アロパノールの効果や副作用|お酒などとの飲み合わせや値段、うつへの使用についても

アロパノールの特徴、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、授乳中・妊娠中の使用、値段や購入などについて添付文書等から確認していきます。

アロパノールの特徴

アロパノールは漢方薬の抑肝散の生薬成分を含み、緊張や不安などから来る神経症や不眠症、小児夜なきなどに効果が認められている市販薬です。
アロパノールの特徴として、緊張や不安からイライラしたり、気分が悪くなる方の神経の症状を緩和、朝起きても疲れがとれない」、「ぐっすり眠った感じがしない」といった不眠症状を改善するといった点が挙げられています((アロパノール 添付文書))。
CMで宣伝されていることからも一般の人でも認知度が高い市販薬の一つであり、薬局やドラッグストア、amazonなどの通販でも買うことができる市販薬です。
5歳以上から容量が設定されており、子供でも使用することができる薬です(ただし、アロパノール内服液は15歳以上のみ)。
アロパノールには通常の錠剤の他に、顆粒剤であるアロパノール顆粒、液剤であるアロパノール内服液の3種類があります。なお、漢方の成分量はアロパノール内服液のみ処方薬と同じ成分量、錠剤と顆粒剤は処方薬の1/2の成分量となっています。

アロパノールの効果

アロパノールは緊張して神経が高ぶったり、イライラなどを鎮めたり、不眠などに対して効果が認められている薬です。更年期障害も適応となります。


体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:
神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症(神経過敏)、歯ぎしり、更年期障害、血の道症。
〈効能・効果に関連する注意〉
(1)血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期などの女性ホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状及び身体症状のことである。
(2)小児疳症(しょうにかんしょう)とは、神経の興奮によっておこる「イライラ・怒りっぽいなどの感情のたかぶり、ひきつけ、興奮して眠れない、筋肉のひきつりやけいれんなど」の小児の症状です。

アロパノール 添付文書


アロパノールはうつ病に効くか

アロパノールの効能効果にうつ病、うつ状態は厳密には含まれません。
アロパノールの成分である抑肝散は、処方薬では抗うつ剤の補助として使用されるケースもありますが、うつ病・うつ症状自体が市販薬で対処するのがあまり向いていないものとなります。
うつ病・うつ症状に対しては自己判断でアロパノールを使用するのは避けるようにしましょう。

アロパノールの使い方

アロパノールは年齢によって使用する錠数が異なる薬です。
アロパノールの用法用量の詳細は以下の通りです。


次の量を1日3回食前又は食間に服用してください。
15才以上:7錠
7才以上15才未満:5錠
5才以上7才未満:4錠
5才未満:服用しないこと

アロパノール添付文書


なお、食感とは「食事と食事の間」という意味で、食後2~3時間を指します。

アロパノールの副作用

アロパノールの副作用として注意喚起されているのは、発疹・発赤、かゆみの皮膚症状です。
また、頻度はまれですが、重篤な副作用として間質性肺炎、心不全、肝機能障害も合わせて注意喚起されています。念のため、以下の初期症状に注意し、症状が該当する場合はすぐに医師の診察を受けましょう。

症状の名称 症状
間質性肺炎 階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空せき、発熱等がみられ、これらが急にあらわれたり、持続したりする。
心不全 動くと息が苦しい、疲れやすい、足がむくむ、急に体重が増えた。
肝機能障害 発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる。

 
副作用の頻度はアロパノールの添付文書には記載がありませんが、成分が同じ抑肝散において、処方薬では頻度調査が行われているものがあります。
ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)では、副作用発現頻度調査の結果、3,141例中、136例(4.3%)に副作用が認められたとしています((ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用) 添付文書))。
主な副作用頻度は、浮腫(むくみ)が0.6%、低カリウム血症が1.3%とされており、その他の副作用は0.5%未満の頻度となっています((ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用) インタビューフォーム))。
なお、処方薬のツムラ抑肝散エキス顆粒とアロパノールでは成分量が異なっている点や、ソウジュツとビャクジュツなど一部生薬の成分が異なっている点にご注意ください。

アロパノールの飲み合わせ

アロパノールは他の薬のとの飲み合わせに関して特別な注意喚起はされていません((アロパノール 添付文書))。
ただし、「医師の治療を受けている人」は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください、とされています。
実際にはアロパノールは他の薬と飲み合わせが悪いものはほぼなく、アロパノールにも含まれる生薬の成分が含まれる薬剤との飲み合わせに注意が必要となる程度です。
アロパノールと同じ成分を含む処方薬のツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)では、(1) カンゾウ含有製剤、(2) グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤が併用注意として注意喚起されています((ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)))。併用注意とされている理由として、偽アルドステロン症があわられやすくなるとされいます。偽アルドステロン症は血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が増加していないにも関わらず、高血圧、むくみ、カリウム喪失などの症状が現れ、症状が進むと、まれに「意識がなくなる」、「体を動かすと息苦しくなる」、「歩いたり立ったりできなくなる」といった状態になることもあります。
カンゾウは多くの漢方薬で含まれる生薬の一つであるため、アロパノールに関しても他の漢方薬と併用する場合は注意が必要となります。

アロパノールとお酒の併用は注意喚起されていないが

アロパノールはお酒(アルコール)との併用についても特別な注意喚起はありません。
併用しても薬の作用に大きな影響を与えることはあまり想定されませんが、アロパノールを使用する疾患である神経症や不眠症などに対して、お酒が望ましい影響を与えるということもあまり考えられないので、極力控えるのが良いと言えるでしょう。

アロパノールの授乳中の使用

アロパノールは授乳中の使用に関して特別な注意喚起はありません((アロパノール 添付文書))。
アロパノールの製品サイトにおいても授乳中の使用は問題ないとされています((https://www.zenyaku.co.jp/aropanol/qa.html))。
基本的には授乳中でも使用して問題ないと言えるでしょう。

アロパノールの妊娠中の使用

アロパノールの妊娠中の使用に関しては、医師や薬剤に相談するよう注意喚起されています。


次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人

アロパノール 添付文書


アロパノールの成分である漢方薬の抑肝散については、妊娠中の使用に関して医師の判断としており、特別なリスクが明確になっているわけではありませんが、胎児への移行性や生殖発生毒性試験などについても該当資料なしとされており((ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用) インタビューフォーム))、明確な安全性も確認されていません。
アロパノールを自己判断で妊娠中に使用することは避け、基本的には医師の診察を受けて適切な薬を処方してもらうようにしましょう。

アロパノールの値段と購入について

アロパノールはCMでも放送しているように薬局やドラッグストアで購入できるほか、amazonなどの通販でも購入することができる製品です。
アロパノールの規制区分は「第2類医薬品」とされており、薬剤師の販売が必須でないため、比較的多くの薬局、ドラッグストアで購入することが可能です。
アロパノールの包装単位は通常の錠剤であるアロパノールは63錠入り、147錠入りの2種類、アロパノール顆粒は9包入り、24包入りの2種類、アロパノール内服液は30mLの3本入りとなっています。
アロパノールの値段の詳細は各薬局、ドラッグストア、通販サイトで異なりますが、amazonの価格では通常のアロパノールの63錠入りが1500〜1700円、147錠入りが2600〜3000円、アロパノール顆粒の9包入りが1500〜1700円、24包入りが2800〜3200円、アロパノール内服液の30mL3本入りが1300〜1600円程度となっています。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
 

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