ドネペジルの効果や適応、作用機序、薬価などについて解説

アリセプトのジェネリック医薬品であるドネペジルに関して効果や適応、作用機序、薬価、アリセプトとの違いについて、添付文書やインタビューフォームから解説します。

ドネペジルの特徴とアリセプトとの違い

ドネペジルはアルツハイマーなどの認知症に使われる薬の成分であり、そのまま「ドネペジル」という製品名で販売されてもいます。
製品名が「ドネペジル」の薬は、アリセプトという薬のジェネリック医薬品であり、ドネペジルアリセプト違いジェネリック医薬品であるか先発医薬品であるかということになります。
また、アリセプトとジェネリック医薬品であるドネペジルの違いとして、薬の適応がアリセプトの方が多く、ドネペジルはアルツハイマー型認知症だけであるのに対し、アリセプトはレビー小体型認知症に対する適応も持っているという違いもあります。

ドネペジルの効果と適応

ドネペジルの適応効能効果)は以下の通りです。

アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制

ドネペジル塩酸塩錠「サワイ」 添付文書

認知症の代表的なものがアルツハイマー型認知症であり、いわゆる認知症といわれる疾患の中でも最も患者数が多いとされています。認知症における約6割はアルツハイマー型とされており、男性よりも女性に患者さんが多いという特徴があります。
アルツハイマー型認知症は脳にアミロイドβ、タウなどと呼ばれるたんぱく質が増えることにより脳の神経の機能が低下していき、記憶障害などが発生していくとされています。
ドネペジルは上記のようなアルツハイマー型の認知症に効果があるとされていますが、その適応は進行抑制であり、進行した病状を回復させる効果はあまり期待できません。従って、症状が現れたら早めに薬物治療することが重要となります。

ドネペジルの作用機序

製薬会社が公表しているドネペジルの作用機序の一例は以下の通りです。

アセチルコリンエステラーゼ(AChE)を可逆的に阻害することによりシナプス間隙のアセチルコリン(ACh)濃度を高め、脳内コリン作動性神経系を賦活して、アルツハイマー型認知症における認知機能障害の進行を抑制する。
従来のコリン阻害薬に比べて、末梢神経のブチリルコリンエステラーゼに働くことが少なく、AChEへの選択性が強い。

ドネペジル塩酸塩錠「サワイ」 インタビューフォーム

 
ドネペジルは脳内のコリンエステラーゼという酵素を阻害することにより、アセチルコリンという脳の作用を促す神経伝達物質の働きを良くしアルツハイマーに効果をもたらします。

ドネペジルの薬価

ドネペジルは様々な剤型があり、錠剤、細粒、ゼリーなどがあります。また、規格(含まれる成分量の種類)も多くの種類があります。
ドネペジルはアリセプトのジェネリック医薬品であり、アリセプトからドネペジルに変更することで場合によっては薬剤料が半額程度になるケースもあります。
ドネペジルの剤型の種類と先発医薬品であるアリセプトと比較した薬価は以下の通りです。なお、アリセプトドライシロップに関してはジェネリック医薬品が販売されておらず、ドネペジルの名称では製品がありません。

販売名 ドネペジル薬価 アリセプト
薬価
ドネペジル塩酸塩錠3mg 85.50  203.50
ドネペジル塩酸塩錠5mg 125.70  300.60
ドネペジル塩酸塩錠10mg 156.40  537.40
ドネペジル塩酸塩D錠3mg 85.50  203.50
ドネペジル塩酸塩D錠5mg 125.70  300.60
ドネペジル塩酸塩D錠10mg 233.30  537.40
ドネペジル塩酸塩内服ゼリー3mg 132.90  200.20
ドネペジル塩酸塩内服ゼリー5mg 201.50  306.70
ドネペジル塩酸塩内服ゼリー10mg 240.80  552.00
ドネペジル塩酸塩細粒0.5% 129.80  286.60
アリセプトドライシロップ1% 562.10

※ドネペジルの薬価は最も安いものを掲載
 
薬を使用する際には必ず添付文書を確認し、決められた用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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