ムコダインの小児・子供への使用|痰や鼻水への効果、市販での購入、錠剤の使用、体重別の量など

 
ムコダインの小児・子供への使用に関して、効果や使い方、使用する量、飲み方、眠気などの副作用、市販での購入等について添付文書などから確認していきます。

ムコダインの特徴と小児・子供への使用

ムコダインはカルボシステインを成分とし、痰切りや副鼻腔炎の鼻水の排膿の効果がある薬です。((ムコダイン錠250mg/ムコダイン錠500mg 添付文書))。
また、ムコダインドライシロップ、シロップに関しては中耳炎の排液にも効果が認められています((ムコダイン DS 50% 添付文書))。
ムコダインの特徴はその安全性から小児・子供から高齢者まで幅広い年齢層で使用されている点があり、風邪などの痰の症状や副鼻腔炎などで非常によく使われる薬の一つです。
ムコダインには通常の錠剤であるムコダイン錠250mg、ムコダイン錠500mg、主に小児・子供で使用されるムコダインシロップ5%、ムコダインDS50%の種類があります。

ムコダインの小児・子供への効果|痰や鼻水への効果

ムコダインは小児・子供にもよく使用される薬です。ただし、ムコダインの錠剤は15歳未満の小児に対する具体的な用量は設定されていません。
小児の場合はムコダインDS、ムコダインシロップを使用するケースが多いと言えます。
ムコダインの効果は、風邪などの痰切り、副鼻腔炎での溜まった鼻水の排膿、さらにムコダインDS、ムコダインシロップでは中耳炎の排液の効果も認められています。
ムコダイン錠、ムコダインDSの効能効果の詳細は以下の通りです。

○下記疾患の去痰
上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核
○慢性副鼻腔炎の排膿

ムコダイン錠250mg/ムコダイン錠500mg 添付文書

<小児>
○下記疾患の去痰
上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核
○慢性副鼻腔炎の排膿
○滲出性中耳炎の排液

ムコダイン DS 50% 添付文書

なお、ムコダインの鼻水に対する効果は、あくまで溜まった鼻水の排膿です。
鼻水自体を止める効果はムコダインにはありません。また、ムコダインを使用したときに最初は鼻水の量が増えることがありますが、これはもともと溜まっていた鼻水が流れやすくなったためであり、ムコダインによって鼻水が新たに増えているわけではありません。

ムコダインの実際の効果|痰や鼻水への有効率は

ムコダインの実際の患者さんに対する効果として臨床試験の結果が公表されています。
ムコダインの代表的な有効率として、風邪などの上気道炎の痰に対しては「やや有効」以上が92.5%、副鼻腔炎の鼻水に対しては「やや有効」以上が93.0%という結果です((ムコダイン錠250mg/ムコダイン錠500mg 添付文書))。

疾患名 有効以上 やや有効以上
上気道炎 62.4%
( 58/ 93)
92.5%
( 86/ 93)
急性気管支炎 71.9%
(105/146)
94.5%
(138/146)
気管支喘息 51.6%
( 47/ 91)
86.8%
( 79/ 91)
慢性気管支炎 40.1%
( 83/207)
75.8%
(157/207)
気管支拡張症 51.9%
( 40/ 77)
77.9%
( 60/ 77)
肺結核 29.5%
( 23/ 78)
69.2%
( 54/ 78)
慢性副鼻腔炎 46.9%
(134/286)
93.0%
(266/286)

ムコダインの小児・子供の咳に対する効果は

ムコダインは直接咳を鎮める効果はありませんが、痰の切れをよくすることによって、副次的に咳に対する効果が見られるケースもあります。
咳の症状でムコダインを処方されたというケースでは、前述のように痰の改善により咳症状の改善も期待しての処方という可能性があるため、必ず指示された用法用量を使用するようにしましょう。

