メマリーの効果と特徴、薬価、アリセプトの併用についても

メマリーのアルツハイマーに対する効果やその特徴、作用機序、薬価、アリセプトとの併用や違いにつて確認していきます。

メマリーの効果と作用機序

メマリー(成分名:メマンチン)は2011年に販売が開始されたアルツハイマーに効果がある薬です。正式な効能効果は以下の通りです。

中等度及び高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

メマリー錠/メマリーOD錠 添付文書

NMDA受容体拮抗アルツハイマー型認知症治療剤と分類されており、その作用機序はアルツハイマー型認知症で関連が高いと考えられているグルタミン酸神経系の受容体の機能を抑制させることによって、アルツハイマーに効果があると考えられています。

その効果は「認知症疾患治療ガイドライン2010」でも推奨されており、非常に効果が期待できる薬と言えます。

NMDA受容体拮抗薬のメマンチンのメタアナリシス(エビデンスレベル1)では、中等度〜重度AD患者に対する認知、ADL、臨床全般評価の改善が報告されている。

認知症疾患治療ガイドライン2010

メマリーの特徴

メマリーはアルツハイマー薬の中でも他の薬と異なる点が多い特徴を持った薬です。
従来のアルツハイマー薬はコリンエステラーゼを阻害することにより、アセチルコリンの働きを促進する事によってアルツハイマーの進行を遅らせるという作用機序でしたが、メマンチンは前述の通り、別の作用機序をもっているという特徴があります。
また、他のアルツハイマー薬は肝臓で代謝を受けるのに対し、メマリーは肝臓での代謝を受けず、腎臓から排泄されます。この点から薬物代謝酵素P450による代謝の影響を受けにくいという特徴もあります。
メマリー錠は使い方にも特徴があります。通常は1日1回5mgからスタートし、1週間で5mgずつ増量し、20mgまで増量して維持します。

通常、成人にはメマンチン塩酸塩として 1 日 1 回 5 mgから開始し、 1 週間に5 mgずつ増量し、維持量として 1 日 1 回20mgを経口投与する。

メマリー錠/メマリーOD錠 添付文書

メマリーの薬価とジェネリック医薬品

メマリーには通常の錠剤と、水なしでも使用出来るOD錠があり、それぞれ5mg、10mg、20mgの規格が販売されています。それぞれの薬価は以下の通りです。

薬剤名 薬価
メマリー錠5mg 137.7
メマリー錠10mg 246.0
メマリー錠20mg 439.7
メマリーOD錠5mg 137.7
メマリーOD錠10mg 246.0
メマリーOD錠20mg 439.7

なお、メマリーは現時点では残念ながらジェネリック医薬品は販売されていません。

メマリーとアリセプトの併用や違い

アリセプトはコリンセステラーゼ阻害薬というグループに分類され、アセチルコリンがコリンエステラーゼによって分解されることを抑制することにより、脳内アセチルコリンの量を増加させ、脳内コリン作動性神経系を促進させます。これによりアルツハイマーの進行を抑制します。アリセプトはアルツハイマーでは比較的昔から使用されている薬です。
上記のとおり、メマリーとアリセプトは作用機序が違うため、併用することによってより高い効果を期待することができます。特に中等度から重度のアルツハイマーにおいてはメマリーとアリセプトを併用することも少なくありません。
実際に「認知症疾患治療ガイドライン2010」においてもアリセプトとメマリーの併用について推奨されており、さらにメーカーの公式のサイトでも併用に関する制限はない旨が伝達されています。
これらの点からメマリーとアリセプトの併用は有効な選択肢のひとつと言えるでしょう。
 
薬を使用する際には必ず添付文書を確認し、決められた用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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