カルボシステインの効果やカルボシステインを含む市販の薬などについて解説していきます。
カルボシステインの効果
カルボシステインは痰を出しやすくしたり、副鼻腔炎のたまった膿を出しやすくする効果がある薬です。
風邪を引いた時に痰の症状がある場合などに非常によく使われる成分の一つであり、使用した経験がある方も多いかと思います。
また、子供でも副鼻腔炎の排膿を目的として、ドライシロップという粉薬の形状やシロップ剤で大変よく使用される薬です。
カルボシステインの成分を含む代表的な処方薬ムコダインの効能効果は以下の通りです。
○下記疾患の去痰
上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核
○慢性副鼻腔炎の排膿ムコダイン錠250mg/ムコダイン錠500mg 添付文書
カルボシステインは去痰薬の中でも粘液修復薬に分類される薬であり、気道の粘膜を修復したり、痰の構成成分のバランスを改善する効果によって、痰を出しやすくします。
カルボシステインを市販で買う
カルボシステインは市販薬でも使われている成分であり、ドラッグストアや通販など市販でも買える成分です。
カルボシステインを含む市販薬には主に、
①去痰作用のみがあるもの
②咳止め薬
③アセトアミノフェンの解熱鎮痛成分を含む風邪薬
④イブプロフェンの解熱鎮痛成分を含む風邪薬
の4種類に分類できます。
①は去痰作用がある成分のみが含まれる市販薬であり、カルボシステインの他、ブロムヘキシンという成分が含まれます。代表的な市販薬はストナ去痰カプセルであり、他にも5製品程度、同じ成分量で販売されています。
②は咳止め薬の中にカルボシステインが含まれているパターンです。咳止めのメインの成分はジヒドロコデインリン酸塩であり、咳中枢に直接作用し、咳を止める作用があります。この成分に去痰作用のあるカルボシステインが配合されることにより、咳と同時に痰も抑えることが期待できます。代表的な製品はクールワンせき止めであり、8種類程度の種類があります。
③は総合感冒薬(いわゆる風邪薬)のうち、解熱鎮痛成分としてアセトアミノフェンを含むものにカルボシステインが含まれいているパターンです。代表的な製品はストナプラスシリーズとパブロンSゴールドWシリーズです。アセトアミノフェンは解熱鎮痛薬の中でも安全性が高い成分であり、8歳以上であれば子供でも使用できる薬です。痰の他にも熱、咳、鼻水など風邪んの全般的な症状があるときにおすすめの製品となります。
なお、パブロンSゴールドWシリーズはカルボシステインの他に、処方薬でよく使われるムコソルバンの成分であるアンブロキソールも含まれており、痰に対しては非常に高い効果が期待できます。
④は総合感冒薬(いわゆる風邪薬)のうち、解熱鎮痛成分としてイブプロフェンを含み、カルボシステインも含むパターンです。イブプロフェンは一般的にアセトアミノフェンよりも効果が強いと考えられており、風邪による熱や痛みが強い場合にはおすすめの製品となりますが、15歳未満の子供では使用できません。ベンザブロックLプラスシリーズがこれに該当します。
主なカルボシステインを含む市販薬は以下の通りです。
薬剤名 | 成分 |
エフストリン去たん錠 | L-カルボシステイン 750mg ブロムヘキシン塩酸塩 12mg |
去痰CB錠 | L-カルボシステイン 750mg ブロムヘキシン塩酸塩 12mg |
クールワン去たんソフトカプセル | L-カルボシステイン 750mg ブロムヘキシン塩酸塩 12mg |
クールワンせき止め | L-カルボシステイン 750mg ジヒドロコデインリン酸塩 30mg ノスカピン 60mg dl-メチルエフェドリン塩酸塩 75mg クロルフェニラミンマレイン酸塩 12mg |
クールワンせき止めGX | L-カルボシステイン 750mg ジヒドロコデインリン酸塩 30mg dl-メチルエフェドリン塩酸塩 75mg クロルフェニラミンマレイン酸塩 12mg |
クールワンせき止めGX液 | L-カルボシステイン 750mg ジヒドロコデインリン酸塩 15mg dl-メチルエフェドリン塩酸塩 37.5mg クルロフェニラミンマレイン酸塩 6mg |
新エスエスブロン錠エース | L-カルボシステイン 750mg ジヒドロコデインリン酸塩 30mg dl-メチルエフェドリン塩酸塩 75mg クロルフェニラミンマレイン酸塩 12mg |
