フルコートFの特徴と強さ|フルコートFを含む種類と値段、ニキビややけど、顔などへの使用

フルコートについてその特徴、強さ、種類、効果、使い方、副作用、値段、薬価、ジェネリックなどについて添付文書等から解説していきます。

フルコートの特徴と強さ

フルコートはフルオシノロンアセトニドを成分とするステロイドの塗り薬であり、湿疹や皮膚炎、かゆみなどの皮膚そう痒症、虫刺されなどに効果が認められています((フルコートクリーム0.025%/フルコート軟膏0.025% 添付文書))。
また、フルコートの中でもフルコートFは、抗生物質のフラジオマイシンを含んでおり、化膿止めの効果も期待できる塗り薬です((フルコートF軟膏 添付文書))。
フルコートの特徴として、ステロイドとしての強さは、上から三番目の強さであるⅢ群(Strong)に分類され、中程度の強さとなります。
ステロイドの外用剤は効果の強さにより、Ⅰ〜Ⅴ群に分類されます。Ⅰ群(Strongest)が最強であり、数が大きくなるにつれ効果が弱くなり、Ⅴ群(Weak)が最も弱い分類となります。
フルコートは中程度の強さであるため、様々な皮膚疾患、体の色々な部位、幅広い年齢層に使用される、使い勝手の良い外用剤と言えます。
他のステロイド剤と強さを比較すると、ロコイドやキンダベート(それぞれⅣ群)よりは強く、リンデロンV・VGやメサデルム、ベトネベート(それぞれⅢ群)と同等の強さ、アンテベートやマイザー(それぞれⅡ群)、デルモベート(Ⅰ群)よりは弱いという位置付けになります。

フルコートの種類|処方薬と市販薬で販売

フルコートには処方薬と市販薬があり、処方薬の中には抗生物質を含むものと含まないもの、剤型が軟膏、クリーム、外用液、スプレーなどの種類があります。
フルコートの種類は以下の通りです。

処方薬/
市販薬
製品名 抗生物質の有無
処方薬 フルコート軟膏0.025% ×
処方薬 フルコートクリーム0.025% ×
処方薬 フルコート外用液0.01% ×
処方薬 フルコートスプレー0.007% ×
処方薬 フルコートF軟膏
市販薬 フルコートf

なお、処方薬のフルコートF軟膏と市販薬のフルコートfは含まれる成分料も同じでであり、同じ軟膏剤であるため、全く同じ効果が得られると言える薬剤です。

フルコートの効果

フルコートは湿疹や皮膚炎、かゆみなどの皮膚そう痒症、虫さされなどに効果がある薬です。
処方薬のフルコート、フルコートFの効能効果の詳細は以下の通りです。

湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、女子顔面黒皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)、皮膚そう痒症、痒疹群(じん麻疹様苔癬、ストロフルス、固定じん麻疹を含む)、虫さされ、乾癬、掌蹠膿疱症、薬疹・中毒疹

フルコートクリーム0.025%/フルコート軟膏0.025% 添付文書

<適応症>
・深在性皮膚感染症、慢性膿皮症
・湿潤、びらん、結痂を伴うか、又は二次感染を併発している次の疾患:
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)、乾癬、皮膚そう痒症(陰部・肛門部)、掌蹠膿疱症
・外傷・熱傷及び手術創等の二次感染

フルコートF軟膏 添付文書

また、市販薬のフルコートfの効能効果は以下の通りです。

◎化膿を伴う次の諸症:湿疹,皮膚炎,あせも,かぶれ,しもやけ,虫さされ,じんましん
◎化膿性皮膚疾患(とびひ,めんちょう,毛のう炎)

フルコートf 添付文書

フルコートのやけどへの使用

フルコートはやけどに対しても使用される薬であり、フルコートFであればさらに化膿止めの効果も期待できます。
ただし、第2度深在性以上の熱傷・凍傷に対しては禁忌とされているため、自己判断でやけどに使用するようなことは避けましょう。
なお、市販薬のフルコートfについては厳密にはやけどの効能効果は明記されていません。できる限り医師の診察を受けて使用するようにしましょう。

フルコートのヘルペスへの使用

フルコートはヘルペスに対しては使用しないのが一般的です。
フルコートなどのステロイドは炎症には高い効果が期待でき、またフルコートFは細菌による化膿止めとして効果が期待できますが、ウイルスに対しても効果がないため、ヘルペスに適している薬とは言えません。自己判断でヘルペスに使用することは避けるようにしましょう。

フルコートはニキビには基本的に使用しない

フルコートの効能効果としてニキビは含まれず、基本的には使用しません。炎症を鎮める意味では効果があるケースも考えられますが、ステロイド外用剤には一般的に痤瘡様疹(ニキビのような状態)の副作用の可能性が知られており、ニキビが悪化してしまうケースもあります。従って自己判断でニキビに使用するのは避けましょう。

フルコートの使い方

フルコートは通常1日1~数回、適量を使用します。フルコートFに関しては無菌ガーゼ等にのばして貼り付ける使い方もあります。

フルコートは顔や陰部に使用するケースも|まぶたや粘膜は注意

フルコートは医師の判断によって顔や陰部などのデリケートな部分でも使用するケースがあります。ステロイドと聞くと抵抗がある人もいるかと思いますが、先生から顔などのへの使用を指示されている場合はその通り使用しても問題ありません。
ただし、医師からの指示ではない場合に、顔に湿疹などがある場合には自己判断で使用することはやめましょう。
なお、顔の中でも目の周りや瞼は他の部分より注意が必要です。長期の場合、大量使用の場合に眼圧上昇や緑内障の危険性があるため、医師から指示されている場合を除き、使用するのは控えましょう。陰部における粘膜部分も九州が高くなるため、同様に注意が必要です。
なお、市販のフルコートについても顔面や陰部の使用は禁止されていませんが、粘膜などのへの使用については専門家に相談するよう注意喚起されているため、自己判断で使用しないようにしましょう。

フルコートの副作用

フルコートはステロイドの一つであり、副作用が心配という人もいるかと思いますが、正しい使用法で使用する分にはあまり心配は必要ないと言えます。
報告されている副作用は刺激感や発疹、紫斑など基本的には塗布した部分におけるものがほとんどであり、塗った部位を様子を見ながら使用すれば副作用が問題になるようなことはあまりないと言えるでしょう。
なお、頻度はまれですが、目に関わる副作用もあり、後のう白内障、緑内障が報告されています。これらは特に大量・長期にステロイドを使用している際に可能性があるため、大量・長期で使用しているような場合は念のため、定期的に目にも異常がないか確認するようにしましょう。
その他、ステロイドは免疫を弱めてしまう傾向があるため、皮膚の感染症を起こしてしまうリスクが共通してあることも念のため覚えておきましょう。

フルコートの値段、薬価、ジェネリック

市販薬のフルコートfの値段は、メーカー希望小売価格で5gチューブが980円(税抜)、10gチューブ10g 1,800円(税抜)となっています。
処方薬のフルコートは、2018年4月改定時点の薬価で、フルコート軟膏とフルコートクリームが1gあたり20.6円、フルコートF軟膏が1gあたり25.8円、フルコート外用液が1mLあたり21.0円、フルコートスプレーが1gあたり10.7円となっています。
フルコート軟膏とフルコートF軟膏にはジェネリック医薬品が販売されており、フルコート軟膏のジェネリックがフルオシノロンアセトニド軟膏0.025%「YD」であり1gあたり7.6円、フルコートF軟膏のジェネリックがデルモランF軟膏であり1gあたり15.9円となっています。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
 

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