アレロックの小児・子供の使用|用量や鼻水・鼻づまり、蕁麻疹などへの効果、眠気などの副作用、咳への効果の有無も

 
アレロックの特徴、小児・子供の使用、年齢別の用量、小児・子供での副作用、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

アレロックの特徴と小児・子供の使用

アレロックはオロパタジンを成分として含み、花粉症を含めたアレルギー性鼻炎の鼻水・鼻づまりの症状、蕁麻疹、皮膚疾患などに効果が認められている薬です((アレロック錠2.5/アレロック錠5 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/230124_4490025F1023_1_26.pdf))。
アレロックの特徴は、第一世代の抗ヒスタミン薬よりも眠気を感じにくく、第二世代の抗ヒスタミン薬に分類される薬の中では比較的強い効果が見込める点が挙げられます。アレグラなどの眠気を最も感じにくい抗ヒスタミン薬では効果が不十分な場合に、アレロックに切り替えるといったケースもあり、効果の高さを期待するには向いている薬の一つです。
アレロックには、通常の錠剤であるアレロック錠2.5、アレロック錠5、水なしで飲めるアレロックOD錠2.5、アレロックOD錠5、主に小児で使用する粉薬のアレロック顆粒0.5%の種類があります。
なお、アレロックの成分は現在は市販薬として販売されておらず、市販で買うことはできません。

アレロックの小児・子供への適応、効果

アレロックは小児にも使用される薬であり、花粉症を含めたアレルギー性鼻炎の鼻水・鼻づまりの症状のほか、蕁麻疹や湿疹などの皮膚疾患に効果が認められている薬です。
処方薬の普通錠や水なしで飲めるOD錠は7歳以上の子供から使用することができます。
また、2歳以上7歳未満の小児では、顆粒剤であるアレロック顆粒を使用するのが一般的です。
アレロック錠、アレロック顆粒の効能効果は以下の通りです。

成人:アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症、尋常性乾癬、多形滲出性紅斑)
小児:アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

アレロック錠2.5/アレロック錠5 添付文書
アレロック顆粒0.5% 添付文書

 

アレロックの小児・子供における鼻水、鼻づまりへの効果

アレロックの小児・子供における鼻水、鼻づまりへの効果は臨床試験によって確認されています。
アレルギー性鼻炎の小児(7〜16歳)を対象に実施された臨床試験において、鼻の3主徴(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)合計スコアを確認した結果、プラセボ(偽薬)と比較し、統計学的に有意な改善を示したことが確認されています((アレロック錠2.5/アレロック錠5 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/230124_4490025F1023_1_26.pdf))。

アレロックの小児・子供におけるアトピーへの効果

アレロックの小児・子供におけるアトピーへの効果は臨床試験によって確認されています。
アトピー性皮膚炎の小児(7〜16歳)を対象に実施された臨床試験において、瘙痒スコアの変化量を確認した結果、ケトチフェンフマル酸塩(製品名:ザジテンなど)と同程度の効果が確認されています((アレロック錠2.5/アレロック錠5 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/230124_4490025F1023_1_26.pdf))。

アレロックの小児・子供における蕁麻疹への効果

アレロックの小児・子供における蕁麻疹への効果は、添付文書にて臨床試験などの結果はき刺されていませんが、成人の蕁麻疹に対する結果が参考となります。
アレロックの成人に対する蕁麻疹への効果は、国内で実施された臨床試験において80.6%の有効率であったことが確認されています((アレロック錠2.5/アレロック錠5 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/230124_4490025F1023_1_26.pdf))。

アレロックの小児・子供における咳への効果

アレロックは咳に対する効能効果は認められておらず、基本的には使用しません。
アレロックの成分であるオロパタジンはアレルギー症状に対する効果を持つ薬であり、同系統の抗ヒスタミン薬でザジテン(ケトチフェン)、アレジオン(エピナスチン)などは気管支喘息が適応として認められているため、アレルギー性のものが原因となる咳に対して効果を示す可能性はありますが、医師からの特別な指示があるようなケースを除き、自己判断で咳に対して使用するようなことは避けましょう。

