クレストールの効果や副作用|一般名やAG、薬価についても

クレストールの特徴、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、授乳中・妊娠中の使用、薬価、ジェネリック、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

クレストールの特徴|一般名ロスバスタチン

クレストール(一般名:ロスバスタチン)はHMG-CoA(ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムエー)還元酵素阻害薬に分類される高コレステロール血症に対して効果がある薬です1)

クレストールの特徴として、悪玉コレステロールとされるLDL-コレステロールに対して40.0〜46.5%の低下率が確認されており、日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドラインの管理目標値に到達させることができ、また、脂質親和性が比較的低く、チトクロームP450(CYP)を介した代謝を受けにくい特性もあり2)、薬物相互作用を受けにくいメリットもあるため、使用薬剤の多い高齢者でも使いやすい薬の一つです。

また、その作用の強さからスタチン系薬剤の中でもリピトール(一般名:アトルバスタチン)、リバロ(一般名:ピタバスタチン)と共にストロングスタチンに分類される薬の一つです。

クレストールの種類として通常の錠剤で成分であるロスバスタチンを2.5mg含むクレストール錠2.5mg、ロスバスタチンを5mg含むクレストール錠5mg、水なしで服用できる口腔内崩壊錠(OD錠)でロスバスタチンを2.5mg、5mg含むクレストールOD錠2.5mg、クレストールOD錠5mgの4種類が販売されています。

1) クレストール錠 添付文書
2) クレストール錠 インタビューフォーム

クレストールの効果

クレストールは高コレステロール血症に対して効果がある薬です。

クレストール効能効果の詳細は以下の通りです。

高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症

クレストール錠 添付文書

クレストールの作用機序

クレストールの主な作用機序はHMG-CoA還元酵素の阻害によるコレステロール合成の阻害です。

体内で合成されるコレステロールは主に肝臓で合成されますが、コレステロールの元となるアセチル-CoAがHMG-CoAとなり、さらにコレステロールの前駆体であるメバロン酸が作られる過程においてHMG-CoA還元酵素が重要な働きをします。

このHMG-CoAがメバロン酸に変換される過程を阻害するのがクレストールをはじめとするHMG-CoA還元酵素阻害薬であり、結果として体内のコレステロールの値を是正することに繋がります。

クレストールの実際の患者に対する効果

クレストールの実際の患者さんに対する効果はいくつかの臨床試験において確認されています。

高コレステロール血症患者に対する代表的な臨床試験の結果では、LDL-コレステロール(%)の値を、2.5mg投与で44.99%、5mg投与で52.49%減少されたことが確認されており1)、実際の患者さんに対しても明確な効果が確認されています。

1) クレストール錠 添付文書

クレストールの使い方

クレストールの一般的な使い方は2.5mgを1日1回使用し、場合によっては5mg、10mg程度まで増量しますが、最大で20mgまで増やすことが可能です。

クレストールの用法用量の詳細は以下の通りです。

通常、成人にはロスバスタチンとして1日1回2.5mgより投与を開始するが、早期にLDL-コレステロール値を低下させる必要がある場合には5mgより投与を開始してもよい。なお、年齢・症状により適宜増減し、投与開始後あるいは増量後、4週以降にLDL-コレステロール値の低下が不十分な場合には、漸次10mgまで増量できる。10mgを投与してもLDL-コレステロール値の低下が十分でない、家族性高コレステロール血症患者などの重症患者に限り、さらに増量できるが、1日最大20mgまでとする。

クレストール錠 添付文書

クレストールの副作用

クレストールの主な副作用は筋肉痛のほか、ALT(GPT)上昇、CK(CPK)などの臨床検査値の上昇です。

市販後の使用成績調査における頻度では、CK(CPK)上昇(2.3%)、筋痛(1.4%)、肝機能異常(1.0%)とされており、自覚症状がある副作用としては筋肉痛に注意が必要と言えます。

筋肉痛の場合は、スタチン系薬で知られている重大な副作用の横紋筋融解症における初期症状のひとつでもあるため、筋肉痛が続くようなら一度医師に相談してみましょう。

クレストールの飲み合わせ

クレストールは他の薬との飲み合わせに関して、併用できないもの、併用に注意が必要な薬がいくつかあります1)

サンディミュン、ネオーラルなどのシクロスポリン製剤はクレストールとは併用できない薬(併用禁忌薬)として注意喚起されています1)。併用禁忌とされている理由としてクレストールの血中での濃度が高くなることが確認されており、クレストールの副作用が出る可能性があります。

また、腎機能に関する臨床検査値に異常を認める場合にはベザトール(ベザフィブラート)、リピディル・トライコア(フィノフィブラート)等のフィブラート系薬剤も原則併用禁忌となり、基本的には併用することができません1)。その理由として、クレストールの重大な副作用としても注意喚起されている、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすくなるためとされています。

