタレンサポ50mg 添付文書

一般的に座薬は飲み薬よりも効果がでるまでの時間が早く、ボルタレンサポの効果が出るまでの時間は、ボルタレン錠の30分前後よりも早く効果がでると考えられます。効果がでるまでの時間の参考となるデータとして、最高血中濃度到達時間(tmax)があり、ボルタレンサポ50mgのtmaxはおよそ1時間程度とされており、ボルタレン錠の2.72時間よりもかなり速いと言えます。この点からもボルタレン錠よりも素早い効果発現が期待できます。

ボルタレンの湿布(テープ)、ゲル、ローションの効果

ボルタレンテープ、ボルタレンゲル、ボルタレンローションは肩関節周囲炎(五十肩)や上腕骨上顆炎(テニス肘など)、腱鞘炎、筋肉痛などに使用されます。

ボルタレンの外用剤の効能効果は以下の通りです。

下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛(筋・筋膜性腰痛症等)、外傷後の腫脹・疼痛

ボルタレンテープ15mg/ボルタレンテープ30mg
ボルタレンゲル1%、ボルタレンローション1%
添付文書

ボルタレンの副作用|眠気の有無は?

ボルタレンは他の解熱鎮痛薬と比較すると、特に飲み薬において胃荒れなどの副作用に注意が必要な薬です。それぞれの剤型毎に副作用を確認していきたいと思います。

なお、飲み薬であるボルタレン錠、ボルタレンSRカプセル、座薬のボルタレンサポに関しては頻度は低いものの、眠気が見られることがあり、重要な基本的注意として「本剤投与中に眠気、めまい、霧視を訴える患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように十分注意すること。」という、自動車運転等の注意喚起がされています。

ボルタレン錠とボルタレンSRカプセルは胃荒れに注意

ボルタレンの飲み薬であるボルタレン錠とボルタレンSRカプセルで注意が必要な副作用は胃荒れや胃炎などの消化器症状です。

臨床試験や市販後の調査の結果では、胃荒れや胃炎、胃痛などの消化器症状の頻度はボルタレン錠、ボルタレンSRカプセルともに2〜10%とされており1)2)、比較的よく見られる副作用と言えます。

胃腸がもともと弱い人はボルタレンの飲み薬はあまり向いているとはいえません。胃腸が弱くなくても副作用を防ぎたい場合にはムコスタやセルベックスなどの胃粘膜を保護する薬などを一緒に処方してもらうなどで副作用を軽減するなどの方法もあります。

なお、眠気の副作用の頻度はいずれも0.1%未満とされており、ほとんど出ないと言えます。

1) ボルタレン錠25mg 添付文書
2) ボルタレン SRカプセル37.5mg 添付文書

ボルタレンの座薬は下痢や便秘、吐き気などに注意

ボルタレンの坐剤であるボルタレンサポに関しては、下痢、軟便、腹痛などの消化器症状が主な副作用となります。

これら消化器症状の副作用の頻度としては臨床試験の結果では、5%前後とされています3)

その他にも座薬であるため、肛門部刺激による局所症状なども比較的多く報告されており、注意が必要です。

ボルタレンサポでも眠気の頻度は高くなく、0.1%未満とされています。

3) ボルタレンサポ12.5mg/ ボルタレンサポ25mg/ ボルタレンサポ50mg 添付文書

ボルタレンの湿布やゲルは皮膚症状に注意

ボルタレンの外用剤である湿布(テープ)やゲル、ローションに関しては貼付部位、塗布部位の皮膚症状に注意が必要となります。

ボルタレンテープでは皮膚炎が2.0%、そう痒感(かゆみ)が0.3%、ボルタレンゲルとボルタレンローションでは皮膚炎(発疹、湿疹、皮疹、かぶれ)が2.5%、そう痒感が0.8%、発赤(赤くなる)が0.8%、皮膚のあれが0.4%、刺激感が0.3%が臨床試験の結果として記載されています4)〜6)

4) ボルタレンテープ15mg/ボルタレンテープ30mg 添付文書
5) ボルタレンゲル1% 添付文書
6) ボルタレンローション1% 添付文書

ボルタレンのインフルエンザでの使用は注意

ボルタレンはインフルエンザの時の解熱鎮痛薬としてはあまり適していません

その理由としてインフルエンザ脳症やライ症候群のリスクが指摘されているためです。

特に子供においてはインフルエンザの時のジクロフェナクの使用はやや危険が伴うため、基本的には使用されません。

この理由は、ボルタレンの成分であるジクロフェナク、メフェナム酸の成分を含む解熱鎮痛剤はインフルエンザ脳症での使用にて死亡率を上昇させたという報告があるためです7)

インフルエンザの臨床経過中に発症した脳炎・脳症の重症化と解熱剤の使用

全症
例数
死亡
者数
死亡率
解熱剤を使用せず 63 16 25.4
アセトアミノフェン 78 23 29.5
ジクロフェナク 25 13 52.0
メフェナム酸 9 6 66.7
その他の解熱剤 22 5 22.7

