セフゾンの効果や副作用|膀胱炎に対してや授乳中の使用、フロモックスとの違いなど第3世代のセフェム系を解説

セフゾンカプセルとセフゾン小児用細粒に関して、膀胱炎などさまざまな疾患に対する効果や副作用、授乳中の使用、フロモックスとの違いなどについて添付文書等から解説します。

セフゾンの効果|膀胱炎などへの効果は?

セフゾンは多くの感染症に使われる抗生物質であり、経口第3世代のセフェム系に分類される薬です。
風邪と同じような症状が出る咽頭炎喉頭炎気管支炎肺炎の他、膀胱炎中耳炎副鼻腔炎の炎症など日常生活でかかることが多い感染症全般に対して使用されることがある抗生物質です。
セフゾンカプセルの効能効果の詳細は以下の通りです。

〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、アクネ菌
〈適応症〉
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、麦粒腫、瞼板腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

セフゾンカプセル50mg/ セフゾンカプセル100mg 添付文書

また、セフゾンには小児用の細粒も販売されており、適応症はカプセルよりも少ないものの、猩紅熱など小児用細粒のみが適応をもつ疾患もあります。

セフゾン小児用細粒の効能効果の詳細は以下の通りです。

〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌
〈適応症〉
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱

セフゾン細粒小児用10% 添付文書

セフゾンカプセルの効果の強さは1638例の一般臨床試験にて確認されています1)

よく使われる疾患での有効率は急性気管支炎では81.2%、肺炎では79.9%、膀胱炎では82.9%、中耳炎では71.7%、歯周組織炎では91.5%などとされており、比較的高い効果が確認されています。

同様にセフゾン細粒小児用の効果の強さも610例の一般臨床試験で確認されています2)

咽頭・喉頭炎扁桃炎急性気管支炎肺炎などの呼吸器疾患に対する有効率は94.9%、膀胱炎腎盂腎炎などの尿路感染症に対する有効率は93.5%、溶連菌感染によって引き起こされる猩紅熱に対しては100%、中耳炎副鼻腔炎などの耳鼻科領域感染症に対する有効率は78.9%と、小児用の細粒剤でも高い効果が確認されています。

1) セフゾンカプセル50mg/ セフゾンカプセル100mg 添付文書
2) セフゾン細粒小児用10% 添付文書

セフゾンの使い方と飲み方|用法用量は

セフゾンの使い方飲み方に関しては添付文書の用法用量を確認していきます。
セフゾンカプセルは通常100mgカプセルを1回1カプセル、1日3回使用します。
セフゾンカプセルの用法用量は以下の通りです。

通常、セフジニルとして成人1回100mg(力価)を1日3回経口投与する。
なお、年齢及び症状に応じて適宜増減する。

セフゾンカプセル50mg/ セフゾンカプセル100mg 添付文書

 
セフゾン小児用細粒に関しては体重1kgあたり、製剤量として1日0.09g〜0.18gを3回に分けて使用します。
体重別の1日量の目安は以下の通りです。

体重 1日製剤用量(成分用量)
5kg 0.45〜0.9g(45〜90mg)
10kg 0.9〜1.8g(90〜180mg)
20kg 1.8〜3.6g(180〜360mg)
30kg 2.7〜5.4g(270〜540mg)

通常、小児に対してセフジニルとして1日量9~18mg(力価)/kgを3回に分割して経口投与する。
なお、年齢及び症状に応じて適宜増減する。

セフゾン細粒小児用10% 添付文書

なお、セフゾンの細粒は薄い赤みがかった色をした甘い粉薬であり、比較的飲みやすくなっていますが、子供が飲めない場合には、飲み方の工夫として牛乳やオレンジジュース、アイスに混ぜても問題ないとされています。抗生物質の粉薬はスポーツ飲料などと混ぜると苦味がでる場合がありますが、セフゾンに関してはこれらと混ぜても問題ないとされています。

セフゾンの副作用

セフゾンは副作用が比較的少ない安全な薬と言えます。
セフゾンカプセルでは約14000例を使用した中で副作用が確認されたのは2.5%とされています1)
また、セフゾン細粒小児用に関しても約7500例で使用した中で副作用が確認されたのは4.1%程度とされています2)
主な副作用はカプセル、細粒ともに下痢や腹痛などの消化器症状です。
セフゾンは体内の細菌に対して殺菌的な効果を発揮しますが、このとき腸内の環境を整えている細菌に対しても影響を及ぼしてしまいます。したがって、セフゾンの投与により下痢が起こることはやむを得ない面もあり、セフゾンの使用を止めればほとんどのケースで回復するため、大きな心配は要りません。
ただし、あまりに症状がひどい下痢が続く場合は医師に相談しましょう。また、日常的に腸が虚弱な体質の方などでは医師に相談するとビオフェルミンRなどの整腸剤を処方してもらえるケースもあります。必要に応じて医師に相談しましょう。
1) セフゾンカプセル50mg/ セフゾンカプセル100mg 添付文書
2) セフゾン細粒小児用10% 添付文書

セフゾンの授乳中の使用

セフゾンは授乳中でも使用可能な薬です。
製薬会社の添付文書においても授乳中の使用については特別な注意喚起はされていません。
製薬会社の資料では、実際の授乳中の患者さんにおいて、セフゾン1回100mgを1日3回5日間経口投与したとき、母乳中への成分の移行は確認されず、さらに、通常用量の倍にあたる200mgを使用した時も投与後6時間までの母乳中にはセフゾンの成分が検出されなかったことが確認されています1)
また、セフゾンは小児用の細粒剤では0歳の子供でも使用されることがある薬であり、万が一母乳経由で乳児が接種しても大きな影響はないと考えられます。 以上の内容からセフゾンは授乳中でも使用が可能であり、医師から処方された場合はあまり心配せず使用して問題ないでしょう。
1) セフゾンカプセル50mg/ セフゾンカプセル100mg インタビューフォーム

セフゾンとフロモックスの違い

セフゾンと同じ経口第3世代のセフェム系抗生物質の代表的な薬にフロモックスがあります。
セフゾンとフロモックスの違いは、適応菌種、効能効果、薬価が少し異なる程度であり、その他の用法や作用機序などは基本的に同じと言えます。また、効能効果に関してもフロモックスの方がやや多いものの、ほとんど同じ使われ方をします。
フロモックスのみが持つ効能効果として、慢性呼吸器病変の二次感染、子宮頸管炎、胆嚢炎、胆管炎、涙嚢炎などがありますが、使用頻度が高い咽頭炎や気管支炎、肺炎、膀胱炎、中耳炎、副鼻腔炎などはセフゾン、フロモックスともに適応があるため、どちらでも使用可能と言えます。
セフゾンとフロモックスの使い分けは処方する医師の好みなどもあり、そこまで大きな違いはないと言えるでしょう。

セフゾン フロモックス
適応症 フロモックスよりは少ない セフゾンより多い
用法  1日3回 1日3回
薬価  50.0円
(100mg錠)
 58.6円
(100mgカプセル)
作用機序 細菌の細胞壁合成の阻害 細菌の細胞壁合成の阻害
分類 第3世代
セフェム系
第3世代
セフェム系

 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
 

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