ブルフェン100、ブルフェン200、ブルフェン顆粒に関して、効果と効果の時間、頭痛や喉の痛みなどへの効果の有無、副作用や眠気の有無、ロキソニンやカロナールとの違いや併用について添付文書などから解説していきます。
Contents
ブルフェンの種類と特徴|ブルフェン100とブルフェン200
ブルフェンはイブプロフェンという解熱鎮痛成分を含むNSAIDs(非ステロイド性解熱鎮痛剤)に分類される薬の一つです。ブルフェンには錠剤タイプのフルフェン錠100とブルフェン錠200、粉薬のブルフェン顆粒20%があります。
ブルフェンは適度な強さの解熱鎮痛効果と比較的副作用が少ない安全面をもち合わせるバランスの良い解熱鎮痛薬という特徴を持ちます。また、成分のイブプロフェンはその安全面から市販薬でもよく使われる解熱鎮痛成分の一つとなっています。
ブルフェンの効果と時間|頭痛への効果は
ブルフェンは腰痛や関節痛、月経困難症(生理痛)などの痛みや、風邪(上気道炎)の喉の痛みや発熱に対して効果がある解熱鎮痛薬です。ブルフェンの効能効果の詳細は以下の通りです。
①下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、関節痛及び関節炎、神経痛及び神経炎、背腰痛、頸腕症候群、子宮付属器炎、月経困難症、紅斑(結節性紅斑、多形滲出性紅斑、遠心性環状紅斑)②手術並びに外傷後の消炎・鎮痛
③下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20% 添付文書
なお、頭痛に対する効果は明記されていませんが、実際には頭痛に対しても効果があると考えられます。ブルフェンの作用はシクロオキシゲナーゼという酵素を阻害することで、痛みや熱の原因となるプロスタグランジという生理活性物質の合成を抑制し、解熱鎮痛効果を示します1)。一般的な頭痛はこのプロスタグランジンが原因の一つであり、ブルフェンを使用することで他の痛みと同様、頭痛も軽減されることが想定されます。
実際にブルフェンの成分であるイブプロフェンが配合されている市販薬のイブなどはその効能効果に頭痛の記載があります。
●月経痛(生理痛)・頭痛・歯痛・咽喉痛・関節痛・筋肉痛・神経痛・腰痛・肩こり痛・抜歯後の疼痛・打撲痛・耳痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛
●悪寒・発熱時の解熱イブ<糖衣錠> 添付文書
1) ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20% 添付文書
ブルフェンの効果は1〜2時間後に現れ、3〜6時間持続|空ける時間の間隔は4時間以上
ブルフェンの効果発現時間と効果持続時間について、詳細に確認している文献はあまりありませんが、ブルフェンの成分であるイブプロフェンについて書籍などでは効果発現時間が1〜2時間後、持続時間が3〜6時間程度等の記述があります2)。
頓服(症状が出たときに使用)の場合、空けるべき時間の間隔についても明記されていないものの、一般的に鎮痛剤は最低4時間程度は空けるのが安全と考えられています3)。
なお、ブルフェンの成分であるイブプロフェンを含んだ市販薬も4時間程度の服用間隔をあけるよう注意喚起されています4)。
上記のような点から、ブルフェンの使用する間隔は最低でも4時間は空けるようにしましょう。
2) 日経BP社 製品選択のポイントがわかる「OTCメディケーション」
3) 薬事日報社 困ったときのくすりQ&A (大阪府病院薬剤師会編)
4) イブA錠 添付文書
ブルフェンの使い方|年齢別の用法用量なども
ブルフェンは疾患によって使用する量が異なります。前述の効能効果のうち①と②(風邪以外の痛み)に対して使用する場合は、大人では1回200mgを1日3回(1日量600mg)使用するのが一般的な使い方です。また、ブルフェンは5歳以上の子供に対しても適切な用量が設定されており、5歳〜7歳では1日量として200〜300mg、8歳〜10歳では1日量として300〜400mg、11歳〜15歳では1日量として400〜600mgとされており、年齢によって使用する量が異なります。
年齢 | 1日の 成分量 |
ブルフェン100 | ブルフェン200 |
5歳〜7歳 | 200〜300mg | 2〜3錠 | – |
8歳〜10歳 | 300〜400mg | 3〜4錠 | 2錠 |
11歳〜 15歳 |
400〜600mg | 4〜6錠 | 2〜3錠 |
大人 | 600mg | 6錠 | 3錠 |
効能効果の③である風邪(上気道炎)などの解熱鎮痛目的で使用する場合は、1回200mgを使用します。原則として、1日2回までの使用となります。
・下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、関節痛及び関節炎、神経痛及び神経炎、背腰痛、頸腕症候群、子宮付属器炎、月経困難症、紅斑(結節性紅斑、多形滲出性紅斑、遠心性環状紅斑)
・手術並びに外傷後の消炎・鎮痛
イブプロフェンとして、通常、成人は1日量600mgを3回に分けて経口投与する。
小児は、5~7歳 1日量 200~300mg
8~10歳 1日量 300~400mg
11~15歳 1日量 400~600mg
を3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。
・下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
通常、成人にはイブプロフェンとして、1回量200mgを頓用する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大600mgを限度とする。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20% 添付文書
ブルフェンの副作用|眠気の有無は?
ブルフェンは比較的副作用が少なく安全に使用できる薬です。その中でも頻度が高い副作用は胃荒れなどの胃部不快感、食欲不振、悪心(吐き気)・嘔吐、下痢などの消化器症状がおよそ3%の頻度となっています1)。
その他には発疹(0.2%)、そう痒(かゆみ;0.14%)などの副作用があります。
眠気の副作用に関しても報告がありますが、その頻度は0.02%とされており5)、通常は経験するケースの方が稀と考えられます。ブルフェンの成分であるイブプロフェンはいわゆる眠くなる成分には分類されない成分であり、基本的には眠くなる心配はいらないと言えるでしょう。
1) ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20% 添付文書
5) ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20% インタビューフォーム
ブルフェンとロキソニンとの違いや強さ、併用など
ブルフェンの他に代表的な解熱鎮痛剤にロキソニンが挙げられます。ブルフェンとロキソニンとの違い、どちらかが強いかや、併用の可否などについても確認していきましょう。
ロキソニンはブルフェンと同じNSAIDsですが、一般的にロキソニンの方が作用がより速く出るとされています。また、効果の強さも一般的にはロキソニンの方が強いと考えられていますが、人によってはブルフェンの方が効果を実感できるというケースもあり、カロナールも含め、薬の効き目の強さは個人の差による所も大きいと考えられます。
なお、ブルフェンとロキソニンを併用することは基本的にありません。作用機序が同じ薬であるため、併用しても相乗効果があることは考えにくく、どちらか一つの解熱鎮痛薬を使用するのが一般的であり、効果が実感できない場合は、中止した上で別の薬を使用するのが通常の使用方法となります。医師からの特別な指示があるような場合を除き、自己判断でこれらを併用するのはやめましょう。
ブルフェンとカロナールとの違いや強さ、併用など
代表的な解熱鎮痛剤とカロナールも挙げられます。ブルフェンとカロナールについても違いやどちらかが強いか、併用の可否などについても確認していきましょう。
カロナールはブルフェンと違い、NSAIDsに分類されない解熱鎮痛剤です。その作用機序は脳に直接作用して熱を下げたり、痛みを和らげる作用があるとされていますが、詳細な部分は未だに不明確な部分もあります。カロナールの特徴として胃荒れなどの胃部不快感をはじめとした副作用が少ないことがあげられる反面、作用は一般的にブルフェンの方が強いと考えられています。
ブルフェンとカロナールを併用することも基本的にありません。ブルフェンとカロナールとでは、作用機序が違うものの、やはりどちらか一つの解熱鎮痛薬を使用するのが一般的であり、効果が実感できない場合は、中止した上で別の薬を使用するのが通常の使用方法となります。ロキソニンと同様、医師からの指示があるような場合を除き、自己判断でこれらを併用するのはやめましょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
コメント