マイアロンに関して、ステロイドのとしての強さ、効能や虫刺され、ニキビ、あせもなどへの効果の有無、デルモベートとの違い、副作用などについて解説していきます。
マイアロンの種類と強さ|デルモベートとの違い
マイアロンはクロベタゾールプロピオン酸エステルという成分を含む皮膚などに塗って使うステロイドの薬です。
マイアロンには軟膏、クリーム、ローションがあり用途によって使い分けをします。軟膏、クリーム、ローションの使い分けと使用感はおおよそ以下の通りとなります。
剤型 | メリット | デメリット | 向いているケース |
軟膏 | 保湿性が高く、刺激が少ない | ベタベタし使用感がイマイチ | 傷があったり、ジュクジュクしている部分 |
クリーム | 軟膏よりもベタつかず、吸収も良い | 軟膏よりも効果が低い可能性、刺激を感じることも | 乾燥している部分、皮膚が厚い部分 |
ローション | 吸収が最も速く、使用感も良い | 最も刺激を感じやすく、効果が続かない | 頭部への使用 |
ステロイドの外用剤はその効果の強さにより、Ⅰ(strongest)〜Ⅴ(weak)群に分類されます。Ⅰ群が最強であり、Ⅴ群が最も弱い分類となります。
マイアロンはこの中でも最強のⅠ群(strongest)の強さに分類されるステロイド剤であり、非常に高い効果が期待される薬である反面、取り扱いにも注意が必要となります。
同じクロベタゾールプロピオン酸エステルを成分とする外用剤にデルモベートがあります。デルモベートはマイアロンの先発の医薬品であり、マイアロンはジェネリック医薬品に該当します。したがってマイアロンとデルモベートの違いは、先発医薬品であるかジェネリック医薬品であるかということになります。
薬価はジェネリック医薬品であるマイアロンの方が安く設定されており、軟膏とクリームでは1gあたり10.9円という薬価が設定されています。一方、先発の薬であるデルモベートは1gあたり28.7円であり、薬価だけを考えるとマイアロンの方が半額以下で入手することができます。
このように同じ成分でもジェネリック医薬品のマイアロンの方が経済的であるため、ジェネリック医薬品を希望する場合は薬局に申し出ましょう。
マイアロンの効能|虫刺されやニキビ、あせもへの使用は?
マイアロンの効能として湿疹や皮膚炎の他、虫刺されなどにも用いられます。効能効果の詳細は以下の通りです。
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、日光皮膚炎を含む)、痒疹群(蕁麻疹様苔癬、ストロフルス、固定蕁麻疹を含む)、掌蹠膿疱症、乾癬、虫さされ、薬疹・中毒疹、ジベルばら色粃糠疹、慢性円板状エリテマトーデス、扁平紅色苔癬、紅皮症、肥厚性瘢痕・ケロイド、肉芽腫症(サルコイドーシス、環状肉芽腫)、アミロイド苔癬、天疱瘡群、類天疱瘡(ジューリング疱疹状皮膚炎を含む)、悪性リンパ腫(菌状息肉症を含む)、円形脱毛症(悪性を含む)
マイアロン軟膏0.05%/ マイアロンクリーム0.05% 添付文書
また、マイアロンローションは基本的には頭部のみが効能となります。
主として頭部の皮膚疾患:湿疹・皮膚炎群、乾癬
マイアロンローション0.05% 添付文書
あせもなどに対しては厳密には適応に記載がないかもしれませんが、処方されるケースも中にはあります。あせもは汗が皮膚の中にたまってしまい炎症などが起きることが原因であるため、マイアロンでも効果が期待できます。ただし、マイアロンでは効果が強く出過ぎてしまう場合もあり、必ず医師から指示があった場合のみ使用するようにしましょう。
ニキビに対しては基本的にはマイアロンの効能には含まれません。炎症を鎮める目的で効果があるケースもあるかもしれませんが、ステロイド外用剤には一般的に痤瘡様疹(ニキビのような状態)の副作用の可能性が知られており、ニキビが悪化してしまうケースもあります。また、マイアロンは非常に強いステロイドであるため、基本的に顔に使うケースはほとんどありません。絶対に自己判断で顔のニキビに使用することは避けましょう。
マイアロンの副作用
ステロイドの中でも非常に強い効果をもつマイアロンですが、正しく使用する分にはそこまで副作用の心配をする必要はありません。
マイアロンの先発医薬品であるデルモベートの添付文書には副作用の頻度が記載されていますが、軟膏・クリームでは全体で3.0%、プローションに関しては2.3%とされており、決して高い頻度ではないことがわかります。
比較的頻度が高い副作用は、皮膚萎縮(皮膚が薄くなる)、毛のう炎(毛包に細菌が感染して起こる皮膚の病気)、皮膚刺激(かゆみも含む)などとされており、マイアロンを塗った部分に注意が必要と言えます。
また、頻度はそれほど高くないものの、魚鱗癬様皮膚変化という皮膚がうろこの様にはがれたり、乾燥する症状や、長期で使用する場合に比較的知られている副作用として、酒さ様皮膚炎が挙げられます。この副作用は顔がほてったようになり、赤いブツブツができ、ステロイドの使用をやめると悪化するといったものになります。上記のような症状が現れた場合には医師の判断を仰ぐようにしましょう。
その他にもステロイドは免疫を弱めてしまう傾向があります。その結果、ステロイドの外用剤には皮膚の感染症を起こしてしまうリスクも少なからずあることを覚えておきましょう。
頻度としては非常に稀ですが、重大な副作用として、目に症状が出る副作用があります。具体的には眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障です。これらは目の周辺に使用した場合や、特に長期にステロイドを使用している際に可能性があります。万が一目に異常を感じた場合は直ちに医師に相談するよう心がけましょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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