ムコダインの小児・子供への使い方・飲ませ方|使用する用量、体重別の量は

ムコダインは錠剤のムコダイン錠250mg、500mg、粉薬のムコダインDS50%、シロップのムコダインシロップ5%があります。それぞれの用量を確認していきます。

ムコダイン錠の小児の用量

ムコダインの錠剤は前述の通り、小児に対する具体的な用法用量は設定されていませんが実際には錠剤が使用されるケースもあります。
ムコダインDSの用量を参考にすると、体重kgあたり10mgを1回量として使用するため、25kgであれば1回量は250mg、50kgあれば1回量は500mgとなり、錠剤を使用しても問題ないことになります。このような場合は医師の判断で錠剤が使用されるケースがあります。

ムコダインDSの小児の用量

ムコダインDSは体重別に用量が設定されています。
通常は体重kgあたり1回10mgを使用します。ムコダインDSは1gあたり500mgの成分を含むため、10kgであれば1回0.2g、20kgであれば0.4g、30kgであれば0.6gを通常使用します。なお、症状によって医師の判断で量の増減があります。

<小児>
通常、幼・小児にカルボシステインとして体重kg当たり1回10mg(本剤0.02g)を用時懸濁し、1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

ムコダイン DS 50% 添付文書

ムコダインDSの小児の飲み方・飲ませ方

ムコダインDSはピーチ風味の甘い味がついており、小児・子供でも非常に飲みやすい薬の一つです。
飲み方としては一般的に水やジュースなどの液体に溶かして飲むのが一般的です。
ピーチ風味の甘い味ついており、そのままでの比較的飲みやすい方ですが、飲みにくい場合には水のほか、オレンジジュースやスポーツ飲料、アイスクリームのほか、「おくすり飲めたね」などの補助ゼリーとの相性も悪くないとされています((JA 北海道厚生連 帯広厚生病院 薬剤部 資料))。
一方、麦茶、プリン、ココアに混ぜるのはあまり向いてないとされています。

ムコダインシロップの小児の用量

ムコダインシロップも体重別に用量が設定されています。
通常は体重kgあたり1日30mgを使用します。ムコダインシロップは1mLあたり50mgの成分を含むため、10kgであれば1日6mL、20kgであれば12mL、30kgであれば18mLを通常使用します。なお、症状によって医師の判断で量の増減があります。

通常、幼・小児に、体重kg当り、カルボシステインとして1日30mg(本剤0.6mL)を3回に分割して経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

ムコダインシロップ5% 添付文書

ムコダインの小児・子供の副作用|眠気の有無は

ムコダインは副作用が非常に少ない、安全面の高い薬であり、副作用の心配はあまり必要ありません。
ムコダインの副作用は総症例11,066例中、101例(0.91%)に認められ、主な副作用は食欲不振27例(0.24%)、下痢19例(0.17%)、腹痛15例(0.14%)、発疹11例(0.10%)であった、とされています((ムコダイン DS 50% 添付文書))。
上記のように特別に頻度が高い副作用はなく、小児・子供でも安心して服用できる薬です。
なお、薬の副作用の定番である眠気に関しては、ムコダインではまず発現しません。ムコダインを使用して眠くなった場合は、他の薬(特に鼻炎症状を抑える抗ヒスタミン薬など)に原因があったり、疾患による疲れによってもたらされている可能性が高いと言えます。

ムコダインの小児・子供に対する市販での購入は

ムコダインの成分であるカルボシステインは市販薬にも含まれる成分であり、市販でも購入することができます。
ムコダインの成分を含む代表的な市販薬はストナ去たんカプセルです。
ストナ去たんカプセルはムコダインの成分であるL-カルボシステインを1カプセルあたり125mg含み、1日量として750mg摂取することになります。これはムコダイン錠250mgを1錠1日3回使用するのと同じ計算となります。さらにストナ去たんカプセルは処方薬の去痰薬ビソルボンと同じ成分であるブロムヘキシン塩酸塩も含むため、2種の去痰成分から痰切りの作用が期待できます。
ストナ去たんカプセルをはじめとしたカルボシステインを含む市販の去痰薬は、子供に対しては8歳以上の小児であれば、15歳以上の半量で使用することができます。
なお、これらの去痰薬は効能効果が「たん,たんのからむ咳」のみであり、ムコダイン、ムコダインドライシロップで効果が認められている副鼻腔炎の排膿や中耳炎の排液は適応の範囲外となりますので注意しましょう。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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