マイスリーの効果や副作用|効果時間やジェネリック、お酒の併用についても

マイスリーの特徴、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、授乳中の使用、妊娠中の使用、薬価、ジェネリック、市販での購入等について添付文書等から解説していきます。

マイスリーの特徴

マイスリーはゾルピデムを成分として含み不眠症に対して効果がある薬です1)

マイスリーの特徴は非ベンゾジアゼピン系に分類され、ω1受容体に選択的に作用する速効性の超短時間型睡眠薬です。作用持続時間が短いながらも、早朝覚醒にも効果を示し、耐薬性、依存性が形成されにくいという特徴も持っています2)

マイスリーにはゾルピデムの成分を5mg含むマイスリー錠5mgとマイスリー錠10mgの二種類があります。

1) マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 添付文書
2) マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg インタビューフォーム

マイスリーの効果

マイスリーは入眠剤に分類される薬であり、不眠症に対して効果が認められている薬です。ただし、統合失調症や躁うつ病病に伴う不眠には効果が期待できません。

マイスリーの効能効果の詳細は以下の通りです。

不眠症(統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症は除く)

マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 添付文書

マイスリーの作用機序

マイスリーの主な作用機序はベンゾジアゼピン受容体のω1受容体への作用によるGABA増強作用によるものです1)

マイスリーはベンゾジアゼピン受容体のω1受容体、ω2受容体のうち、ω1受容体への親和性が高いとされています3)。ω1受容体は主に催眠鎮静作用、ω2受容体は筋弛緩作用に関連しており、このためマイスリーは筋弛緩作用はあまりなく、高い催眠鎮静作用を示すと考えられます。

サブユニット ゾルピデム(マイスリー) ゾピクロン トリアゾラム
ω1受容体(IC50値) 46.3 104 1.5
ω2受容体
(IC50値)
≧10000 119 1.4
IC50比 ≧216 1.1 0.9

ω1受容体に作用することで抑制性神経伝達物質であるGABA(γ-aminobutyric acid)の作用を増強させます。

1) マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 添付文書
3) マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 総合製品情報概要

マイスリーの効果は59.6%の改善率

マイスリーの実際の患者さんに対する効果は臨床試験によって確認されており、統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症以外の不眠症に対する改善率は59.6%であったとされています1)

なお、59.6%の結果は著明改善と中等度改善を合わせた結果であり、これに加えて軽度改善が26.3%で認められているため、85.9%で何らかの改善がある結果となります3)

臨床成績 割合
著明改善 19.8%
中等度改善 39.8%
軽度改善 26.3%
不変 11.4%
悪化 2.4%
判定不能 0.4%

1) マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 添付文書
3) マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 総合製品情報概要

マイスリーの効果時間や半減期

マイスリーの効果発現時間の参考になるデータとして、不眠症患者79例に対して実施した臨床試験の結果が挙げられます。

入眠までの時間として、マイスリーを使用した場合は15分以内に入眠状態になった患者さんが50%以上、15〜30分以内も含めると80%以上の患者さんが入眠状態になったことが確認されており、この結果はマイスリー使用前と比較し統計学的に有意な差が現れています3)。この点からマイスリーは早ければ15分以内で効果が現れ、30分以内で多くの患者さんで効果があわられることが想定されます。

また、効果持続時間として参考になるのがマイスリーの血中での濃度が半分になる時間(半減期)のデータです。ベンゾジアゼンや非ベンゾジアゼピンの睡眠導入剤では薬剤の半減期と効果持続時間に一定の相関があると考えられています。マイスリーの半減期は単回投与で2.4±1.3時間とされており1)、比較的短い効果持続時間が想定されます。

1) マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 添付文書
3) マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 総合製品情報概要

マイスリーの使い方

マイスリーは1回5〜10mgを使用します。5mg錠であれば1〜2錠、10mg錠であれば1錠となります。ただし、あくまで医師から指定された量を使用する必要があり、自己判断で量を増やすのは避けましょう。

マイスリーの用法用量の詳細は以下の通りです。

通常、成人にはゾルピデム酒石酸塩として1回5~10mgを就寝直前に経口投与する。なお、高齢者には1回5mgから投与を開始する。年齢、症状、疾患により適宜増減するが、1日10mgを超えないこととする。

マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 添付文書

マイスリーが効かない場合は

マイスリーが効かないと感じる場合は症状に対して薬があっていない可能性があります。

マイスリーは不眠のタイプの中でも入眠障害に対する作用を得意としており、中途覚醒や早朝覚醒に対しては効果がないわけではないものの、より効果的な薬もあります。自分の不眠タイプをしっかり医師に伝えることが重要です。

また、5mgを使用している場合は、使用量が足りていない場合には10mgまで増量することも可能性ですが、その判断は処方医の先生が行うため、自己判断で増やすことはせず、必ず医師に相談するようにしましょう。

その他、リファンピシン製剤などの薬物代謝酵素CYP3A4を誘導する薬を併用している場合は、マイスリーの代謝が誘導させ濃度が低くなり効果が弱まる可能性があるため、どちらかの薬を変えるなどの対処も必要に応じて検討します。

上記のような対処をしても効かないと感じる場合は別の薬剤の方が効果的な可能性もあるため、やはり医師と相談の上、適切な薬を処方してもらうようにしましょう。

マイスリーの過量投与(OD)の影響

マイスリーを過量投与(いわゆるOD)の影響として、傾眠、昏睡などの意識障害や抑制症状、血圧低下、呼吸抑制、無呼吸などの可能性が挙げられています1)

マイスリーの過量投与(OD)は危険性が高いため、必ず使用量を守って使用することが大切です。

過量投与(OD)の対処法として、ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤のフルマゼニルを使用する手段もあります。症状が重い場合には医師の適切な処置を受けるようにしましょう。

1) マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 添付文書

マイスリーの副作用

マイスリーの主な副作用は、ふらつき(4.0%)、眠気(3.4%)、頭痛(2.8%)、倦怠感(2.8%)、残眠感(2.6%)、悪心(2.1%)等であった1)、とされています。

特に眠気やふらつきに関しては、その危険性から車の運転などに関して注意喚起がされているため、マイスリーを服用している場合は車の運転は控えるようにしましょう。

本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 添付文書

その他注意が必要な副作用として、マイスリーの依存症と離脱症状が有ります。

一般的に数ヶ月連用したりすると依存症になる可能性があるとされています。依存症には身体依存と精神依存があり、身体依存には薬を使用しても効かなくなる耐性や、薬を使用しなくなったり量を減らしたりすると不眠、不安、幻覚などの離脱症状があります。精神依存は薬を欲する心理状態です。

離脱症状には不眠やいらいら感などがあるとされています。離脱症状の対処としては、漸減法と隔日法があり、漸減法は1〜2週間おきに薬の量を徐々に減らしていく方法、隔日法は週に1〜2日程度の休薬日を設けて徐々に薬を服用しない日を増やしていく方法です。離脱症状が心配されるケースや、一度休薬や減量をして離脱症状が出たケースでは上記のような方法が実施されることがあります。

依存症や離脱症状はマイスリーではそれほど頻度は高くないと考えられていますが、使用する際はこれらの副作用を防ぐために必要最低限の使用が望ましいと考えられます。

1) マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 添付文書

マイスリーの飲み合わせ

マイスリーには飲み合わせに注意が必要な薬がいくつかあり、薬のほかお酒やアルコールも併用注意として注意喚起されています。

マイスリーの併用注意の薬剤は以下の通りです1)

成分名等 代表的な薬剤等
麻酔剤
中枢神経抑制剤 フェノバール、コントミン
アルコール(飲酒)
リファンピシン アプテシン、リファジン

マイスリー使用中はお酒(アルコール)は控える

マイスリーとお酒(アルコール)は、併用注意として注意喚起されています。

併用注意とは一緒に飲むことが禁止されているわけではないものの、飲み合わせには注意が必要なものです。

マイスリーがアルコールと併用注意な理由として、相加的な中枢抑制作用を示すことが考えられ、精神機能、知覚・運動機能の低下を起こすおそれがある、とされています。

絶対に併用できないわけではありませんが、マイスリー服用期間中は極力お酒は控えるようにしましょう。また、事前に医師に相談し、アルコールを飲む機会があった場合に、飲む量や時間帯など取り決めておくなどの対策も良いでしょう。

