グレースビットの風邪や膀胱炎に対する効果と副作用|クラビットとの違いやロキソニンとの併用なども

グレースビットについてその特徴とクラビットとの違い、膀胱炎やマイコプラズマなどに対する効果、風邪への使用、下痢などの副作用、ロキソニンとの併用やアルコールとの飲み合わせ、薬価、ジェネリック医薬品の有無などについて解説していきます。

グレースビットの特徴とクラビットとの違い

グレースビットは成分としてシタフロキサシンを含んでいる抗菌剤であり、ニューキノロン系と言われるグループの抗菌剤の一つです。キノロン系の代表的な製品にクラビットがありますが、グレースビットはより抗菌力が強いという特徴を持っている薬です。

また、グレースビットにはキノロン系の抗菌薬が効かなくなったキノロン耐性をもった細菌に対しても効果があることが確認されており、今後増えることが懸念されている耐性菌に対しても効果がを発揮することが期待されています。

グレースビットとクラビットは抗菌力が違う|グレースビットは抗菌力が高い

グレースビットはクラビットよりも強い抗菌力を持つという違いがあります。

抗菌力の強さの比較ではMICという値が指標の一つとして用いられます。MICとは最小発育阻止濃度と略され、細菌の増殖を抑制することができる最小の薬の濃度です。このMICが低いほど、低い濃度で細菌の抑えられることになるため、MICが低いほうが抗菌力が強いと言えます。

主な細菌に対するグレースビットとクラビットのMIC90は以下の通り1)です。

細菌名 MIC90
グレースビット クラビット
S. pneumoniae
肺炎球菌
≦0.06 1
S. pyogenes
溶連菌
≦0.06 1
M. (B.) catarrhalis
モラクセラ・カタラーリス
≦0.015 0.06
H. influenzae
インフルエンザ菌
0.015 0.015
M. pneumoniae
マイコプラズマ
 0.03 0.5

上記の指標はMICの中でもMIC90(90%の菌株の発育を阻止する濃度)が使用されています。インフルエンザ菌こそMICが同じものの、その他の菌ではいずれもグレースビットの方がMICの値が低く、グレースビットの方が抗菌力が強いことがわかります。

このようにグレースビットはクラビットと比較し、強い抗菌力があるという違いがあります。

1) グレースビット錠50mg/グレースビット細粒10% 添付文書

グレースビットとクラビットは適応疾患が違う|クラビットの方が幅広い効能効果

グレースビットはクラビットと適応疾患にも違いがあり、現在のところはクラビットの方が幅広い疾患に使えます。

グレースビットは咽頭炎、肺炎などの高級機疾患の他、膀胱炎や中耳炎、歯の炎症にも使われます。

グレースビットの効能効果は以下の通りです。

〈適応症〉
○咽頭・喉頭炎、扁桃炎 (扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染
○膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎
○子宮頸管炎
○中耳炎、副鼻腔炎
○歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

グレースビット錠50mg/グレースビット細粒10% 添付文書

一方、クラビットはグレースビットの適応疾患に加え、皮膚感染症やざ瘡(いわゆるニキビなど)、胆嚢炎、子宮内感染、麦粒腫(いわゆるものもらい)など非常に幅広い疾患、部位に効果が認められています。

クラビットの効能効果の詳細は以下の通りです。

表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、子宮頸管炎、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、コレラ、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、炭疽、ブルセラ症、ペスト、野兎病、肺結核及びその他の結核症、Q熱

クラビット錠250mg/
クラビット錠500mg/
クラビット細粒10% 添付文書

グレースビットの効果|膀胱炎、マイコプラズマに対する使用

グレースビットは咽頭炎肺炎膀胱炎中耳炎マイコプラズマ感染などに対して非常に高い効果が確認されています2)

主な感染症に対する効果は以下の通りであり、肺炎をはじめとした呼吸器疾患にはマイコプラズマも含め90%以上の有効率が確認されています。また、膀胱炎に対しても94.8%という有効率であり、ほぼ確実に効果が現れることが期待できます。

