スピラゾンの効果や副作用|ステロイドの強さや顔への使用などについても

スピラゾンの特徴、効果、使い方、副作用、授乳中・妊娠中の使用、薬価、ジェネリック、市販での購入等について添付文書等から解説していきます。

スピラゾンの特徴

スピラゾンはプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルを成分とするステロイドの塗り薬です。湿疹や皮膚炎、蕁麻疹、虫刺されなどに効果があり1)、比較的マイルドな作用のため、赤ちゃんおむつかぶれや子供から大人までの幅広い年齢層で使用される外用剤です。

スピラゾンはステロイド外用剤の中で強さが下から2番目に弱いとされるⅣ群(Mild)に分類される薬です。ステロイドは効果の強さによって最も強いⅠ群(Strongest)、Ⅱ群(VeryStrong)、Ⅲ群(Strong)、Ⅳ群(Mild)、最も弱いⅤ群(Weak)に分類されます。スピラゾンはⅣ群ですので、効果は比較的穏やかな分、副作用はあまり心配がいらない薬となります。

スピラゾンには通常の塗り薬である軟膏の他、クリームとローションの剤型があり、それぞれスピラゾン軟膏0.3%、スピラゾンクリーム0.3%、 スピラゾンローション0.3%の販売名で販売されています。軟膏、クリーム、ローションの使い分けの例として以下のような特徴があります。

剤型 メリット デメリット 向いている
ケース
軟膏 保湿性が高く、刺激が少ない ベタベタし使用感がイマイチ 傷があったり、ジュクジュクしている部分
クリーム 軟膏よりもベタつかず、吸収も良い 軟膏よりも効果が低い可能性、刺激を感じることも 乾燥している部分、皮膚が厚い部分
ローション 吸収が最も速く、使用感も良い 最も刺激を感じやすく、効果が続かない 頭部への使用

1) スピラゾン 添付文書

スピラゾンはリドメックスのジェネリック

スピラゾンは同じくプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルの成分を含むリドメックスコーワのジェネリック医薬品です。

ジェネリック医薬品であるため、スピラゾンは先発医薬品であるリドメックスコーワよりも薬価が低く設定されており、安価に入手することができます。

スピラゾンの効果

スピラゾンは湿疹や皮膚炎、蕁麻疹などの痒疹群、虫刺されなどに効果がある薬です。

スピラゾンの効能効果の詳細は以下の通りです。

・湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬を含む)、
・痒疹群(固定じん麻疹、ストロフルスを含む)、
・虫さされ
・乾癬
・掌蹠膿疱症

スピラゾン 添付文書

スピラゾンの作用機序

スピラゾンが湿疹、皮膚炎などの皮膚疾患に対して効果を示すのは、ステロイド成分による抗炎症作用が働くためです。

ステロイドの成分は一般的に抗炎症蛋白のリポコルチンを産生を促進させ、ホスホリパーゼA2を阻害し、結果として抗炎症作用を示すとされています。

スピラゾンの実際の効果

スピラゾンの実際の患者さんに対する効果として、スピラゾンの先発医薬品に該当するリドメックスの臨床試験の結果が参考となります2)

リドメックスコーワは軟膏、クリーム、ローションの剤型ごとに各疾患における改善率を確認しており、湿疹や皮膚炎症では90%前後、蕁麻疹などの痒疹群でも85%以上の改善率が確認されています。

疾患名
\剤形
軟膏 クリーム ローション
湿疹・
皮膚炎群
91.1% 89.1% 89.8%
痒疹群 92.6% 85.2%
虫刺症
(虫さされ)
100.0% 100.0%
尋常性乾癬 88.5% 88.8% 50.0%
掌蹠膿疱症 80.0% 77.8%

2) リドメックスコーワ 添付文書

スピラゾンはヘルペスやニキビには基本的に使用しない

スピラゾンに含まれる成分はステロイドであり、ウイルスの感染に対しては基本的に効果は期待できません。

ヘルペスなどもウイルスが原因の感染症であり、スピラゾンには適さない皮膚疾患です。医師から処方された場合を除き、自己判断で使用することはやめましょう。

ニキビに対しても基本的にはスピラゾンの効能には含まれません。炎症を鎮める目的で効果があるケースもありますが、ステロイド外用剤には一般的に痤瘡様疹(ニキビのような状態)の副作用の可能性が知られており、ニキビが悪化してしまうケースもあります。従って自己判断でニキビに使用するのは避けましょう。

スピラゾンの使い方

スピラゾンは1日1〜数回患部に塗って使用します。

スピラゾンの用法用量の詳細は以下の通りです。

通常1日1~数回、適量を患部に塗布する。なお、症状により適宜増減する。また、症状により密封法を行う。

スピラゾン 添付文書

スピラゾンは顔などに使用するケースも

スピラゾンは前述の通りステロイドの中でも作用が比較的マイルドな方であり、場合によっては顔や陰部などのデリケートな部分でも使用するケースがあります。ステロイドと聞くと抵抗がある人もいるかと思いますが、先生から顔などのへの使用を指示されている場合はその通り使用しても問題ありません。

