ムコソルバンの小児・子供の使用|使用する用量や眠気の副作用は?ムコダインとの違いも

 
ムコソルバンの小児・子供への使用に関して、効果や使い方、使用する量、飲み方、眠気などの副作用等について添付文書などから確認していきます。

ムコソルバンの特徴と小児・子供への使用

ムコソルバンはアンブロキソールを成分とし、痰切りや副鼻腔炎の排膿の効果がある薬です。((ムコソルバン錠15mg 添付文書))。
ムコソルバンはその安全性から小児・子供から高齢者まで幅広い年齢層で使用されている点が特徴して挙げられ、痰の症状や副鼻腔炎などで非常によく使われる薬の一つです。
ムコソルバンには錠剤、シロップ、効果が持続するカプセルなど様々な種類の剤型がありますが、主に小児・子供で使用されるものとして、粉薬の小児用ムコソルバンDS1.5%、シロップ剤の小児用ムコソルバンシロップ0.3%があります。

ムコソルバンの小児・子供への効果

ムコソルバンは小児・子供にもよく使用される薬です。ただし、ムコソルバンの錠剤は15歳未満の小児に対する具体的な用量は設定されていません。
小児の場合はムコソルバンドライシロップ、ムコソルバンシロップを使用するケースが多いと言えます。
ムコソルバンの効果は、気管支炎などの痰切り、副鼻腔炎での溜まった鼻水の排膿があります。
ムコソルバン錠15mg、ムコソルバンDSの効能効果の詳細は以下の通りです。

1. 下記疾患の去痰
急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核、塵肺症、手術後の喀痰喀出困難
2. 慢性副鼻腔炎の排膿

ムコソルバン錠15mg 添付文書

下記疾患の去痰
急性気管支炎、気管支喘息

小児用ムコソルバンDS1.5% 添付文書

なお、ムコソルバンの鼻水に対する効果は、あくまで溜まった鼻水の排膿です。
鼻水自体を止める効果はムコソルバンにはありません。また、ムコソルバンを使用したときに最初は鼻水の量が増えることがありますが、これはもともと溜まっていた鼻水が流れやすくなったためであり、ムコソルバンによって鼻水が新たに増えているわけではありません。

ムコソルバンの実際の効果

ムコソルバンの実際の患者さんに対する効果としてムコソルバンシロップの小児・子供に対する臨床試験の結果が公表されています。
ムコソルバンの有効率として、急性気管支炎には64.3%、気管支喘息に対しては58.2%という結果です((小児用ムコソルバンシロップ0.3% 添付文書))。

疾患名\有効率(%) 有効以上
急性気管支炎 64.3%(45/70)
気管支喘息 58.2%(82/141)

ムコソルバンの小児・子供の咳に対する効果は

ムコソルバンは直接咳を鎮める効果はありませんが、痰の切れをよくすることによって、副次的に咳に対する効果が見られるケースもあります。
咳の症状でムコソルバンを処方されたというケースでは、前述のように痰の改善により咳症状の改善も期待しての処方という可能性があるため、必ず指示された用法用量を使用するようにしましょう。

ムコソルバンの小児・子供への使い方・飲ませ方|使用する用量、体重別の量は

ムコソルバンの錠剤であるムコソルバン錠15mg、小児用ムコソルバンDS1.5%、小児用ムコソルバンシロップ0.3%、それぞれの用量を確認していきます。

ムコソルバン錠の小児の用量

ムコソルバンの一般的な錠剤であるムコソルバン錠15mgは前述の通り、小児に対する具体的な用法用量は設定されていませんが、実際には錠剤が使用されるケースもあります。
ムコソルバンDSの用量を参考にすると、体重kgあたり0.3mgを1回量として使用するため、50kgあれば1回量は15mgとなり、15mgの錠剤を使用しても問題ないことになります。
また、体重が50kgに満たない場合でも、小児の年齢や症状によっては錠剤を使用することがあり、このような場合は医師の指示通りに使用することで問題ないでしょう。

ムコソルバンDSの小児の用量

ムコソルバンDSは体重別に用量が設定されています。
通常は体重kgあたり1回0.3mgを使用します。ムコソルバンDSは1gあたり15mgの成分を含むため、10kgであれば1回0.2g、20kgであれば0.4g、30kgであれば0.6gを通常使用します。なお、症状によって医師の判断で量の増減があります。

通常、幼・小児に1日0.06g/kg (アンブロキソール塩酸塩として0.9mg/kg) を3回に分け、用時溶解して経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。

小児用ムコソルバンDS1.5% 添付文書

ムコソルバンDSの小児の飲み方・飲ませ方

ムコソルバンDSはヨーグルト風味の甘い味がついており、小児・子供でも非常に飲みやすい薬の一つです。
飲み方としては一般的に水やジュースなどの液体に溶かして飲むのが一般的です。
 

ムコソルバンシロップの小児の用量

ムコソルバンシロップも体重別に用量が設定されています。
通常は体重kgあたり1日0.9mgを使用します。ムコソルバンシロップは1mLあたり3mgの成分を含むため、10kgであれば1日3mL、20kgであれば6mL、30kgであれば9mLを通常使用します。なお、症状によって医師の判断で量の増減があります。

通常、幼・小児に1日0.3mL/kg(アンブロキソール塩酸塩として0.9mg/kg)を3回に分けて経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
小児用ムコソルバンシロップ0.3% 添付文書

ムコソルバンの小児・子供の副作用|眠気の有無は

ムコソルバンは副作用が非常に少ない、安全面の高い薬であり、副作用の心配はあまり必要ありません。
ムコソルバンの副作用は、33,196例中221例(0.7%)に副作用が報告され、主な副作用は、胃不快感34件(0.10%)、嘔気27件(0.08%)等の消化器症状であった、とされています((ムコソルバン錠15mg 添付文書))。
上記のように特別に頻度が高い副作用はなく、小児・子供でも安心して服用できる薬です。
なお、薬の副作用の定番である眠気に関しては、ムコソルバンではまず発現しません。ムコソルバンを使用して眠くなった場合は、他の薬(特に鼻炎症状を抑える抗ヒスタミン薬など)に原因があったり、疾患による疲れによってもたらされている可能性が高いと言えます。

ムコダインとムコソルバンの違いや併用は

ムコダインはムコソルバンと同じく、痰切りや副鼻腔炎の排膿で使用し、小児でも非常によく使われます。
ムコダインとムコソルバンの厳密な使い分けはなく、医師によってそれぞれ使い分けがあったり、両方を併用することもしばしばあります。
ムコダインとムコソルバンの作用機序はそれぞれ痰を柔らかくする、痰の滑りをよくすることが挙げられますが、それ以外にも様々な作用があり、一部は重複するものの併用することで相乗効果が得られると考えられています。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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