その他、併用に注意が必要なものは以下の通りです。

成分名等 代表的な薬剤
フィブラート系薬剤
ベザフィブラート等
(腎機能に関する臨床
検査値に異常を認めな
い場合)
 ベザトール、リピディル
ニコチン酸
アゾール系抗真菌薬
イトラコナゾール等
マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン等
クラリス、ジスロマック
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
 ワーファリン
制酸剤
水酸化マグネシウム・
水酸化アルミニウム
マーロックス
ロピナビル・リトナビル配合剤
アタザナビル/リトナビル
ダルナビル/リトナビル
カレトラ、ノービア
シメプレビル ソブリアード
エルトロンボパグ レボレード

上記うち、マクロライド系の抗生物質、制酸剤などは臨時で使用するケースもあるため、クリニックや薬局においてはクレストールを使用している旨を伝えるようにしましょう。

1) クレストール錠 添付文書

クレストールの授乳中の使用

クレストールは授乳中に使用する場合は基本的に使用しないよう注意喚起されています。

授乳中の婦人には投与しないこと。[ラットで乳汁中への移行が報告されている。]

クレストール錠 添付文書

上記の理由として、放射能を用いた乳汁移行の動物実験において、放射能を付加したクレストールの成分の乳汁中放射能濃度は投与後 4 時間に最高値を示し、血漿中放射能濃度の0.76~3.07倍の値で推移した、という結果が得られており2)、乳汁中に移行することが確認されているためです。

専門家による見解のひとつとして、大分県「母乳と薬剤」研究会が作成している母乳とくすりハンドブックでも、授乳中には使用するべきでないとしており、「乳児に有害作用を及ぼす可能性があり、授乳婦へ使用する場合は注意 / 安全性を示す情報が見当たらず、より安全な薬剤 使用を考慮」と結論づけています。

乳汁移行の情報がない。乳児の脂質代謝の利害関係より、コンセンサスは授乳中には使うべきでないとされている。

母乳とくすりハンドブック

実際に授乳中にクレストールを使用するかは、処方医の先生の判断となります。クレストールに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は授乳中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

2) クレストール錠 インタビューフォーム
3) 大分県「母乳と薬剤」研究会 母乳とくすりハンドブック(2010)

クレストールの妊娠中の使用

クレストールは妊娠中の使用に関しては禁忌に設定されており、禁止されています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していないが、ラットに他のHMG-CoA還元酵素阻害剤を大量投与した場合に胎児の骨格奇形が報告されている。更にヒトでは、他のHMG-CoA還元酵素阻害剤で、妊娠3ヵ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告がある。]

クレストール錠 添付文書

禁忌に設定されている理由として、他のHMG-CoA還元酵素阻害薬を使用した動物実験、及び実際の人に対する事例でも胎児に影響を与える可能性がある報告があります。また、クレストールの成分においても生殖発生毒性試験において、高用量の使用により母体毒性及び出生児の生存性に影響がみられたことが確認されています2)

上記のようにクレストールでは明確に妊婦での使用が禁止されているため、妊娠中の場合や妊娠している可能性がある場合は必ず医師や薬剤師にその旨を伝えるようにしましょう。

2) クレストール錠 インタビューフォーム

クレストールの薬価、ジェネリック、AG

クレストールの2016年4月改定(2018年3月まで)の薬価は2.5mg錠で63.1円、5.0mg錠で121.3円となっています。

また、クレストールのジェネリック医薬品は現時点では発売されていませんが、クレストールの最初のジェネリック医薬品として、第一三共エスファより今後ロスバスタチン錠として発売される予定となっています。薬価はまだ決定していないものの一般的に先発医薬品よりは低い薬価だ設定されますので、ジェネリック医薬品に変えた方が経済的となるでしょう。

また、第一三共エスファから発売されるジェネリック医薬品はオーソライズド・ジェネリック(AG)に分類されるジェネリック医薬品となる予定です。AGとは先発メーカーから許可を得て、原薬や添加物、製法等が先発医薬品と同一のジェネリック医薬品、特許使用の許可を得て、優先的に先行して販売できるジェネリック医薬品であり、添加物や原薬が先発医薬品と異なることがある一般的なジェネリック医薬品よりも質が高いことが想定されます。

ジェネリック医薬品として先行販売される第一三共エスファのロスバスタチン錠は、クレストールのAGとして期待できる薬と言えます。

クレストールの市販での購入

クレストールの成分は市販薬としては販売されていない成分であり、基本的に市販で購入することはできません。HMG-CoA還元酵素阻害薬に分類される薬は市販で買うことはできない薬であるため、医師の診察を受けた上で、処方してもらうようにしましょう。

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。

今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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