アレジオンの小児・子供への使用|小児の副作用、年齢別の用量、市販の購入、錠剤・点眼も

アレジオン、アレジオン点眼の特徴、小児の使用、錠剤の使用、年齢別の用量、小児での副作用、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

アレジオンの特徴と小児の使用

アレジオンはエピナスチンを成分として含み、花粉症を含めたアレルギー性鼻炎や蕁麻疹、皮膚疾患などに、錠剤の処方薬に関しては気管支喘息に対しても効果が認められている薬です((アレジオン錠10/ アレジオン錠20 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/650168_4490014F1025_1_10.pdf))。
また、アレジオンには点眼液もあり、こちらは花粉症のなどのアレルギー性結膜炎に対して効果が認められています((アレジオン点眼液0.05% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/300237_1319762Q1028_1_07.pdf))。
アレジオンの飲み薬の特徴は、眠気などの中枢抑制作用がプラセボ(偽薬)と差がなく、1日1回の使用で効果が認められる点が挙げられます。
アレジオン点眼の特徴はコンタクトしたまま使用できる点があり、添加物が他の抗ヒスタミン点眼薬とは異なっています。
アレジオンの飲み薬には、処方薬、市販薬があり、処方薬では錠剤のアレジオン錠10、アレジオン錠20、主に小児で使用する粉薬のアレジオンドライシロップ、市販薬は錠剤のみでありアレジオン10、アレジオン20の種類があります。アレジオン点眼は処方薬のみであり、市販薬はありません。
 

アレジオンの小児への適応、効果

アレジオンは小児にも使用される薬です。ただし、アレジオンの錠剤は処方薬、市販薬ともに15歳未満の小児にはあまり使用しません。
小児の場合は処方薬のアレジオンドライシロップが一般的に使用されます。
アレジオンドライシロップの適応は花粉症を含めたアレルギー性鼻炎や蕁麻疹、皮膚疾患に対するものです。ドライシロップに関しては、錠剤で効果が認められている気管支喘息は厳密には適応に含まれません
アレジオンドライシロップの効能効果の詳細は以下の通りです。

アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

アレジオンドライシロップ1% 添付文書

また、アレジオン点眼は小児でも使用することができる薬であり、花粉症を含めたアレルギー性鼻炎に使用されます。

アレルギー性結膜炎

アレジオン点眼液0.05% 添付文書

アレジオンの小児の用量|年齢別の使用量、錠剤の使用は

アレジオンは処方薬の錠剤、市販薬の錠剤、処方薬のドライシロップ、処方薬の点眼の種類があり、それぞれの用量を確認していきます。

アレジオン錠剤の小児の用量

アレジオンの錠剤は前述の通り、あまり小児には使用しません。錠剤は小児に対して禁忌(使用できない)ではありませんが、小児に対する安全性が確立されていないとされており、小児に対する用法用量は設定されていません。
したがって、アレジオンの飲み薬で小児に使用する場合は処方薬のドライシロップが一般的になります。

アレジオンドライシロップの小児の用量

アレジオンドライシロップは年齢・体重別に用量が設定されています。
アレジオンドライシロップの小児に対する用量は、アレルギー性鼻炎と皮膚疾患でやや異なりますが、3〜7歳で0.5〜1g、7歳以上で1〜2gを1日1回で使用するのが一般的な用量となります。

1. アレルギー性鼻炎
通常、小児には1日1回0.025~0.05g/kg(エピナスチン塩酸塩として0.25~0.5mg/kg)を用時溶解して経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
ただし、1日投与量はドライシロップとして2g(エピナスチン塩酸塩として20mg)を超えないこと。年齢別の標準投与量は、通常、下記の用量を1日量とし、1日1回用時溶解して経口投与する。

年齢 標準体重 1日用量
3歳以上
7歳未満
14kg以上
24kg未満
0.5~ 1 g
7 歳以上 24kg以上 1~2g

2. 蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
通常、小児には1日1回0.05g/kg(エピナスチン塩酸塩として0.5mg/kg)を用時溶解して経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
ただし、1日投与量はドライシロップとして2g(エピナスチン塩酸塩として20mg)を超えないこと。年齢別の標準投与量は、通常、下記の用量を1日量とし、1日1回用時溶解して経口投与する。

年齢 標準体重 1日用量
3歳以上
7歳未満
14kg以上
24kg未満
1 g
7 歳以上 24kg以上 2g

 アレジオンドライシロップ1% 添付文書

アレジオンドライシロップの1歳、2歳への子供の使用

アレジオンドライシロップは具体的な用量が設定されているのが3歳以上であり、1歳未満、1歳、2歳の子供に対しては具体的な用量は製薬会社の添付文書には記載されていません。
また、特に1歳未満の子供に対しては安全性が確立していない旨の注意喚起がされており、注意が必要となります。

小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していない。

アレジオンドライシロップ1% 添付文書

ただし、1歳未満、1歳、2歳の子供に対しても、使用した実績がないわけではなく、副作用などを確認したアレジオンドライシロップ市販後の使用成績調査、特定使用成績調査では、1歳未満で42例中0例(0.00%)、 1歳で94例中 1 例(1.06%)、2歳で158例中 2(1.27%)の副作用が確認された結果が示されており、一概に副作用が出やすい傾向もないことがわかります((アレジオンドライシロップ1% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/650168_4490014R1021_1_11.pdf))。
医師の判断によるものの、仮に1歳未満、1歳、2歳の子供に使用する場合も、体重1kgあたり0.025~0.05gを使用することになると考えられます。

アレジオンドライシロップの小児の飲ませ方

アレジオンドライシロップはヨーグルト風味の甘い味が付いてますが、子供によっては苦味を感じるケースもある薬です。
基本的には少量の水で溶かして飲むのが一般的ですが、飲みにくい場合はオレンジジュース、リンゴジュース、アイスクリーム、プリン、ココアなどに混ぜることで飲みやすくなるとされています(( JA 北海道厚生連 帯広厚生病院 薬剤部 お子様への粉薬の飲ませ方について))。逆に嚥下補助ゼリーは飲みにくくなるとされているので注意が必要です。

アレジオン市販の錠剤は

アレジオンの市販の錠剤は小児には使用しません
市販のアレジオンの注意事項として、「してはいけないこと」に15才未満の小児は服用しないでください、と注意喚起されています((アレジオン10/20 添付文書))。
アレジオンの市販の錠剤を自己判断で小児に使用するのは避けましょう。

アレジオン点眼の小児の用量

アレジオン点眼液は子供でも処方されることがある目薬であり、医師の適切な診断のもと処方された場合は特に問題なく使用出来る目薬と言えます。
アレジオン点眼の用量は成人と変わらず、1日4回使用するのが一般的です。
アレジオン点眼の用法用量は以下の通りです。

通常、1回1滴、1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。

アレジオン点眼液0.05% 添付文書

ただし、6歳未満の幼児以下の場合は使用経験が少ないとされているため、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対する安全性は確立していない(低出生体重児、新生児、乳児に対しては使用経験がない。幼児に対しては使用経験が少ない)。

アレジオン点眼液0.05% 添付文書

アレジオンの小児の副作用

アレジオンの飲み薬の小児における副作用はアレジオンドライシロップの結果が参考となります。
レジオンドライシロップの主な副作用として眠気、にがみ、嘔気などが報告されています。
ただし、これらの副作用も決して高い頻度ではなく、製薬会社から注意喚起されている内容では、眠気、にがみ、嘔気がいずれも0.09%とされています((アレジオンドライシロップ1% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/650168_4490014R1021_1_11.pdf))。
アレジオンはいわゆる抗ヒスタミン薬の中でも眠気が出にくい部類に入ります。アレグラやクラリチンといった薬よりは眠気が出やすいとされているものの、アレロック、ジルテック、ザジテン、ポララミンといったものよりは眠気が出にくいとされており、使いやすい薬のひとつと言えます。
アレジオン点眼の主な副作用は眼瞼炎、眼刺激感、眼の異物感などであり、小児の副作用は7歳未満が0.35%、7歳以上15歳未満が1.63%とされ((アレジオン点眼液0.05% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/300237_1319762Q1028_1_07.pdf))、子供でも比較的安全に使用できる目薬と考えられます。

アレジオンの小児における市販での購入

市販されているアレジオンは錠剤のアレジオン10、アレジオン20であり、前述の通り市販のアレジオンの錠剤は小児では使用できません
市販のアレジオンの注意事項として、「してはいけないこと」に15才未満の小児は服用しないでください、と注意喚起されています((アレジオン10/20 添付文書))。
アレジオンの市販の錠剤を自己判断で小児に使用するのは避けましょう。小児でアレジオンを使用する場合は必ず医師の診察を受け、処方薬のアレジオンを処方してもらうようにしましょう。
また、アレジオン点眼液は市販薬としては販売されていません。同じ抗ヒスタミン系の成分を含む目薬で小児でも使えるものとしてザジテンAL点眼薬などがあり、市販でアレジオン点眼液と同じような効果の目薬を買いたい場合はこれらを選択しましょう。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました