フロモックスの小児・子供への使用|錠剤や粉の投与量は?味や使用間隔、混ぜるものや飲ませ方、眠気の有無も

フロモックスの特徴、小児の使用、錠剤の使用、年齢別の用量、小児での副作用などについて添付文書等から解説していきます。

フロモックスの特徴と小児の使用

フロモックスはセフカペンを成分とする抗生物質であり、中耳炎や副鼻腔炎、膀胱炎、風邪が悪化した際の咽頭・喉頭炎などに使用される薬剤です((フロモックス錠75mg/フロモックス錠100mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/340018_6132016F1023_1_15.pdf))。
フロモックスの特徴は幅広い菌に効果が期待でき、小児に対しても使用できる安全面などが挙げられます。
フロモックスには錠剤のフロモックス錠75mg、フロモックス錠100mg、主に小児で使用されるフロモックス小児用細粒100mgの種類があります。

フロモックスの小児への適応、効果

フロモックスは小児にも使用される薬です。ただし、フロモックスの錠剤は15歳未満の小児に対する具体的な用量は設定されていません。
小児の場合はフロモックス細粒を使用するケースが多いと言えます。
フロモックスの適応は中耳炎や副鼻腔炎、膀胱炎、風邪が悪化した際の咽頭・喉頭炎など様々ですが、小児と15歳以上の成人とでは適応症が少し異なり、胆嚢炎、胆管炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎などは15歳以上の成人のみの適応となります。
フロモックス、フロモックス細粒の効能効果の詳細は以下の通りです。

○ 表在性皮膚感染症,深在性皮膚感染症,リンパ管・リンパ節炎,慢性膿皮症
○ 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,乳腺炎,肛門周囲膿瘍
○ 咽頭・喉頭炎,扁桃炎(扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍を含む),急性気管支炎,肺炎,慢性呼吸器病変の二次感染
○ 膀胱炎,腎盂腎炎
○ 尿道炎,子宮頸管炎
○ 胆嚢炎,胆管炎
○ バルトリン腺炎,子宮内感染,子宮付属器炎
○ 涙嚢炎,麦粒腫,瞼板腺炎
○ 外耳炎,中耳炎,副鼻腔炎
○ 歯周組織炎,歯冠周囲炎,顎炎

フロモックス錠75mg/フロモックス錠100mg 添付文書

小児
○ 表在性皮膚感染症,深在性皮膚感染症,リンパ管・リンパ節炎,慢性膿皮症
○ 咽頭・喉頭炎,扁桃炎(扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍を含む),急性気管支炎,肺炎
○ 膀胱炎,腎盂腎炎
○ 中耳炎,副鼻腔炎
○ 猩紅熱

フロモックス小児用細粒100mg 添付文書

フロモックスの小児の用量|年齢別の使用量、錠剤の使用は

フロモックスは錠剤はフロモックス錠75mg、フロモックス錠100mgがあり、その他粉薬のフロモックス小児用細粒100mgがあります。それぞれの用量を確認していきます。

フロモックス錠剤の小児の用量

フロモックスの錠剤は前述の通り、小児に対する具体的な用法用量は設定されていませんが実際には錠剤が使用されるケースもあります。
小児に錠剤を使用する場合は通常1回2錠で使用するフロモックス錠75mgを1錠で使用したり、15歳に年齢が近い場合は成人と同様の用量で使用するケースがあります。
フロモックス細粒の用量を参考にすると、体重kgあたり3mgを1回量として使用するため、33kg以上であれば1回量はほぼ100mgとなり、成人の用量と変わらなくなります。このような場合は錠剤を使用しても安全性はあまり問題ないと言えるでしょう。

フロモックス細粒の小児の用量

フロモックス細粒は体重別に用量が設定されています。
通常は体重kgあたり1回3mgを使用します。フロモックス細粒は1gあたり100mgの成分を含むため、10kgであれば1回0.3g、20kgであれば0.6g、30kgであれば0.9gを使用します。