ただし、医師からの指示ではなく、顔に湿疹などがある場合には自己判断で使用することはやめましょう。

スピラゾンの副作用

スピラゾンはステロイドの一つであり、副作用が心配という人もいるかと思いますが、正しい使用法で使用する分にはあまり心配は必要ないと言えます。

副作用の頻度として参考になるものとしてスピラゾンの先発医薬品であるリドメックスコーワ軟膏を例に挙げると、刺激感0.17%、毛のう炎・せつ0.08%、そう痒感0.07%、皮疹の増悪0.07%、カンジダ症0.01%などとされています2)

起こりうる副作用は基本的には塗布した部分におけるものがほとんどであり、塗った部位を様子を見ながら使用すれば副作用が問題になるようなことはあまりないと言えるでしょう。

なお、頻度はまれですが、報告されている重大な副作用として目に関わる副作用もあり、眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障が報告されています。これらは目の周辺に使用した場合や、特に長期にステロイドを使用している際に可能性があるため、目の周辺や長期で使用しているような場合は念のため、定期的に目にも異常がないか確認するようにしましょう。

その他、ステロイドは免疫を弱めてしまう傾向があるため、皮膚の感染症を起こしてしまうリスクが共通してあることも念のため覚えておきましょう。

2) リドメックスコーワ 添付文書

スピラゾンの授乳中・妊娠中の使用

スピラゾンの授乳中・妊娠中の使用について確認していきます。

スピラゾンの授乳中の使用

スピラゾンは授乳中の使用について、メーカーから特別な注意喚起はされてなく1)、基本的にはあまり気にせず使用できると言えるでしょう

専門家による見解のひとつとして、愛知県薬剤師会が作成している「妊娠・授乳と薬」対応基本手引きでも、スピラゾンの成分は授乳中でも使用可能という見解です3)

局所作用であり、授乳婦に使用可能と考えられる。

「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)

実際に授乳中にスピラゾンを使用するかは、処方医の先生の判断となります。スピラゾンに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は授乳中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

1) スピラゾン 添付文書
3) 愛知県薬剤師会 「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)(2012)

スピラゾンの妊娠中の使用

スピラゾンの妊娠中の使用に関しては、大量又は長期にわたる広範囲の使用は避けるよう注意喚起されており、実際に使用するかは医師の判断となります。

妊娠中の使用に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。

スピラゾン 添付文書

上記のような注意喚起がされている理由の一つとして、動物実験にてにスピラゾンの成分であるプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルを皮下投与した試験で、ラットへの悪影響が確認されています4)。ただし、この内容は皮下投与の結果であり、実際の使用法である皮膚に塗布した場合とは異なる可能性が考えられます。

実際には皮膚に塗布する外用剤では影響は大きくないと考えられ、専門家による見解のひとつとして、愛知県薬剤師会が作成している「妊娠・授乳と薬」対応基本手引きでも、スピラゾンの成分は大量、長期の使用でなければ使用可能という見解です3)

局所作用であり、大量、長期でなければ使用可能

「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)

実際に妊娠中にスピラゾンを使用するかは、授乳中と同様に処方医の先生の判断が必要です。スピラゾンに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は妊娠中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

3) 愛知県薬剤師会 「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)(2012)
4) リドメックスコーワ インタビューフォーム

スピラゾンの薬価、ジェネリック

スピラゾンの薬価は、2018年4月の改定時点で、軟膏、クリーム、ローション共通して1gあたり6.9円とされています。5g1本あたりでは34.5円、10g1本あたりでは69円となります。

この薬価はスピラゾンの先発医薬品であるリドメックスコーワの1gあたり17.3円よりも安価であり、ジェネリック医薬品であるスピラゾンを使用する方が経済的と言えます。

スピラゾンの市販・通販での購入

スピラゾンの成分であるプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルを含む塗り薬は市販薬としても販売されており、同じ成分が市販でも購入できます。

代表的な市販薬はリビメックスコーワであり、スピラゾンの先発医薬品であるリドメックスコートと同じ製薬会社が製造販売しており、スピラゾンと同様に軟膏、クリーム、ローションの剤型があります。

注意点としては、市販薬のリビメックスは1g中に1.5mgの成分が含まれており、1g中に3mg含まれる処方薬のスピラゾンと比較し成分の濃度が半分となっているため、必ずしも同じ強さの効果が得られない可能性があります。また、効能効果に関しても処方薬のスピラゾンとは若干効果が異なっているため、自分の疾患が市販薬のリビメックの適応となるかは確認が必要です。リビメックスの効能効果は以下の通りです。

湿疹,皮膚炎,かぶれ,虫さされ,かゆみ,あせも,じんましん

リビメックスコーワ 添付文書

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。

今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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