セチリジンの効果や副作用|眠気の頻度や効かない場合の確認点、市販薬についても

セチリジンの特徴、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、授乳中・妊娠中の使用、薬価、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

セチリジンの特徴

セチリジンは抗アレルギー・抗ヒスタミン成分であり、蕁麻疹や花粉症を含むアレルギー性鼻炎、湿疹などに効果がある薬剤です1)。セチリジンを成分として含む薬剤の代表例としてジルテック錠の他、ジェネリック医薬品であるセチリジン錠などがあります。

セチリジンの特徴は、速く、強く、長く、選択的なヒスタミン H1受容体拮抗作用を示す成分である点であり、 成人は1日1回の使用で十分な効果を発揮します2)

セチリジンは、第2世代の抗ヒスタミン成分の中では眠気が多い方と考えられていますが、比較的強い抗アレルギー作用を有しており、眠気が気にならないようであれば他の抗アレルギー薬よりも使いやすい薬の一つです。

ジルテックの製剤には通常の錠剤である5mg錠、10mg錠の他、水なしで飲める口腔内崩壊錠(OD錠)、主に小児で使用されるドライシロップ1.25%剤があります。

今回は主にセチリジンの錠剤について確認していきます。

1) ジルテック錠5/ジルテック錠10 添付文書
2) ジルテック錠5/ジルテック錠10 インタビューフォーム

セチリジンはジルテックのジェネリック医薬品もしくは成分名を指す

「セチリジン」には2種類の意味があり、

①ジルテックのジェネリック医薬品を指す場合
②ジルテックの成分名(一般名)を指す場合

があります。

近年ではジェネリック医薬品の販売名は、薬の成分名で統一させる方針となっており、成分名がそのままジェネリック医薬品の販売名となります。

したがって、セチリジンとはジルテックのジェネリック医薬品の販売名もしくはジルテックの成分名を指すことになります。

セチリジンとジルテックの違い

セチリジンは上記の通り、ジルテックのジェネリック医薬品もしくは成分名を指すため、セチリジンとジルテックの違いは

①ジェネリック医薬品と先発医薬品の違い
②成分名(一般名)と販売名の違い

と言えます。

なお、ジェネリック医薬品の場合は、厳密にはセチリジンの後に製薬会社名が販売名として加えられるため、セチリジン塩酸塩錠10mg「サワイ」、セチリジン塩酸塩錠10mg「トーワ」などがジェネリック医薬品の正式な販売名となります。

また、OD錠に関してはジェネリック医薬品のみの剤型となります。

セチリジンの効果

セチリジン錠は蕁麻疹、花粉症を含むアレルギー性鼻炎(鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状)、湿疹・皮膚炎などに伴うかゆみに対して効果がある薬剤です。

セチリジン錠の製品例の効能効果は以下の通りです。

〔成人〕
アレルギー性鼻炎
蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚痒症

〔小児〕
アレルギー性鼻炎
蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚痒症)に伴う痒

セチリジン塩酸塩錠「サワイ」 添付文書

セチリジンの作用機序

セチリジンの主な作用機序はアレルギーを引き起こす原因物質であるヒスタミンに対しての拮抗作用です1)

花粉などやアレルギーなどでアレルギー原因物質が体内に取り込まれると、体の防御反応が働き体内で免疫反応が起こりますが、この反応が過剰になってしまっているのがアレルギー状態であり、この際にヒスタミンが過剰に放出されることが知られています。

セチリジンなどの抗ヒスタミン薬はこれらのヒスタミンの受容体(ヒスタミンが作用する部分)を阻害することによってヒスタミンの作用を抑制します。これにより鼻水・鼻づまり・くしゃみなどが症状となるアレルギー性の鼻炎や蕁麻疹、皮膚炎などの症状が和らぎます。

1) ジルテック錠5/ジルテック錠10 添付文書

セチリジンの効果時間

セチリジンの効果発現時間と効果持続時間を確認したものとして、ヒスタミン誘発皮膚反応抑制作用を確認した外国人データがあります。

その結果では、膨疹を抑制した効果時間が1~24時間後、紅斑を抑制した効果時間が40分~24時間後とされており2)、比較的速い効果時間と、1日1回の使用で効果が1日持続することが想定されます。

2) ジルテック錠5/ジルテック錠10 インタビューフォーム

セチリジンの実際の患者さんへの効果

セチリジンの実際の患者さんへの効果として、先発医薬品であるジルテックの臨床試験結果が参考となります。

ジルテックの効果は実際の患者さんに対して薬を使用した臨床試験で確認されており、成人に対する結果では49.6〜77.3%の有効率であることが確認されています1)

疾患名 改善率
「中等度改善」以上の
症例/総症例
アレルギー性鼻炎 49.6%(66/133)
蕁麻疹 77.3%(211/273)
湿疹・皮膚炎 65.9%(81/123)
痒疹 57.7%(30/52)
皮膚そう痒症 74.5%(41/55)

1) ジルテック錠5/ジルテック錠10 添付文書

セチリジンの風邪への効果

セチリジン錠は風邪における鼻炎症状に対しては基本的に効能効果の範囲外となります。

ただし、風邪をひいたときの鼻炎症状でもアレルギー性の要因が関わっているようなケースでは一定の効果が期待できることがあり、医師によっては処方するケースがあります。

また、比較的セチリジンと近い系統であるペリアクチンなどは「感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽」が効能効果として認められています。

鼻炎の症状で風邪と思ってクリニックにかかってセチリジンを処方された、というケースでは指示された通り使用して問題ないと言えるでしょう。ただし、自己判断で手持ちのセチリジンを風邪で使うようなことは避けましょう。

セチリジンの使い方

セチリジン錠はセチリジン錠10を1回1錠、1日1回使用するのが一般的な使い方となります。

セチリジン錠の製品例の用法用量の詳細は以下のとおりです。

〔10mg錠〕
通常、成人にはセチリジン塩酸塩として1回10mgを1日1回、就寝前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日20mgとする。

〔5mg錠〕
〔成人〕
通常、成人にはセチリジン塩酸塩として1回10mgを1日1回、就寝前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日20mgとする。
〔小児〕
通常、7歳以上15歳未満の小児にはセチリジン塩酸塩として1回5mgを1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。

セチリジン塩酸塩錠「サワイ」 添付文書

セチリジンが効かない場合は

セチリジンの効果を感じないといった時にまず確認したいのが、正しい用法用量でセチリジンを使用できているかという点です。

セチリジンは通常1回1錠の薬ですが、使用する規格や症状に応じて1回2錠で使用するケースもあります。正しい量を使えているか確認しましょう。

セチリジンは1日1回の使用で効果が持続する薬ですが、前回の使用から極端に間隔が長くなったりした場合はその間に効果が切れてしまう可能性もあります。逆に間隔が近すぎる場合は、次の日まで効果が持続しない可能性も考えられるため、適切な使用間隔で使用できているかという点も確認しましょう。

上記の確認点で問題がない場合は、セチリジンが症状にあっていない可能性もあります。他の抗アレルギー薬ではより高い効果が得られるというケースもあるため、正しい用法用量でも効果を感じない場合は処方医に相談してみるようにしましょう。

セチリジンの副作用|眠気に注意

セチリジンの副作用の頻度として、先発医薬品であるジルテックの臨床試験の結果が参考になり、ジルテック錠の主な副作用は、は眠気(6.0%)、倦怠感(0.9%)、口渇(0.6%)、嘔気(0.5%)等であったとされています1)

頻度の面からもセチリジンで最も注意が必要な副作用は眠気と言えます。

セチリジンを含めた抗ヒスタミン薬で眠気がでる、眠いと感じる理由は、アレルギーの原因となるヒスタミンは同時に脳の覚醒に影響する作用をもっており、抗ヒスタミン薬はそのヒスタミンの作用を阻害してしまうため、脳の覚醒が阻害され、眠気が出ると考えられています。

抗ヒスタミン薬の中でも脳内に移行しにくければ、脳のヒスタミン作用を阻害することが少なくなるため、近年は脳内移行率の低い抗ヒスタミン薬が開発されており、それらがアレグラやクラリチンをはじめとする眠くなりにくい抗ヒスタミン薬です。ただし、眠気の出にくいものは効果もマイルドである場合が多く、自分にあった薬剤を選ぶのが重要と言えます。

セチリジンは抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の中でも一定の眠気が報告されており、車の運転などに関して注意喚起されています。

重要な基本的注意

1. 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。

セチリジン塩酸塩錠「サワイ」 添付文書

1) ジルテック錠5/ジルテック錠10 添付文書

セチリジンの飲み合わせ

セチリジンには併用禁忌でないものの、飲み合わせに注意が必要なものがいくつかあります1)

セチリジンとの飲み合わせに注意が必要な薬(併用注意薬)は以下の通りです。

成分名等 代表的な薬剤
テオフィリン テオドール、ユニフィル
リトナビル ノービア
中枢神経抑制剤
アルコール
ピルシカイニド塩酸塩水和物 サンリズム

いずれの薬剤に関しても服用している場合は医師、薬剤師に伝えておくようにしましょう。

1) ジルテック錠5/ジルテック錠10 添付文書

セチリジンとお酒(アルコール)との飲み合わせ

セチリジンは前述の通り、お酒(アルコール類)に関しては併用注意とされています1)

絶対に禁止となる併用禁忌ではないものの、セチリジンを使用中にお酒を飲むことはあまり推奨されるとは言えません。アルコールと併用することで眠気が強く出る可能性が考えられます。

絶対に避けるものではないと言えますが、可能であれば事前に医師や薬剤師に相談しておき、飲酒をする場合でも量を控えたり時間を空けるなどのことを検討するようにしましょう。

1) ジルテック錠5/ジルテック錠10 添付文書

セチリジンの授乳中の使用

セチリジンは授乳中の場合は使用しないことが推奨されています。

授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。〔ヒト乳汁中へ移行することが報告されている。〕

セチリジン塩酸塩錠「サワイ」 添付文書

注意喚起されている理由として、産後の患者さんにジルテックの成分を使用した臨床試験にて、実際に乳汁中に成分が検出されたためです2)

