アロシトールの効果、副作用|薬価やフェブリクとの違いも

アロシトール(一般名:アロプリノール)の特徴、効果、副作用、飲み合わせ、薬価、フェブリクとの違いなどについて添付文書等から解説していきます。

アロシトールの特徴|一般名はアロプリノール

アロシトールは一般名(成分名)がアロプリノールであり、痛風や尿酸値が高い場合に使用する薬です1)
一般名がアロプリノールの薬のうち、アロシトールはジェネリック医薬品に該当し、先発の医薬品はザイロリックという名称で販売されています。アロシトールはジェネリック医薬品であるため、先発の医薬品と同じ効果が期待できつつ薬価は安いという特徴があります。
尿酸の生成を抑制する薬であり、尿酸産生過剰型の高尿酸血症に称されます。薬は腎臓から排泄される性質があり、腎障害がある場合には投与量を調節するケースもあります。
1) アロシトール錠50mg/アロシトール錠100mg 添付文書

アロシトールの効果

アロシトールは痛風や高尿酸血症に対して効果があり、尿酸値を下げることが期待できます。
アロシトールの効能効果の詳細は以下の通りです。

下記の場合における高尿酸血症の是正
痛風,高尿酸血症を伴う高血圧症

アロシトール錠50mg/アロシトール錠100mg 添付文書

アロシトールの効果の作用機序

アロシトールはプリン体から尿酸が生成される過程で関与する酵素のキサンチオキシダーゼを阻害することにより、尿酸が生成されることを阻害します1)

1) アロシトール錠50mg/アロシトール錠100mg 添付文書

アロシトールの臨床成績

アロシトールはジェネリック医薬品であるため。実際の人に対して効果を確認した臨床試験等の結果は記載されていませんが、同じ成分を含む先発の医薬品であるザイロリックの結果が参考となります。
ザイロリックは国内でのべ15の医療機関において343例の臨床試験が実施されており、痛
風への有効率は88.0%(146/166)、高血圧症を伴う高尿酸血症に対する有効率は86.4%(153/177)であったという結果が報告されています2)
2) ザイロリック錠50/ ザイロリック錠100 添付文書

アロシトールの使い方

アロシトールは通常100mg錠を1回1錠、1日2〜3回使用するのが一般的な使い方です。
アロシトールの用法用量は以下の通りです。

アロプリノールとして,通常成人1日量200~300mgを,2~3回に分けて食後に経口投与する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.

アロシトール錠50mg/アロシトール錠100mg 添付文書

アロシトールは腎機能に応じて減量することも

アロシトールの一般的な使い方は前述の通りですが、薬が腎臓から排泄される性質があるため、腎機能が落ちている場合はなどは減少して使用するケースもあります。
アロシトールの添付文書では以下の内容が注意喚起されています。

【使用上の注意】
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
2)腎機能障害のある患者〔高い血中濃度が持続するので,減量等を考慮すること.〕
 
2.重要な基本的注意
2)腎機能障害のある患者では本剤やその代謝物の排泄が遅延し高い血中濃度が持続するので,投与量の減量や投与間隔の延長を考慮すること.特に腎不全患者に副作用が発現した場合は重篤な転帰をたどることがあり,死亡例も報告されているので,患者の状態を十分に観察し注意しながら投与すること.

アロシトール錠50mg/アロシトール錠100mg 添付文書

痛風発作が起きている時はアロシトールの服用は開始しない

アロシトールを痛風発作が起きている時に飲み始めると、痛みが一時的に強くなったりすることがあります。そのため、アロシトールの飲み始めは発作がおさまってから開始するのが一般的です。ただし、すでにアロシトールを飲み始めている状態で発作が起きた場合は、中止せず、コルヒチンやインドメタシンなどの痛み止めを使用することもあります。

【使用上の注意】
 
2.重要な基本的注意
3)急性痛風発作がおさまるまで,本剤の投与を開始しないこと.
4)投与初期に尿酸の移動により,痛風発作の一時的な増強をみることがある(血中尿酸値を測定しながら投与し,治療初期1週間は1日100mg投与が望ましい).
5)本剤投与中に痛風が増悪した場合には,コルヒチン,インドメタシン等を併用すること.