疾患名 有効率(%)
全疾患 93.6
咽頭・喉頭炎 100
扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む) 91.7
急性気管支炎 100
細菌性肺炎 93.9
マイコプラズマ肺炎 90.9
膀胱炎 94.8
中耳炎 87.8

2) グレースビット錠50mg/グレースビット細粒10% 添付文書

グレースビットが風邪に処方される理由は

グレースビットが風邪に処方される理由は①細菌による疾患を疑う場合、②ウイルス感染の悪化による細菌の二次感染の対処、の2点が主に考えられます。

そもそも風邪はほとんどのケースでウイルスが原因であり、グレースビットが効果をもつのは細菌であるため、ウイルスには効果がありません。あくまでグレースビットは細菌に対して処方されるものです。

①は風邪のような症状がでる疾患でも細菌が原因となるケースがあり、レンサ球菌属の細菌は溶連菌とも呼ばれしばしば咽頭炎などを起こし風邪のような症状がでます。肺炎球菌やインフルエンザ菌も完全初期では風邪のような症状を引き起こします。マイコプラズに感染した時も風邪との見分けがつきにくいケースがあったり、このような細菌の感染が疑われる場合には抗菌剤、抗生物質が効果的と考えられます。

②はウイルス感染の風邪と判断しても悪化により細菌の二次感染が懸念される場合です。風邪による炎症などが原因で二次的に細菌にも感染してしまうケースがあり、これらの可能性が高い場合に予め抗菌剤、抗生剤が投与されることがあります。ただし、こちらは現在は医師が処方を控えるケースも多くなっているようです。

現在は単なる風邪でグレースビットのような抗菌剤が処方されるケースは少なくなっていますが、処方された場合には、医師が細菌感染や風邪の悪化を懸念して処方されたと考えられるため、指示された日数を飲みきるようにしましょう。

グレースビットの副作用|代表的な副作用は下痢

グレースビットは下痢軟便副作用が他のキノロン系抗菌薬よりも出やすいことが知られています。

グレースビットはクラビットの成分であるレボフロキサシンなどと比較し、下痢や軟便の副作用の発現率が高かったため、添付文書でも以下のような注意喚起が記載されています。

〈効能・効果に関連する使用上の注意〉
本剤は下痢、軟便が高頻度に認められているため、本剤の使用に際しては、リスクとベネフィットを考慮すること。

グレースビット錠50mg/グレースビット細粒10% 添付文書

実際の下痢の頻度は臨床試験(治験)の結果では5.7%、軟便と合わせると12.7%という結果です。市販後の使用成績調査では下痢が1.4%、軟便と合わせると1.8%という結果のであり、臨床試験の結果とやや開きがありますが、いずれの調査でも最も頻度の高い副作用とされており、グレースビットにおいて最も注意が必要な副作用と言えます。

グレースビットで下痢や軟便の副作用が出る理由は、腸内細菌の常在菌に対しても抗菌剤が効果を発揮し、腸内の細菌のバランスが崩れてしまうことにあります。抗菌剤の使用をやめれば速やかに回復するのが一般的です。したがって下痢や軟便の副作用がでても基本的には大きな心配はいりませんが、あまりに症状がひどい場合は医師に相談しましょう。

その他の副作用では頭痛や発疹、腹痛、めまい、ALT上昇やAST上昇といった肝機能検査値の上昇、好酸球数増加などが比較的頻度が高いとされています。

薬の副作用として心配される眠気の副作用は添付文書には記載がなくほとんど出ないと考えられます。

グレースビットの飲み合わせ|ロキソニンやアルコールは

グレースビットと、解熱鎮痛剤の代表的なロキソニンアルコールとの飲み合わせを確認していきます。市販薬のロキソニンSに関しても同様のことが言えますので、併せて参考にしてください。

グレースビットとロキソニンの飲み合わせは注意が必要(併用注意)