7) 平成11年度厚生科学研究「インフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学的研究班」

上記の報告などから、小児科学会は以下のような見解を示し、インフルエンザの時に使用する解熱鎮痛剤はアセトアミノフェンを成分とする解熱鎮痛剤が推奨されています。

一般的に頻用されているアセトアミノフェンによる本症の致命率の上昇はなく、インフルエンザに伴う発熱に対して使用するのであればアセトアミノフェンがよいと考える。

平成12年11月12日 日本小児科学会理事会

なお、ボルタレンの添付文書においてはボルタレン錠とボルタレンサポにおいて以下のような注意喚起がされています。

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】

インフルエンザの臨床経過中の脳炎・脳症の患者

重要な基本的注意

1.ジクロフェナクナトリウム製剤を投与後にライ症候群を発症したとの報告があり、また、同効類薬(サリチル酸系医薬品)とライ症候群との関連性を示す海外の疫学調査報告があるので、本剤を小児のウイルス性疾患の患者に投与しないことを原則とするが、投与する場合には慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。
〔ライ症候群:水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である。〕

小児等への投与

(1) ウイルス性疾患(水痘、インフルエンザ等)の患者に投与しないことを原則とするが、投与する場合には慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。

その他の注意

(1) インフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症した患者(主として小児)のうち、ジクロフェナクナトリウムを投与された例で予後不良例が多いとする報告がある。

(2) インフルエンザ脳炎・脳症例の病理学的検討において脳血管の損傷が認められるとの報告があり、また、ジクロフェナクナトリウムは血管内皮修復に関与するシクロオキシゲナーゼ活性の抑制作用が強いとの報告がある。

ボルタレンとロキソニンの違い

ボルタレンとロキソニンの主な違いとして、効果の強さ、効果が出るまでの時間、副作用の出やすさ、販売されている剤型の違いなどが挙げられます。

まず、効果の強さは一般的にボルタレンの方がロキソニンよりも強いとされています。より強力な解熱鎮痛作用を求める場合はボルタレンが向いていると言えます。

効果が出るまでの時間はボルタレンよりもロキソニンの方が速いとされており、速ければ15分程度で効果を実感できるとされているのがロキソニンです。痛みを早く抑えたいような場合はロキソニンの方が向いていると言えるでしょう。

副作用はボルタレンよりもロキソニンの方が出にくいとされており、特に胃腸障害に関しては、目的部位まで移行してから作用が発揮されるプロドラッグの特徴をもつロキソニンの方が安全と言えます。

販売されている剤型はボルタレンの方が多く、ロキソニンの坐剤は販売されていません。大人で解熱鎮痛薬の坐剤は、一般的にはボルタレンを使うことになります。

他にも細かい点の違いはありますが、上記ような内容がボルタレンとロキソニンの主な違いとなります。

項目 ボルタレン ロキソニン
効果の強さ かなり強い ボルタレンよりは穏やか
効果が出るまでの時間 ロキソニンよりはゆっくり より速い
副作用 比較的出やすい 少ない
剤型の種類 錠剤、カプセル、座薬、テープ、ゲル、ローション 錠剤、細粒、テープ、パップ、ゲル

ボルタレンの市販での入手|湿布やテープなどの外用剤のみ市販でも購入できる

ボルタレンの成分ジクロフェナクは、湿布、テープ、ローション、クリーム、ゲルなどの外用剤のみ市販でも販売されています。残念ながら飲み薬や座薬は市販では販売されていません

ボルタレンの飲み薬や座薬について、入手したい場合は必ず処方箋が必要となります。ただし、飲み薬に関してはボルタレンの成分はないものの、ロキソニンやカロナールといった別の解熱鎮痛薬の成分は市販薬として販売されているため、ボルタレンの代わりにそれらを使用する選択肢もあります。

ボルタレン外用剤を市販で入手する場合、処方薬と同じ「ボルタレン」の製品名を用いている「ボルタレンEXテープ」、「ボルタレンEXゲル」の「ボルタレン」シリーズや湿布剤の大手の製薬会社である久光製薬が販売している「フェイタス」シリーズなどが代表的な市販薬と言えます。

市販のボルタレンシリーズ

剤型 製品名 特徴
ゲル ボルタレンACゲル メントール無配合でにおいが気にならない
ローション ボルタレンACローション メントール無配合でにおいが気にならない
ゲル ボルタレンEXゲル l-メントール配合で清涼感
スプレー ボルタレンEXスプレー
テープ ボルタレンEXテープ 7×10cm2
テープ ボルタレンEXテープL 10×14cm2
ローション ボルタレンEXローション l-メントール配合で清涼感

市販のフェイタスシリーズ

剤型 製品名 特徴
テープ フェイタスZ 7×10cm2
ローション フェイタスZαローション
クリーム フェイタスZクリーム
ゲル フェイタスZゲル
パップ フェイタスZシップ 10×14cm2
テープ フェイタスZジクサス 7×10cm2
フェイタスZの2倍の成分量
テープ フェイタスZジクサス大判 10×14cm2

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。

今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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