アロシトール錠50mg/アロシトール錠100mg 添付文書

アロシトールの副作用

アロシトールの主な副作用は発疹、食欲不振、胃部不快感、軟便、下痢、全身倦怠感、脱毛などです。
なお、頻度は非常に低いと考えられるものの、重大な副作用も報告されており、特に皮膚症状、過敏症状には注意が必要であり、発熱や発疹等が見られた場合は重大な副作用の可能性も疑い、慎重に経過を見るようにしましょう。

【使用上の注意】
2.重要な基本的注意
1)本剤の投与により皮膚症状又は過敏症状が発現し,重篤な症状に至ることがあるので,発熱,発疹等が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと.

アロシトール錠50mg/アロシトール錠100mg 添付文書

アロシトールの飲み合わせ

アロシトールには飲み合わせに注意が必要な薬(併用注意の薬)が数種類あります。

代謝または排泄を阻害を阻害する可能性があるもの

以下のような薬は代謝または排泄を阻害されるという報告があります1)

成分名等 代表的な薬剤
メルカプトプリン水和物(6-MP),アザチオプリン イムラン
ビダラビン
クマリン系抗凝血剤
ワルファリンカリウム
ワーファリン
クロルプロパミド アベマイド
シクロホスファミド水和物 エンドキサン
シクロスポリン ネオーラル
フェニトイン アレビアチン
キサンチン系薬剤
テオフィリン 等
テオドール
ジダノシン ヴァイデックス

1) アロシトール錠50mg/アロシトール錠100mg 添付文書

過敏反応を発現する可能性があるもの

以下のような薬はアロシトールとの併用により過敏反応を発現するという報告があります。発熱を伴う皮疹等の過敏症状が発現した場合には直ちに両剤の投与を中止するように注意喚起されています1)

成分名等 代表的な薬剤
ペントスタチン コホリン
カプトプリル カプトリル
ヒドロクロロチアジド
アンピシリン ビクシリン

1) アロシトール錠50mg/アロシトール錠100mg 添付文書

アロシトールの薬価

アロシトールの2016年4月改定(2018年3月まで)の薬価は、アロシトール錠100mgが1錠あたり17.0円、アロシトール錠50mgで1錠あたり9.9円となっています。
アロシトールの先発医薬品に該当するザイロリックは100mg錠、50mg錠でそれぞれ、23.1円12.7円であり、ジェネリックであるアロシトールの方が安価で入手できます。

アロシトールとフェブリクの違い、切り替えなど

アロシトールとフェブリクは同じキサンチンオキシダーゼ阻害剤に分類されますが、様々な点で違いがあります。
アロシトールは1日2〜3回使用するのに対し、フェブリクは基本的に1日1回です。また、フェブリクはキサンチンオキシダーゼ阻害剤の中でも非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害剤とされており、キサンチンオキシダーゼに選択的に作用するという特徴もあります。この点からフェブリクの方が副作用の種類が少ないことが想定されます。また、相互作用(飲み合わせが悪い)もフェブリクの方が少ないとされていますが、一方でフェブリクは併用禁忌薬があります(アロシトールは併用禁忌なし)。また、アロシトールは主に腎排泄型、フェブリクは肝代謝型の薬剤とされています。また、使用する量にもよりますが、一般的に薬価はフェブリクの方が高くなるケースが多いでしょう。
アロシトールからフェブリクに切り替えるケースは上記のような違いを理解しておきましょう。なお、フェブリクは通常10mgから開始しますが、アロシトールから切り替える場合は必ずしも10mgでないケースもあります。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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