マイスリーの授乳中の使用

マイスリーは授乳中の場合は使用しない、もしくは使用する場合は授乳を中止することが推奨されています。

授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[母乳中へ移行することが報告されており、新生児に嗜眠を起こすおそれがある。]

マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 添付文書

上記の注意喚起がされている理由として、マイスリーの成分は乳汁中に移行することが確認されているためです。

ただし、専門家による見解の例として、愛知県薬剤師会が作成している「妊娠・授乳と薬」対応基本手引きでは、母乳中への移行が少ないため、授乳婦に使用可能と考えられるという内容です4)。大分県「母乳と薬剤」研究会が作成している母乳とくすりハンドブックでも、成分の半減期が短く、服用後時間をあければより安全としており、「限られた授乳婦で研究した結果、乳児へのリスクは最小限と考えられる / 授乳婦で研究されていないが、リスクを証明する根拠が見当たらない」という見解です5)

母乳中への移行は少ないので、投与できると考えられるが、乳児の症状に注意する。

「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)

半減期は短く、代謝産物に活性はない。服用後3時間あければより安全。

母乳とくすりハンドブック

実際に授乳中にマイスリーを使用するかは、処方医の先生の判断となります。マイスリーに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は授乳中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

4) 愛知県薬剤師会 「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)(2012)
5) 大分県「母乳と薬剤」研究会 母乳とくすりハンドブック(2010)

マイスリーの妊娠中の使用

マイスリーは妊娠中の使用に関して、治療の有益性が危険性を上回る場合のみ使用と注意喚起さており、実際に使用するかは医師の判断となります。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に本剤を投与された患者より出生した児に呼吸抑制、痙攣、振戦、易刺激性、哺乳困難等の離脱症状があらわれることがある。なお、これらの症状は、新生児仮死として報告される場合もある。]

マイスリー錠5mg/ マイスリー錠10mg 添付文書

専門家による見解の例として、愛知県薬剤師会が作成している「妊娠・授乳と薬」対応基本手引きでは、人での催奇形性、胎児毒性の明確なデータはないので、有益性を考慮した上でしようするという内容です4)

ヒトでの催奇形性、胎児毒性を示唆するデータなし。投与に際しては有益性を考慮して使用する。

「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)

実際に妊娠中にマイスリーを使用するかは、授乳中と同様に処方医の先生の判断が必要です。マイスリーに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は妊娠中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

4) 愛知県薬剤師会 「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)(2012)

マイスリーの薬価・ジェネリック

マイスリーの薬価は、2016年4月の改定時点(2016年4月〜2018年3月まで)で、マイスリー錠5mgが1錠あたり40.6円、マイスリー錠10mgが65.0円となっています。

なお、マイスリーにはジェネリック医薬品が販売されており、ゾルピデム錠という成分の名称で販売されています。マイスリーのジェネリック医薬品の薬価は5mgで10.7〜21.7円、10mg錠で18.7〜36.6円であり、マイスリーを使用するよりも薬局でかかる費用が安くなります。

マイスリーの市販での購入

マイスリーの成分であるゾルピデムは通販や市販で買うことはできません。

マイスリーは通販などの個人輸入でも購入することはできません。この理由はマイスリーが向精神薬に分類されており、個人輸入も規制の対象となるためです。

また、ゾルピデム成分は市販薬には使用できない成分とされており、マイスリーなどの非ベンゾジアゼピン系やベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤は市販薬としては販売が許可されていません。

マイスリーは処方薬の中でも「処方箋医薬品」に分類され、必ず処方箋が必要な医薬品に該当します。処方薬の中には「処方箋医薬品以外の医薬品」に分類される薬もあり、この場合は必ずしも処方箋がなくても薬局で買えるケースがありますが、マイスリーは必ず処方箋が必要な薬となります。

以上のようにマイスリーはその成分も含め、市販で購入することはできず、必ず医師の処方箋が必要となる薬と言えます。

なお、市販で販売されているドリエルなどの睡眠補助剤はマイスリーなどの睡眠導入剤とは全く違った作用機序の薬です。マイスリーと同等の効果は得られず、代替薬として使用するのは適していませんので注意しましょう。

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。

今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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