グレースビットは解熱鎮痛薬のロキソニンと注意が必要です。

注意喚起の内容は併用注意であり、一緒に使用することができないわけではないものの、使うときは注意が必要という扱いになります。

感染症にかかると発熱や痛みは比較的よくある症状であり、抗菌剤を使う際に一緒に解熱鎮痛剤のロキソニンも使用するケースはよくあり、実際にはグレースビット一緒にロキソニンが処方されるケースもあります。

このような場合は医師の適切な診察の上、両薬剤が処方されているいるため、基本的には使用して問題無いと言えますが、自宅にロキソニンの残りがあった場合や自己判断で市販のロキソニンSを併用するのはやめましょう。

グレースビットとロキソニンの注意が必要(併用注意)の理由は痙攣が起きる恐れ

グレースビットとロキソニンの飲み合わせがあまり良くない(併用注意)とされている理由は、二つの薬が作用し合うこと(相互作用)によって、痙攣が起きる可能性があるからとされています。

痙攣が起きる理由は、中枢神経においてGABAという物質を受け取る所の機能に影響を及ぼすためと考えられています。

ただし、実際にはグレースビットで痙攣が起きたという報告はほとんどなく、医師の適切な診察の元に処方された場合はあまり心配せず使用しましょう。

市販のロキソニンSも同じ成分なので同様の注意が必要

市販のロキソニンSに関しても同じ注意が必要と言えます。

市販のロキソニンSは処方薬のロキソニンと全く同じ成分であるため、グレースビットと併用した場合は、基本的には同じ作用が起きると言えるでしょう。

ただし、市販のロキソニンSに関しては、説明文書(添付文書)に以下の注意書きがあります。

相談すること
1.次の人は服用前に医師,歯科医師又は薬剤師に相談して下さい。
(1)医師又は歯科医師の治療を受けている人

ロキソニンS添付文書

処方薬のクラビットを使用中の場合は「医師の治療を受けている人」に該当するため、グレービット使用中にロキソニンSを使用したいと思う場合は医師や薬剤師に相談するようにし、自己判断でロキソニンSを使用するのは避けるようにしましょう。

グレースビット使用中に注意が必要な他の薬は?

クラビットで他にも同様の飲み合わせの注意が必要なもの(痙攣を起こす可能性があるもの)は「フェニル酢酸系の非ステロイド消炎鎮痛薬」と「プロピオン酸系の非ステロイド消炎鎮痛薬」です。

代表的な薬剤は以下のとおりです。

フェニル酢酸系の非ステロイド消炎鎮痛薬
ボルタレン(成分名:ジクロフェナク)など

プロピオン酸系の非ステロイド消炎鎮痛薬
ブルフェン(成分名:イブプロフェン)など
※ロキソニンはここに該当

特にイブプロフェンに関しては市販薬でもイブ系の薬や、多くの風邪薬に含まれているのでご注意ください。

グレースビットとアルコールの飲み合わせ

グレースビットとアルコールの飲み合わせは基本的には問題ありません。

ただし、グレースビットのような抗菌剤を使う状態で、飲酒をするのは望ましいとは言えません。アルコールによって薬の相互作用はなくても、疾患に悪影響を及ぼす可能性があります。

どうしても避けらないお酒の席などを除き、基本的にはアルコールは控えるようにするのが安全といえるでしょう。

グレースビットの薬価とジェネリック

グレースビットの薬価は2018円4月改定時点で50mg錠が1錠あたり169.3円、細粒が1gあたり476.8円となっています。

クラビットと比較するとよく使われる500mg錠が1錠381.6円であり、1錠あたりはクラビットの方が高いですが、グレースビットは基本的には1日2錠、クラビット500mgは1日1錠の使用となるため、1日あたりの薬価では大きく変わりません。

また、グレースビットは比較的新しい薬であるため、現在ジェネリック医薬品は販売されていません。シタフロキサシンの成分を使用する場合はグレースビットを使用する必要があります。

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。

今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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