ノイロトロピンの特徴、効能、薬価など|花粉症に対する効果も

ノイロトロピンについて特徴や効能、薬価、リリカとの違い、注射剤の花粉症に対する効果等を添付文書などから確認していきます。

ノイロトロピンの特徴と効能

ノイロトロピンはワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液を成分とする痛みに効果がある薬です。ウサギの皮膚にワクシニアウイルスを注射し、炎症を起こした部位より摂取した物質が成分となります。ロキソニンなどの痛み止めとは異なり、神経痛などに対しても効果があるという特徴もあります。
主に使われる効能として腰痛や頸肩腕症候群(いわゆる肩こり)、変形性関節症(ひざ関節症)などがあります。
ノイロトロピンの錠剤の効能効果は以下の通りです。

帯状疱疹後神経痛、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、変形性関節症

ノイロトロピン錠4単位 添付文書

ノイロトロピンが痛みに対する効能がある仕組みは主に以下の三つとされています。

①中枢性鎮痛機構であるモノアミン作動性下行性疼痛抑制系の活性化作用
②侵害刺激局所における起炎物質であるブラジキニンの遊離抑制作用
③末梢循環改善作用

①は結果的に脳が痛みを感知することを抑制する働きをもたらし、痛みが和らぎます。②痛みの原因となる物質であるブラジキニンが遊離することを防ぐため、痛みが出にくくなります。③は末梢の患部の皮膚温の低下などを改善し、椎間板ヘルニアなどの痛みを改善します。このように複数の作用を持つ点もノイロトロピンの特徴の一つです。

なお、通常の頭痛などの痛みに対しては、上記の通り効能はありません。実際にはある程度の効果が見られるかもしれませんが、頭痛に対してはロキソニンなどのいわゆる解熱鎮痛剤の方がより効果的と考えられます。

ノイロトロピンとリリカの違いや併用

前述の通りノイロトロピンの神経の痛みに対しても効果が期待できますが、同じく神経痛に効果がある薬としてリリカが有名です。
ノイロトロピンとリリカの違いは作用の仕方にあります。ノイロトロピンの作用は前述の通りですが、リリカは神経痛をもたらす物質の一つであるカルシウムに関して、それを放出するカルシウムイオンチャネルの一部に結合して鎮痛効果を発揮するとされています。
従って、ノイロトロピンとリリカは作用が違い、両方の薬を併用するケースもあるようです。

ノイロトロピンの薬価

ノイロトロピンの錠剤は1錠当たりの薬価が31.1円となっています。
ノイロトロピンは通常1回2錠、1日2回という使い方をするので、1日の薬価としては、124.4円という計算になります。

通常、成人には1日4錠を朝夕2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

ノイロトロピン錠4単位 添付文書

なお、ジェネリック医薬品が販売されている薬はより安い薬価で入手できますが、ノイロトロピンはジェネリック医薬品は販売されていません。

ノイロトロピンの花粉症に対する効果

ノイロトロピンは錠剤の他に注射があり、注射は花粉症などのアレルギー性鼻炎にも効果があるとされています。
ノイロトロピン注射の効能効果は以下の通りです。

腰痛症、頸肩腕症候群、症候性神経痛、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、蕁麻疹)に伴う瘙痒 、アレルギー性鼻炎

ノイロトロピン注射液 添付文書

ノイロトロピン注射はアレルギー性鼻炎のくしゃみ、鼻閉(鼻づまり)、鼻漏(鼻水)のいずれの症状にも効果があると考えられており、特にくしゃみに対しては、プラセボ(偽薬)群と比較し、有意に改善したという調査結果が出ています1)
1) ノイロトロピン注射液 添付文書
薬を使用する際には必ず添付文書を確認し、決められた用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました