デキサンVGの効果や副作用|効果がある疾患や使用部位なども

デキサンVGの特徴、効果、使い方、副作用、薬価、市販での購入等について添付文書等から解説していきます。

デキサンVGの特徴

デキサンVG軟膏はステロイドの成分であるベタメタゾン吉草酸エステルと抗生物質のゲンタマイシン硫酸塩が配合された外用剤です。
ステロイドによる炎症を鎮める作用と、抗生物質による化膿止めの作用が合わさった外用剤であり、化膿を伴う湿疹や皮膚炎群、外傷における二次感染に効果がある薬です1)
1) デキサンVG軟膏0.12% 添付文書

デキサンVGのステロイドの強さは中くらい

デキサンVG軟膏のステロイド外用剤としての強さ上から三番目の強さであるⅢ群(Strong)に分類され、中程度の強さとなります。
ステロイドの外用剤は効果の強さにより、Ⅰ〜Ⅴ群に分類されます。Ⅰ群(Strongest)が最強であり、数が大きくなるにつれ効果が弱くなり、Ⅴ群(Weak)が最も弱い分類となります。
デキサンVG軟膏は中程度の強さであるため、様々な皮膚疾患、体の色々な部位、幅広い年齢層に使用される、使い勝手の良い外用剤と言えます。

デキサンVG軟膏はリンデロンのジェネリック医薬品

デキサンVG軟膏と同じ成分を含む薬剤の代表的な製品として、リンデロンVG軟膏があります。デキサンVG軟膏はリンデロンVG軟膏のジェネリック医薬品であり、成分は同じため基本的にその効果には違いがありません。
(※2018年4月の改定で先発医薬品、ジェネリック医薬品の区別がなくなっています。)
他にもデキサンVG軟膏とリンデロンとの違いとして、リンデロンにはクリームやローションの剤型がある点や、リンデロンには抗生物質の成分が入っていないリンデロンVという外用剤もあるという点が挙げられます。一般的に軟膏よりもクリームの方が塗り心地が良いという特徴があり、また、頭皮などローションの剤型の方が向いているケースもあります。軟膏以外の財を使用したい場合はリンデロンVGを使用した方が良いケースもあります。
なお、薬の価格である薬価については2018年4月改定時点の薬価においては、デキサンVGとリンデロンVGとは薬価が変わらず、1gあたり同じ27.2円に設定されています。

デキサンVGの効果

デキサンVGは化膿している湿疹や皮膚炎などに使用されるのが一般的です。また熱傷(やけど)にも使用されます。
デキサンVGの効能効果の詳細は以下の通りです。

○湿潤、びらん、結痂を伴うか、または二次感染を併発している次の疾患:
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、脂漏性皮膚炎を含む)、乾癬、掌蹠膿疱症
○外傷・熱傷および手術創等の二次感染

デキサンVG軟膏0.12% 添付文書

デキサンVGの作用機序

デキサンVGが湿疹、皮膚炎などの皮膚疾患に対して効果を示すのは、ステロイド成分による抗炎症作用が働くためです。
ステロイドの成分は一般的に抗炎症蛋白のリポコルチンを産生を促進させ、ホスホリパーゼA2を阻害し、結果として抗炎症作用を示すとされています。

デキサンVGの実際の効果

デキサンVG軟膏の実際の患者さんに対する効果は、先発医薬品であるリンデロンVGの臨床試験の結果が参考となります。
リンデロンVGの湿潤、びらん、結痂を伴うか、又は二次感染を併発している湿疹・皮膚炎群、乾癬、掌蹠膿疱症を対象とした臨床試験において、有効率は 77.4%であったという結果が確認されています2)
2) リンデロン-VG軟膏0.12%/リンデロン-VGクリーム0.12% 添付文書

