リンゼスの効果や副作用|発売日や薬価、海外での販売状況なども

リンゼスについて、その特徴、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、授乳中・妊娠中の使用、薬価などについて添付文書等から解説していきます。

リンゼスの特徴

リンゼスはリナクロチドを成分とした便秘型過敏性腸症候群に効果がある薬です1)
リンゼスは過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)のうち、便秘型 IBS(IBS-C)に対する国内初の治療薬です。
リンゼスは腸管分泌及び腸管輸送能を促進したり、大腸痛覚過敏を抑制することによって、排便頻度や残便感を改善したり、腹痛・腹部不快感を改善することが確認されています2)
1日1回の使用で効果がある薬であり、食前(食事の30分程度前)に使用するという特徴もあります。
1) リンゼス錠0.25mg 添付文書
2) リンゼス錠0.25mg インタビューフォーム

リンゼスの薬価収載日、発売日、製造販売会社や海外の状況

リンゼスは2016年12月に承認され、2017年2月に薬価収載、2017年3月(発売日2017年3月22日)に発売された新薬です。
日本ではアステラス製薬株式会社がリンゼスの製造販売を行っています。
日本での発売に先立ち、海外では既に使用されている国があり、米国、カナダ及びメキシコではIBS-C及び慢性特発性便秘(CIC)の承認を、EU及びスイスではIBS-Cの承認を取得し、販売を開始しています2)
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リンゼスの効果

リンゼスの効能効果として挙げられている内容は「便秘型過敏性腸症候群」です。
基本的に医師の適切な診断が必要な疾患であり、リンゼスの使用に先立ってる食事指導
や生活指導が行われるのが前提となっています。
リンゼスの効能・効果及び注意・効能に関連する使用上の注意は以下の通りです。

【効能・効果】
便秘型過敏性腸症候群
<効能又は効果に関連する使用上の注意>
便秘型過敏性腸症候群治療の基本である食事指導及び生活指導を行った上で、症状の改善が得られない患者に対して、本剤の適用を考慮すること。

リンゼス錠0.25mg 添付文書

リンゼスの作用機序

リンゼスの作用機序は腸管分泌及び腸管輸送能促進作用、大腸痛覚過敏改善作用とされています。
リンゼスはグアニル酸シクラーゼC(GC-C)受容体という作用点に作用することによって、サイクリックGMP(cGMP)という情報伝達物質の濃度を上昇させ、
作動薬GC-C受容体が刺激されると、腸管上皮の細胞内でサイクリックGMP(cGMP)という情報伝達物質が増えることにより、腸管分泌及び腸管輸送を促進し、結果として排便を促します。

リンゼスの効果時間

リンゼスは比較的効果が出るまでの時間が短いことが想定されます。リンゼスの効果時間の参考になるデータとして、臨床試験の結果があり、リンゼスを使用開始後24時間以内に自然排便があった患者さんは72.3%という報告があります2)
上記の結果から7割程度の患者さんはリンゼス使用後1日以内に排便がもたらされることが想定されます。
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リンゼスの使い方

リンゼスは1日1回食前(食事の30分程度前)に0.25mg錠を1回に2錠を使用するのが一般的な使い方です。
リンゼスの用法用量と用法及び用量に関連する使用上の注意の詳細は以下の通りです。

【用法・用量】
通常、成人にはリナクロチドとして0.5mgを1日1回、食前に経口投与する。
なお、症状により0.25mgに減量する。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>
重度の下痢があらわれるおそれがあるので、症状の経過を十分に観察し、本剤を漫然と投与しないよう、定期的に本剤の投与継続の必要性を検討すること。

リンゼス錠0.25mg 添付文書

リンゼスの副作用

リンゼスの主な副作用は下痢であり、その頻度は13.0%、続いて腹痛の1.6%が比較的多い副作用となります1)
リンゼスは便秘を改善することが目的の薬であるため、薬の効果が高いために下痢を生じるケースがあると考えられます。リンゼスの国内における長期投与の臨床試験では下痢の副作用が見られたケースでもそのほとんどが軽度であり、重度の下痢はみられなかったとされています2)
1) リンゼス錠0.25mg 添付文書
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リンゼスの飲み合わせ

リンゼスには飲み合わせに関して注意喚起されている薬はありません1)
基本的はどのような薬と一緒に飲んでも大丈夫と言えます。リンゼスの成分であるリナクロチドの特徴として、血中にはほぼ吸収されないという特徴もあり、他の薬剤との相互作用の心配が少ないメリットがあります。
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リンゼスの授乳中・妊娠中の使用

リンゼスの授乳中・妊娠中の使用について確認していきます。

リンゼスの授乳中の使用

リンゼスは授乳中に使用する場合は基本的にリンゼスを中止するよう注意喚起されています。

授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]

リンゼス錠0.25mg 添付文書

なお、実際に乳汁移行に関しては、リンゼスの成分自体が全身への移行が少ないため評価しなかったとしています2)。リンゼスの授乳中の使用に関しては安全とも確認されていませんが、危険と確認されているわけでもなく、使用経験が少ないため、注意喚起されていると考えられます。実際には授乳への影響は限定的と考えられますが、成分自体が比較的新しいものであるため、安易な使用は控えた方が良いでしょう。

実際に授乳中にリンゼスを使用するかは、処方医の先生の判断となります。リンゼスに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は授乳中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。
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リンゼスの妊娠中の使用

リンゼスは妊娠中の使用に関して、治療の有益性が危険性を上回る場合のみ使用と注意喚起さており、実際に使用するかは医師の判断となります。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(マウス)で胎児毒性(胎児体重の低値及び胎児の形態異常)が報告されている。]

リンゼス錠0.25mg 添付文書

上記の注意喚起の根拠の一つとして生殖発生毒性試験の結果が挙げられます。マウスにおける胚・胎児発生に対する影響に関する試験において、高用量の使用で胎児への毒性(胎児体重の低値、椎骨異常の発現率の増加、眼瞼開存発現率の増加)が確認されています2)。実際の臨床量に比較するとかなりの高用量の結果ですが、妊娠中の使用において胎児への影響がないわけではない可能性が示唆されるため、現時点では妊娠中の使用は推奨されないと言えるかもしれません。

実際に妊娠中にリンゼスを使用するかは、授乳中と同様に処方医の先生の判断が必要です。リンゼスに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は妊娠中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

2) リンゼス錠0.25mg インタビューフォーム

リンゼスの薬価、ジェネリック

リンゼスの薬価は0.25mg錠が1錠あたり92.40円となっており、2018年3月までは変わらない予定です。通常は1日2錠使用するのが一般的であるため、1日の薬価は184.8円となります。
なお、リンゼスにはジェネリック医薬品はありません。通常新薬は承認されてから一定の年数がたった後に再度審査を受ける必要があり、この期間を終えるまではジェネリック医薬品は販売されません。リンゼスの再審査期間は2016年12月19日~2024年12月18日とされており、この期間のうちはジェネリック医薬品は販売されません。また、特許期間に該当する場合はその期間もジェネリック医薬品は販売できません。

リンゼスの市販での購入

リンゼスの成分であるリナクロチドを含んだ薬は市販では買うことができません。
必ず医師の診察を受けて処方してもらう必要がある薬です。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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