インフルエンザ予防接種の時期や効果|2016-2017シーズンは?

インフルエンザワクチンの予防接種に関して適切な接種の時期やワクチンの効果や効果の持続期間、副作用、妊婦さんの接種などについて解説していきます。

インフルエンザ予防接種の適切な接種時期は11月から12月上旬まで

インフルエンザ予防接種の適切な接種時期は、ワクチンの効果とインフルエンザの流行時期から勘案すると、11月〜12月上旬までに接種するのが望ましいと考えられます。
インフルエンザワクチンは通常、接種してからその予防効果が発揮されるまでに2週間程度かかるとされています。
インフルエンザは毎年12月下旬から3月までに流行することが多いため、12月下旬に予防効果を発揮させるには、逆算すると遅くとも12月上旬までの接種が望ましいと言えるでしょう。
また、インフルエンザワクチンは接種後の予防効果の持続期間は5ヶ月程度とされているため、接種するのが早すぎると、インフルエンザ流行の後半に効果が切れてしまう可能性もあります。
11月中の接種であれば、予防効果の持続が5ヶ月と仮定しても、3月中までは効果が残っていると考えられるため、早くても11月での接種が望ましいと考えられます。
以上のことから、インフルエンザの予防接種の適切な時期は11月〜12月上旬と言えるでしょう。
 
ただし、メーカーからの公式な情報ではインフルエンザ予防接種の効果は接種して1ヶ月後から効果が確認され、効果が持続する期間は3ヶ月程度と読み取れる情報を記載しています。

インフルエンザHAワクチンを3週間間隔で2回接種した場合、接種1ヶ月後に被接種者の77%が有効予防水準に達する。
接種後3ヶ月で有効予防水準が78.8%であるが、5ヶ月では50.8%と減少する。効果の持続は、流行ウイルスとワクチンに含まれているウイルスの抗原型が一致した時において3ヶ月続くことが明らかになっている。基礎免疫を持っている場合は、ワクチン接種群における有効予防水準は、3ヶ月を過ぎても維持されているが、基礎免疫のない場合には、効果の持続期間が1ヶ月近く短縮される。

インフルエンザHAワクチン「北里第一三共」シリンジ 添付文書

メーカーからの情報は一般的に言われている情報よりもかなり厳しめに記載していると考えられますが、予防接種の効果を最大限に発揮させたい場合は、メーカーからの情報を考慮すると12月上旬に接種し、効果を3月上旬まで効果を持続させるのが最も効果的と考えられます。

また、1回のみの接種よりも2回接種することでより高い予防効果が得られることも知られています。

2回接種を行う場合の接種間隔は、4週間おくことが望ましいとされているため、2回接種をする予定の場合は、1回目を11月上旬、2回目を12月に接種するとインフルエンザの流行シーズンをほぼカバーできます。

インフルエンザ予防接種、2016-2017シーズンは4価の不活化ワクチン

インフルエンザ予防接種のワクチンは、4価ワクチンの不活化ワクチンと呼ばれるものです。
不活化ワクチンとはウイルスを殺して毒性をなくし、免疫部分の成分を取り出してワクチンにしたものです。
4価とは、簡単にいえば4種類のインフルエンザウイルスに対して効果があるということになります。具体的にはインフルエンザA型のH1N1、H3N2の2種類とインフルエンザB型の山形系統、ビクトリア系統の2種類、計4種類のインフルエンザに対して効果があります。
2014-2015シーズンまではB型1株のみの3価ワクチンがインフルエンザの予防接種ワクチンとして使用されていました。その理由はインフルエンザB型はインフルエンザA型に比べ大流行することが少なかったことがあります。
しかし、インフルエンザB型は山形系統とビクトリア系統でその年に流行すると予測したものが外れると、ワクチンお効果が大きく下がるとされます。また、比較的年齢の若い人においては、インフルエンザB型にでも大きな流行や重症になるケースも報告されており、2012年に世界保険機構(WHO)が2系統のB型株をワクチンに含むことを推奨したため、日本においても2015-2016シーズンから4価ワクチンに変更となりました。
2016-2017シーズンで使われるインフルエンザ予防接種ワクチンもも4価であり、従来の3価ワクチンよりもインフルエンザにかかる患者数や死亡者数の減少が期待されます。

インフルエンザ予防接種の効果

インフルエンザの予防接種の効果(感染防止率)は一般的に7,8割程度とされており1),2)、さらにインフルエンザによる死亡の予防効果は80%とされています3)
また、子供や高齢者においては感染防止の効果は下がるとされていますが、3〜8歳の小児における4価ワクチンでの有効率は59.3%という調査結果もあり4)、ある程度の効果は期待できると言えます。
上記のようにインフルエンザの予防接種を受けても100%インフルエンザの感染を防げるわけではありません。しかし、一定の感染予防の効果からインフルエンザの大流行を防ぐ対策に大きく貢献でき、また、予防接種を受けておくと感染してしまった場合でも重症化しにくくなるとも言われていることから、インフルエンザの感染を防ぎたい場合には必ず予防接種を受けるべきと言えます。
1) CDC: MMWR 59: No. RR-8, 2010
2) jackson LA et al: BMC Infect Dis 10: 71, 2010
3) 平成9-11年度厚生科学研究報告書
4) jain VK et al: N Engl J Med 369: 2481-2491, 2013

インフルエンザ予防接種の副作用

インフルエンザの予防接種は注射した部位においてしばしば副作用が見られることがあります。
主な副作用は注射部位疼痛(注射部分の痛み)、注射部位腫脹(注射部分の腫れ)、注射部位紅斑(注射部分の赤み)、注射部位熱感(注射部分が熱を持つ)、注射部位硬結(注射部分が硬くなる)、注射部位そう痒感(注射部分がかゆい)などがあります。
注射部位以外の副作用では発熱、倦怠感(だるい感じ)、頭痛、鼻漏(鼻水がでる)などがあります。
いずれの副作用も基本的には時間をおくことで回復するものがほとんどですが、ごく稀に重大な副作用につながるケースもあるため、接種後は少し様子を見るようにしましょう。

インフルエンザ予防接種は妊婦さんでも可能

インフルエンザの予防接種は基本的に妊婦さんでも安全に使用することができます。
妊婦さんのインフルエンザの予防接種は、比較的高い安全性と効果から非常に有効とされており、接種が推奨されています。
妊娠中のインフルエンザ予防接種に関しては以下の記事をご参照ください。
妊娠中のインフルエンザの影響は?妊婦さんのインフルエンザ予防と治療
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
 

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