新フステノン | L-カルボシステイン 750mg ジヒドロコデインリン酸塩 30mg dl-メチルエフェドリン塩酸塩 75mg クロルフェニラミンマレイン酸塩 12mg |
ストナ去たんカプセル | L-カルボシステイン 750mg ブロムヘキシン塩酸塩 12mg |
ストナプラスジェル2 | L-カルボシステイン 750mg ブロムヘキシン塩酸塩 12mg アセトアミノフェン 900mg ジヒドロコデインリン酸塩 24mg dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg ジフェニルピラリン塩酸塩 4mg 無水カフェイン 75mg |
ストナプラスジェルS | L-カルボシステイン 750mg ブロムヘキシン塩酸塩 12mg dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg ジヒドロコデインリン酸塩 24mg ノスカピン 48mg アセトアミノフェン 900mg ジフェニルピラリン塩酸塩 4mg 無水カフェイン 50mg リボフラビン(ビタミンB2) 12mg |
スパート去たんカプセル | L-カルボシステイン 750mg ブロムヘキシン塩酸塩 12mg |
センモール咳止め | L-カルボシステイン 750mg ジヒドロコデインリン酸塩 30mg ノスカピン 60mg dl-メチルエフェドリン塩酸塩 75mg クロルフェニラミンマレイン酸塩 12mg |
タイムコール去たん錠 | L-カルボシステイン 750mg ブロムヘキシン塩酸塩 12mg |
ドップェル錠せきどめ | L-カルボシステイン 750mg ジヒドロコデインリン酸塩 30mg dl-メチルエフェドリン塩酸塩 75mg d-マレイン酸クロルフェニラミン 6mg カンゾウ(甘草)エキス粉末 128mg (甘草1g) トコン末 10mg |
パブロンSゴールドW錠 | アンブロキソール塩酸塩 15mg L-カルボシステイン 250mg ジヒドロコデインリン酸塩 8mg アセトアミノフェン 300mg クロルフェニラミンマレイン酸塩 2.5mg リボフラビン 4mg |
パブロンSゴールドW微粒 | アンブロキソール塩酸塩 15mg L-カルボシステイン 250mg ジヒドロコデインリン酸塩 8mg アセトアミノフェン 300mg クロルフェニラミンマレイン酸塩 2.5mg リボフラビン 4mg |
ヒストミンせき止めCX | L-カルボシステイン 750mg クロルフェニラミンマレイン酸塩 12mg ジヒドロコデインリン酸塩 30mg dl-メチルエフェドリン塩酸塩 75mg |
ベンザブロックLプラス | イブプロフェン 450mg 塩酸プソイドエフェドリン 135mg L-カルボシステイン 750mg d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 3.5mg ジヒドロコデインリン酸塩 24mg 無水カフェイン 75mg |
ベンザブロックLプラス錠 | イブプロフェン 450mg 塩酸プソイドエフェドリン 135mg L-カルボシステイン 750mg d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 3.5mg ジヒドロコデインリン酸塩 24mg 無水カフェイン 75mg |
市販のカルボシステインの特徴
市販のカルボシステインを含む薬の特徴として、ベンザブロックLプラスシリーズを除き、8歳以上であれば子供でも使用できます。逆に8歳未満の子供に使えるカルボシステインを含む市販薬は現在のところありません。
また、使用できるカルボシステインの量はいずれも1日750mgであり、処方薬が1日1500mgを使用するのが一般的であることを考えるとやや効き目が心配になるかもしれません。
ただし、市販薬ではブロムヘキシンやアンブロキソールといった他の去痰薬と組み合わされているものが多く、一概に処方薬よりも効果が弱いとは言えない面もあります。
まずは市販薬を試してみて、効果を感じなければ処方薬のカルボシステインを処方してもらうというのも有効な手段と言えるでしょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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