アレロックの小児・子供の用量|年齢別の使用量、錠剤の使用は

アレロックは錠剤、OD錠、顆粒といった種類があり、それぞれの小児・子供に対する用量を確認していきます。

アレロック錠、アレロックOD錠の小児・子供の用量

アレロック錠、アレロックOD錠は7歳以上の小児・子供から使用することができます。
その用量は大人と同じ用量を使用するため、1日2回、1回1錠を朝、就寝前に使用する使い方が一般的となります。
なお、通常は5mg錠が使用されますが、医師の判断で2.5mg錠が使用されるケースもあります。
アレロック錠、アレロックOD錠の用法用量の詳細は以下の通りです。

成人:通常、成人には1回オロパタジン塩酸塩として5mgを朝及び就寝前の1日2回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
小児:通常、7歳以上の小児には1回オロパタジン塩酸塩として5mgを朝及び就寝前の1日2回経口投与する。

アレロック錠2.5/アレロック錠5 添付文書

アレロック顆粒の小児・子供の用量

2歳以上7歳未満の小児・子供ではアレロック顆粒を使用するのが一般的です。
アレロック顆粒は2歳以上7歳未満であれば、年齢・体重にかかわらず1回あたり0.5gを1日1回、0.5g包であれば1包を朝、就寝前に使います。
なお、7歳以上の小児にアレロック顆粒を使う場合は1回あたり1gとなり、0.5g包であれば2包を朝、就寝前に使うことになります。
アレロック顆粒の用法用量は以下の通りです。

成人:通常、成人には1回オロパタジン塩酸塩として5mg(顆粒剤として1g)を朝及び就寝前の1日2回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
小児:通常、7歳以上の小児には1回オロパタジン塩酸塩として5mg(顆粒剤として1g)を朝及び就寝前の1日2回経口投与する。
通常、2歳以上7歳未満の小児には1回オロパタジン塩酸塩として2.5mg(顆粒剤として0.5g)を朝及び就寝前の1日2回経口投与する。

アレロック顆粒0.5% 添付文書

アレロック顆粒の小児・子供の味

アレロック顆粒は特徴的な味ではありませんが、甘い味がついており子供でも比較的飲みやすい味となっています。
ただし原薬はやや苦みがある成分のため、必要以上に噛んだりすると苦みを感じるケースもあります。

アレロックは小児・子供で飲み続けるケースも

アレロックは症状に応じて、小児・子供でも長期で飲み続けるケースがある薬です。
アレロックを飲み続けた場合の参考になるデータとして、7歳以上16歳以下の小児通年性アレルギー性鼻炎患者に12週間使用した結果や、2歳以上12歳以下の小児アレルギー性疾患患者に12週間使用した結果があり、いずれも安全面やくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状に対する継続的な効果が確認されています((アレロック錠2.5/アレロック錠5 インタビューフォーム http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/230124_4490025F1023_1_010_1F))。

アレロックの小児・子供での副作用|眠気の出やすさは

アレロックの小児・子供の副作用について、臨床試験および製造販売後の調査の結果が示されています。
小児における副作用は4413例中、副作用210例(発現率4.8%)で認められ、主な副作用は眠気149件(3.4%)、ALT(GPT)上昇20件(0.5%)、AST(GOT)上昇9件(0.2%)、白血球増多7件(0.2%)、嘔気4件(0.1%)等であった、とされています((アレロック錠2.5/アレロック錠5 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/230124_4490025F1023_1_26.pdf))。
上記の頻度からも、アレロックで最も注意が必要な副作用は眠気と言えます。
アレロックを含めた抗ヒスタミン薬で眠気がでる、眠いと感じる理由は、アレルギーの原因となるヒスタミンは同時に脳の覚醒に影響する作用をもっており、抗ヒスタミン薬はそのヒスタミンの作用を阻害してしまうため、脳の覚醒が阻害され、眠気が出ると考えられています。
抗ヒスタミン薬の中でも脳内に移行しにくければ、脳のヒスタミン作用を阻害することが少なくなるため、近年は脳内移行率の低い抗ヒスタミン薬が開発されており、それらがアレグラやクラリチンをはじめとする眠くなりにくい抗ヒスタミン薬です。ただし、眠気の出にくいものは効果もマイルドである場合が多く、自分にあった薬剤を選ぶのが重要と言えます。

アレロックの小児・子供における市販での購入

アレロックの成分は市販薬として販売されていない成分であり、アレロックを市販で買うことはできません。
アレロックを入手したい場合は医師の診察を受けて処方してもらうのが現実的な入手手段となります。
なお、7歳以上の小児であれば、比較的作用が近い薬としてアレグラFXジュニアがあり、7歳以上から使用できるため、市販薬の代替品の候補となります。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました