ネキシウムの特徴と効果、副作用、パリエットとの比較など|ネキシウムカプセルについて

ネキシウムカプセルの特徴、効果、効果時間、骨粗鬆症を含めた副作用、薬価、ジェネリック医薬品の有無、脱カプセルの可否、パリエット・タケプロン・オメプラールとの比較などについて添付文書やインタビューフォームから解説します。

ネキシウムの特徴

ネキシウムは一般名(成分名)をエソメプラゾールと言い、2011年に発売されたプロトンポンプインヒビター(PPI)と呼ばれる胃潰瘍、逆流性食道炎などに使用される薬の一つです。以前より販売されていたPPIのオメプラゾールという薬を改良した薬です。

オメプラゾールは使う人によって効き目に差(個体間変動)がある問題がありましたが、ネキシウムの特徴として、この個体間変動が少なくなったという点が挙げられます。また、従来の胃潰瘍や逆流性食道炎に使用される薬よりも早く効果が現れるとされています。

ネキシウムの効果

ネキシウムは胃潰瘍十二指腸潰瘍をはじめ、逆流性食道炎(RE:reflux esophagitis)、非びらん性胃食道逆流性(GERD:gastroesophageal reflux disease)、ヘリコバクターピロリの除菌などに効果があるとされています。

○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症※、Zollinger-Ellison症候群、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
○下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

※非びらん性胃食道逆流症はネキシウムカプセル10mgのみ

ネキシウムカプセル10mg/ネキシウムカプセル20mg 添付文書

逆流性食道炎と非びらん性胃食道逆流症はともに胃食道逆流症(GERD:gastroesophageal reflux disease)の一つであり、胃酸の逆流によって食道粘膜の炎症や胸やけなどの症状がある疾患です。ネキシウムはこれらの疾患にもよく使われます。

ネキシウムの効果の強さ

逆流性食道炎に対する効果は87.5%〜92%とされており、同じPPIのオメプラゾールと比較して高い結果となっています。

ネキシウム20mg ネキシウム10mg オメプラゾール10mg
逆流性食道炎の非再発率 92.0% 87.5% 82.7%

ネキシウムカプセル10mg/ネキシウムカプセル20mg 添付文書より

また、ヘリコバクターピロリの除菌療法でネキシウムを用いた場合の結果は80.0%であったという報告もあり、除菌療法に対しても高い効果が期待できます1)

1) 阪口正博ほか、Helicobacter Research 19(2): 205-213, 2015.

ネキシウムの効果時間

ネキシウムの効果が現れるまでの時間は対象の疾患によっても異なりますが、逆流性食道炎の胸やけに対しては、平均で1.5日後に症状がなくなったという結果2)が得られており、非常に速やかな効果が期待できます。

また、ネキシウムは使用した時間にかかわらず1日1回の使用で24時間以上の効果が持続するとされています。

2) ネキシウムカプセル10mg/ネキシウムカプセル20mg 総合製品情報概要

ネキシウムの使い方と用法用量

ネキシウムは1日1回20mgを使用するケースが一般的ですが、非びらん性胃食道逆流症に対しては1日1回10mgを使用します。また、ヘリコバクターピロリの除菌に使用する場合は20mgを1日2回使用します。

用法用量の詳細は以下の通りです。

○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群
通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回経口投与する。なお、通常、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。

○逆流性食道炎
通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回経口投与する。なお、通常、8週間までの投与とする。さらに再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1回10~20mgを1日1回経口投与する。

○非びらん性胃食道逆流症
通常、成人にはエソメプラゾールとして1回10mgを1日1回経口投与する。なお、通常、4週間までの投与とする。

○非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回経口投与する。

○低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回経口投与する。

○ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、 通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。

ネキシウムカプセル10mg/ネキシウムカプセル20mg 添付文書

飲み忘れた場合の対処法

ネキシウムは1日1回のケースがほとんどですので、毎日決まった時間に飲むようにすると比較的飲み忘れを防ぐことができます。

それでも飲み忘れてしまった場合は、気がついた時点で1回分を飲むようにしましょう。ただし、次に使用する時間が8時間以内であった場合は、忘れた分をスキップして、次の服用時間に1回分を飲む様にしましょう。
間違っても2回分を1度に飲む様なことは避けましょう。

間違えて多く使用してしまった時の対処法

ネキシウムの過量に投与した場合の副作用として、脱力や軟便、吐き気などが報告されています。

あまり極端な量でなかければ様子を見てもらう程度でも大丈夫かと思いますのが、上記の様な症状も含め異常が見られた場合は、直ちに医師に相談するようにしましょう。

ネキシウムの副作用

ネキシウムで見られる主な副作用は下痢、CK(CPK)上昇、肝機能異常、ALT(GPT)上昇(肝機能の指標)などとされています。

なお、副作用として明記はされていないものの、海外の研究で、ネキシウムが分類されるPPIによる治療で骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折などが増加するリスクが報告されています3)

特に、高用量及び1年以上の長期間の治療を受けた患者で骨折のリスクが増加するとされているため、これらに該当する人は骨粗鬆症や骨折などのリスクに注意する、適切な検査を受けるなど心がけましょう。

また、以下の重大な副作用はめったに起きませんが、念のため副作用の初期症状にご注意ください。
万が一以下の副作用があわれた場合はすぐに医師の診察を受けてください。

重大な副作用 副作用の初期症状
ショック、アナフィラキシー 蕁麻疹、かゆみ、動悸、息が苦しいなど
汎血球減少症、無顆粒球症 出血しやすい、歯ぐきの出血、あざ、息切れ、動悸、めまい、鼻血、耳鳴りなど
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全 倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸、発疹、吐き気・おう吐、かゆみなど
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis: TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群) 高熱(38℃以上)、目の充血、めやに、まぶたの腫れ、目が開けづらい、くちびるや陰部のただれ、排尿・排便時の痛み、のどの痛み、皮膚の赤みなど
間質性肺炎 息切れがする・息苦しくなる、空咳が出る、発熱する、などがみられ、これらの症状が急に出現したり、持続したりする
間質性腎炎 発熱、発疹、関節の痛み、はき気、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状など
横紋筋融解症 手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む、手足がしびれる、手足に力がはいらない、こわばる、全身がだるい、尿の色が赤褐色になる
低ナトリウム血症 吐き気、嘔吐、意識の低下、頭痛、食欲不振、けいれん
錯乱状態 意識が混乱する

3) ネキシウムカプセル10mg/ネキシウムカプセル20mg 添付文書

ネキシウムの薬価とジェネリック医薬品

2016年4月に改定されたネキシウムの薬価は以下の通りです。
ネキシウムカプセル10mg 1カプセルあたり83.40円
ネキシウムカプセル20mg 1カプセルあたり145.10円

ネキシウムは比較的新しい薬でありジェネリック医薬品は販売されていません。

ネキシウムの脱カプセルの可否

ネキシウムカプセルはカプセルのまま使用することを想定しており、脱カプセルでの使用は承認外の用法となり、臨床での薬物動態や効果・安全性、製剤の安定性は確認されておらず推奨できないというのがメーカーの見解です。

ネキシウムカプセルはその製剤の特徴として、胃でカプセルが崩壊後、ネキシウムの成分が胃から腸へと移行し、pHの上昇により腸溶性コーティングが溶解して、成分が体内に吸収されて効果が発揮されます。このような特徴から食事の影響も受けにくいとされており、脱カプセルすることでこの特徴が失われる可能性もあり、基本的には脱カプセルはしないようにしましょう。

なお、ネキシウムのインタビューフォームにはアメリカにおける用法用量も掲載されておりこちらは脱カプセルしてアップルソースと混合して服用する用法が記載されています。

ネキシウム徐放性カプセルはそのまま飲みこむこと。

あるいは、カプセルを飲みこむことが困難な患者の場合は、ボールにテーブルスプーン 1 杯分のアップルソースを入れ、本剤徐放性カプセルを開いて中の顆粒を注意深くアップルソースの上にあける。顆粒とアップルソースを混ぜ、直ちに飲み込む。使用するアップルソースは熱くないこと。また、噛まずに飲み込めるよう十分軟らかいものを用いること。顆粒は噛んだり砕いたりしてはならない。顆粒とアップルソースを混ぜたものは、後日の使用のために保存しておいてはならない。

ネキシウムカプセル インタビューフォーム

ネキシウムとオメプラール、パリエット、タケプロンとの違いを比較

ネキシウムはオメプラール、パリエット、タケプロンなど他のPPIと比較してみましょう。
効能効果は他のPPIともあまり差がありません。薬価は新しい薬であるためにネキシウムが少し高いですが、その分速く効き、より強い効果を期待することもできます。

ネキシウムと他のPPIとの比較の詳細は以下の通りです。

薬剤名(成分名) 効能効果 薬価 特徴
オメプラール(オメプラゾール) ○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、Zollinger-Ellison症候群
○下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
128.90円(20mg) 最もベーシックなプロトンポンプインヒビター。
タケプロン(ランソプラゾール) ○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群、非びらん性胃食道逆流症、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
○下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
140.30円(30mg) 口の中で溶け水なしでの飲めるOD錠がある。
パリエット(ラベプラソール) 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger‐Ellison症候群、非びらん性胃食道逆流症、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

115.70円(10mg) 代謝の仕方から、飲み合わせが悪い薬が少ない。
ネキシウム(エソメプラゾール) ○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、Zollinger-Ellison症候群、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
○下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
145.10円(20mg) オメプラールの改良版。効果や速く強く現れる。

※パリエットは20mgで使われるケースも多く、20mgの薬価は218.90円

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。

今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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