ただし、専門家による見解の中には問題なく使用出来るというものもあり、愛知県薬剤師会が作成している「妊娠・授乳と薬」対応基本手引きでは、小児にも適応があり、授乳婦にも使用可能という内容です3)。また、大分県「母乳と薬剤」研究会が作成している母乳とくすりハンドブックでも、中枢への移行が少ないため通常量であれば問題ないという内容であり、「多くの授乳婦で研究した結果、安全性が示された薬剤 / 母乳への移行がないか少量と考えられ乳児に有害作用を及ぼさない」という見解です4)

小児にも適応があり、授乳婦に使用可能と考えられる。

「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)

中枢への移行は少なく通常の治療量であれば問題ない。

母乳とくすりハンドブック

実際に授乳中にセチリジンを使用するかは、処方医の先生の判断となります。セチリジンに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は授乳中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

2) ジルテック錠5/ジルテック錠10 インタビューフォーム
3) 愛知県薬剤師会 「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)(2012)
4) 大分県「母乳と薬剤」研究会 母乳とくすりハンドブック(2010)

セチリジンの妊娠中の使用

セチリジンの妊娠中の使用に関しては、治療の有益性が危険性を上回る場合のみ使用と注意喚起さており、実際に使用するかは医師の判断になります。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔動物実験(ラット)で胎盤を通過することが報告されている。〕

セチリジン塩酸塩錠「サワイ」 添付文書

なお、先発医薬品ジルテック製薬会社の情報によると、動物実験においても母動物、胎児及び出生児ともに特記すべき異常は認められていなく、人においても外国にて本剤投与は催奇形性のリスクを増大させないことが報告されており2)、大きな危険性はあまり確認されていません。

専門家による見解のひとつとして、愛知県薬剤師会が作成している「妊娠・授乳と薬」対応基本手引きでは、催奇形性や毒性を示すデータがなく、妊婦にも使用可能という内容です3)

ヒトでの催奇形性、胎児毒性を示唆するデータなし。妊婦に使用可能と考えられる。

「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)

また、その他の情報として、虎の門病院「妊娠と薬」相談外来における相談事例では、妊娠中にセチリジンの使用した事例が収集されていますが、その結果は「限られた情報ではあるが、本剤暴露群の児の出産結果は国内における自然奇形発生率を上回る変化とは考えられない」という見解であり5)、特別な危険性はないと判断しています。

実際に妊娠中にセチリジンを使用するかは、授乳中と同様に処方医の先生の判断が必要です。セチリジンに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は妊娠中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

2) ジルテック錠5/ジルテック錠10 インタビューフォーム
3) 愛知県薬剤師会 「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)(2012)
5) 株式会社じほう 実践 妊娠と薬 第2版

セチリジンの薬価

セチリジン錠の各種ジェネリック医薬品の薬価は、セチリジン塩酸塩錠10mgで22.1〜52.3円、セチリジン塩酸塩錠5mgで16.8〜38.6円とされており、メーカーによって薬価が異なります。

なお、セチリジンの先発医薬品であるジルテック錠では、ジルテック錠10で92.2円、ジルテック錠5で74.4円とされており、いずれもセチリジンのジェネリック医薬品を使用した方が経済的と言えます。

セチリジンの市販・通販での購入|代表的なOTC

セチリジンの成分は市販薬(OTC)でも販売されている成分であり、代表的な製品はコンタック鼻炎ZとストナリニZです。

これらの市販薬(OTC)はセチリジン塩酸塩を10mg含むため、処方薬のセチリジン錠10mgを使用するのと同じ効果が得られることが想定されます。ジルテックを市販で買いたい場合にはこれらの市販薬で代用できると言えます。

ただし、上記の市販薬(OTC)では効能効果がジルテックと少し異なっており、その詳細は「花粉,ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ,鼻水,鼻づまり」とされています。ジルテックの適応に含まれる蕁麻疹や湿疹などは、市販薬のストナリニZ、コンタック鼻炎Zでは適応がないため注意が必要です。一方、花粉症などのアレルギー性鼻炎ではこれらの市販薬で十分代用できると言えます。

セチリジンを個人輸入する(通販)

セチリジンは海外から通販などで個人輸入することも法律上は可能です。

厚生労働省のサイトにおいても、一部の医薬品を除き、海外から個人輸入で医薬品を買うことは認められています。セチリジンは個人輸入することが可能な医薬品に該当し、インターネット上でも通販として個人輸入を実施してくれるサイトがあったります。

しかし、この方法にもいくつかのリスクがあります。

リスクの一つとして、海外の医薬品であるため、品質が粗悪な可能性があります。もっとも極端な例ではセチリジンの成分とは異なるの成分が含まれている、といった可能性もゼロではありません。また、価格についても適正価格でない可能性があるというリスクがあります。そして、万が一重い副作用などが出てしまうケースの場合、国から受けれられる救済が受けられいない可能性があるというリスクもあります。

このように通販の個人輸入でもセチリジンは入手できるものの、いくつかのリスクが伴うことを理解しておきましょう。

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。

今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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