バルトレックスの効果や副作用|ヘルペスや帯状疱疹の飲み方、用法、薬価など

バルトレックスの特徴、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、薬価、ジェネリック、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

バルトレックスの特徴

バルトレックスはバラシクロビルを成分として含みヘルペスや帯状疱疹、性器ヘルペスに対して効果が認められている抗ウイルス薬です((バルトレックス錠500 添付文書))。
バルトレックスの特徴は従来のヘルペス治療薬であるアシクロビル(製品名:ゾビラックスなど)と比較し、少ない投与回数で効果が認められている点が挙げられ、1日2〜3回の使用でヘルペスや帯状疱疹に対して効果が認められています。
バルトレックスには錠剤であるバルトレックス錠500の他、40kg未満の小児でも使用できるバルトレックス顆粒50%が販売されています。今回は主にバルトレックス錠500について確認していきます。

バルトレックスの効果

バルトレックスはヘルペス(単純疱疹)、帯状疱疹を始めとしたウイルス疾患に対して効果がある薬です。
バルトレックスの効能効果の詳細は以下の通りです。


単純疱疹
造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制
帯状疱疹
水痘
性器ヘルペスの再発抑制

バルトレックス錠500 添付文書


バルトレックスの作用機序

バルトレックスの作用機序はウイルスの増殖に関わる酵素DNAポリメラーゼ阻害によるウイルスDNAの複製阻害によるものです。
バルトレックスは投与後にウイルスが感染している細胞に取り込まれウイルスDNAポリメラーゼによってDNAにとりこまれ、DNA鎖の伸長を停止しそれ以降のDNA複製を阻害します。バルトレックスが効果を発揮するには感染細胞内に存在するウイルス性酵素が必要であるため、ウイルス感染していない通常の細胞に対しては障害を及ぼさないと考えられています。

バルトレックスの効果時間

バルトレックの効果時間の参考となる物として、帯状疱疹患者を対象とした調査結果があります。
成人帯状疱疹患者316名に対してバルトレックスを使用した結果、疼痛消失までの日数(中
央値)は35日であったとされています。また、PHN(帯状疱疹後神経痛、Post Herpetic Neuralgia)移行率(皮疹発現 90 日後の疼痛残存率)は24.7%(78/316 例)であったという結果も併せて得られています((バルトレックス錠500 添付文書))。
この結果からバルトレックスの効果が得られ、通常、痛みがなくなるまでの期間は35日程度であり、90日経過後は多くの患者さんで痛みがなくなっていると想定されます。

バルトレックスの実際の患者に対する効果

バルトレックスの実際の患者さんに対する効果は臨床試験において確認されています。
代表的な結果として、口唇ヘルペスなどの単純疱疹に対する効果は、用量設定試験にて有効率
90.0%の有効率、アシクロビル対照二重盲検比較試験において95.9%の有効率であったとされています。
帯状疱疹に対しては、用量設定試験にて有効率89.1%の有効率、アシクロビル対照二重盲検比較試験において87.3%の有効率であったとされています。
また、性器ヘルペスに対しては海外において実施された臨床試験の結果があり、免疫正常患者において、年間6回以上性器ヘルペスの再発を繰り返す患者の未再発率が40%、年間8回以上性器ヘルペスの再発を繰り返す患者の未再発率が69%とされています((バルトレックス錠500 添付文書))。

バルトレックスの用法・飲み方

バルトレックスの用法・飲み方は使用する疾患によって異なります。
口唇ヘルペスなどの単純疱疹に対しては1回1錠を1日2回使用するのが一般的な飲み方です。
帯状疱疹に対しては1回2錠を1日3回使用するのが一般的な飲み方です。
また、性器ヘルペスでは1回1錠を1日1回使用します。
バルトレックスの用法用量の詳細は以下の通りです。


[成人]
単純疱疹
通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。
造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制
通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。
帯状疱疹
通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。
水痘
通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。
性器ヘルペスの再発抑制
通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。
[小児]
単純疱疹
通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。
造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制
通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。
帯状疱疹
通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。
水痘
通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。
性器ヘルペスの再発抑制
通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。

バルトレックス錠500 添付文書


バルトレックスの副作用

バルトレックスの副作用は臨床試験などで確認されており、口唇ヘルペスなどの単純疱疹を対象とした臨床試験においては、総症例397例中、64例(16.1%)に副作用が報告され、その主なものは、頭痛11例(2.8%)、眠気等の意識低下10例(2.5%)、肝機能検査値の上昇5例(1.3%)とされています。帯状疱疹を対象とした臨床試験においては、総症例345例中、74例(21.4%)に副作用が報告され、その主なものは、肝機能検査値の上昇20例(5.8%)、BUN上昇、クレアチニン上昇等の腎障害11例(3.2%)、腹痛6例(1.7%)であったとされています((バルトレックス錠500 添付文書))。

バルトレックスの飲み合わせ

バルトレックスは併用禁忌(併用できない)薬はないものの、併用に注意が必要な薬がする数種類あります((バルトレックス錠500 添付文書))。
ルトレックスの併用注意の薬剤として以下の薬が挙げられています。

成分名等 代表的な薬剤
プロベネシド ベネシッド
シメチジン タガメット
ミコフェノール酸 モフェチル セルセプト
テオフィリン テオドール、テオロング

バルトレックスの薬価・ジェネリック

バルトレックスーの2016年4月改定(2018年3月まで)の薬価は1錠あたり405.6円とされています。
バルトレックスにはジェネリック医薬品(後発品)があり、バラシクロビル錠の販売名で販売されています。これらの薬価は188.8〜219.4円となっており、バルトレックスよりも安価な薬価となっています。

バルトレックスの市販での購入

バルトレックスの成分であるバラシクロビルは通販や市販で買うことはできません。
バルトレックスの成分はヘルペスや帯状疱疹など十分な診察が必要な疾患に対して使用される薬剤であり、専門的な診断や処置が必要であるため、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
 

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