通常,小児にはセフカペン ピボキシル塩酸塩水和物として1回3mg(力価)/kgを1日3回食後経口投与する。
なお,年齢,体重及び症状に応じて適宜増減する。

フロモックス小児用細粒100mg 添付文書

フロモックス細粒の新生児の使用

フロモックス細粒は安全性が高い薬のひとつですが、新生児に対しては使用経験があまりないために、安全性は確立されていないとされています。
実際には使用される可能性はありますが自己判断で使用するようなことは避けましょう。

小児等への投与
低出生体重児,新生児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]

フロモックス小児用細粒100mg 添付文書

 

フロモックス細粒の小児の飲ませ方|味はイチゴ味|飲み物、食べ物に混ぜるのは

フロモックス細粒はイチゴの味がついており、小児でも比較的飲みやすい味となりますが、もともとは苦みがある成分のため、飲ませ方にも注意しましょう。
一般的な飲ませ方として、小児が好きな飲み物や食べ物に混ぜて飲ませる飲ませ方があります。牛乳、むぎ茶、烏龍茶、ジュースに混ぜて飲ませたり、アイスクリームやヨーグルトに混ぜるのも問題ありません。
薬を練って飲ませる方法もあり、その場合は少量の水や白湯を加えて練って頬の内側につけた後、水やミルクなどで飲ませます。水に溶かして飲ませる場合は少量の水に溶かし、スプーンやスポイトで少しずつ流し込み、その後水やミルクを飲ませます((フロモックス小児用細粒 小さなお子さんへの飲ませ方))。
 

フロモックスを小児に使用する場合の間隔は

フロモックスの一般的な用法は1日3回食後に使用となりますが、小児の場合は食事が不規則であったり、決まった時間に服用できないこともあります。その場合、4時間程度の間隔を設ければ比較的安全に使用できると言えるでしょう。
なお、フロモックスは食事の影響が確認されており、食後の方が吸収が良いと考えられています((フロモックス インタビューフォーム http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/340018_6132016C1027_1_012_1F))。したがってフロモックスを服用する際は少量でも何か摂取してから服用するのが良いでしょう。

フロモックスの小児の副作用|眠気の有無は?

フロモックスの小児における副作用に関して、フロモックス細粒の市販後の使用成績調査における結果が参考となります。
フロモックス細粒を使用した3047例中、臨床検査値の異常変動を含む副作用は131例(4.30%)に認められた、とされています。
そのうち、主な副作用は下痢が3.74%、発疹が0.23%、蕁麻疹が0.13%、嘔吐が0.13%などでした((フロモックス インタビューフォーム http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/340018_6132016C1027_1_012_1F))。
なお、使用成績調査の中では眠気の副作用は認めれず、添付文書上の頻度でも眠気は0.1%未満の頻度とされており、ほとんど見られないと言えます。フロモックスでは小児において眠気の副作用はまずないと言えるでしょう。
その他、注意が必要な副作用として、低カルニチン血症に伴う低血糖が挙げられます。
低カルニチン血症はフロモックスを含む、ピボキシル基を有する抗生物質を乳児に投与した症例に対して、投与期間が短い症例においても低カルニチン血症に伴う低血糖の報告が集積されており、比較的近年、注意喚起されている副作用です。
フロモックスを含めたピボキシル基を有する抗菌薬は、消化管吸収を促進する目的で、活性成分本体にピバリン酸がエステル結合されています。これらの薬は吸収後、代謝を受けてピバリン酸と活性本体になり、ピバリン酸はカルニチン抱合をうけピバロイルカルニチンとなり、尿中へ排泄されます。この結果、血清カルニチンが低下することが知られています。カルニチンは、ミトコンドリア内での脂肪酸β酸化に必須な因子です。空腹、飢餓状態では通常、脂肪酸β酸化によって必要なエネルギーを確保し、糖新生を行います。しかし、カルニチン欠乏状態だと脂肪酸β酸化ができず、糖新生が行えないため、低血糖を来たします((PMDAからの医薬品適正使用のお願い 2012年4月))。
また、重要な基本的注意として、血清カルニチンが低下する先天性代謝異常であることが判明した場合には投与しないよう注意喚起されています((フロモックス小児用細粒100mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/340018_6132016C1027_1_16.pdf))。
低血糖の症状であるふるえや痙攣、意識障害などの症状が見られた場合はすぐに医師の診察を受けるようにしましょう。
 
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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