デキサンVGはヘルペスや水虫には基本的に使用しない

デキサンVGに含まれる成分はステロイドと抗生物質であり、ウイルスの感染に対しては基本的に効果は期待できません。
ヘルペスなどもウイルスが原因の感染症であり、デキサンVGには適さない皮膚疾患です。医師から特別に指示された場合を除き、自己判断で使用することはやめましょう。
その他、皮膚の疾患の代表的なものにかゆみを伴う水虫がありますが、基本的にデキサンVGの成分は水虫の原因には効果がありません。ステロイドによって免疫が低下して逆に悪化するような可能性もあり、デキサンVGは積極的に水虫に使用する薬でありません。デキサンVGを自己判断で水虫に使用するのは避けましょう。

デキサンVGの使い方

デキサンVGは1日1〜数回患部に塗って使用します。
デキサンVGの用法用量の詳細は以下の通りです。

通常1日1~数回適量を塗布する。なお、症状により適宜増減する。

デキサンVG軟膏0.12% 添付文書

デキサンVGの顔や陰部への使用

デキサンVGは場合によっては陰部に使用することもあります。一般的に顔や陰部は他の皮膚の部分よりも薬をよく吸収されることが知られており、同じ量を使用してもかなり効果が強く出る傾向があります。また、同じ顔でも目の周りは特に吸収されやすく、顔や陰部に使用する場合は医師からの指示であっても十分に注意して使用するようにしましょう。
また、子供はより効果が強く出てしまう傾向があります。子供の場合は、デキサンVGを顔や陰部に使用する場合は大人よりも慎重に使用する必要があります。こちらも医師から指示があった場合のみ使用するようにしましょう。

デキサンVGの副作用

デキサンVG軟膏はステロイドの一つであり、副作用が心配という人もいるかと思いますが、正しい使用法で使用する分にはあまり心配は必要ないと言えます。
副作用の頻度として参考になるものとしてデキサンVGの先発医薬品であるリンデロンVGの主な副作用は、皮膚刺激感・潮紅8例(1.8%),皮膚炎4例(0.9%)などとされています2)
起こりうる副作用は基本的には塗布した部分におけるものがほとんどであり、塗った部位を様子を見ながら使用すれば副作用が問題になるようなことはあまりないと言えるでしょう。
なお、頻度はまれですが、報告されている重大な副作用として目に関わる副作用もあり、眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障が報告されています。これらは目の周辺に使用した場合や、特に長期にステロイドを使用している際に可能性があるため、目の周辺や長期で使用しているような場合は念のため、定期的に目にも異常がないか確認するようにしましょう。
2) リンデロン-VG軟膏0.12%/リンデロン-VGクリーム0.12% 添付文書

デキサンVGの薬価

デキサンVGの薬価は、2016年8月の改定時点で、1gあたり27.2円とされています。軟膏1本5gでは136円、1本10gでは272円となります。
この薬価はデキサンVG軟膏の最も汎用されている先発医薬品のリンデロンVG軟膏と同じ薬価であり、価格には差がありません。

デキサンVGの市販での購入

デキサンVG軟膏は市販でも比較的近い薬を買うことが可能です。
デキサンVGの成分は前述の通り、ベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシン硫酸塩ですが、このうちベタメタゾン吉草酸エステルを含む市販薬が販売されており、ベトネベートクリームSベトネベートN軟膏ASが該当します。
ベトネベートクリームSはステロイド成分のベタメタゾン吉草酸エステルのみ、ベトネベートN軟膏ASはステロイドの他にフラジオマイシン硫酸塩という抗生物質が含まれているため、抗生物質の種類は違うものの、デキサンVGにより近い市販薬となります。
患部が化膿しているような場合でデキサンVGと同様にステロイド成分の他に抗生物質も含まれている薬が適している場合はベトネベートN軟膏ASが適していると言えます。
ベトネベートS軟膏の効能効果は以下の通りです。

化膿を伴う次の諸症:湿疹,皮膚炎,あせも,かぶれ,しもやけ,虫さされ,じんましん
化膿性皮膚疾患(とびひ,めんちょう,毛のう炎)

ベトネベートS軟膏 添付文書

 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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