プロレナールの特徴、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、授乳中・妊娠中の使用、薬価、ジェネリック、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。
Contents
プロレナールの特徴
プロレナールはリマプロストアルファデクスを成分として含み、手足などの潰瘍、痛み、冷え、しびれなどに効果がある薬です((プロレナール錠5μg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3399003F1081_1_10/))。
実際にプロレナールが使用される病名は閉塞性血栓血管炎やの腰部脊柱管狭窄症であり、これらの潰瘍、痛み、冷え、しびれなどが適応となります。
プロレナールの特徴は経口投与可能なプロスタグランジンE11(PGE1)誘導体であり、血小板凝集抑制作用、血管拡張作用、血流増加作用があります((プロレナール錠5μg インタビューフォーム http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/400093_3399003F1081_1_020_1F))。
プロレナールの効果|適応となる病名は
プロレナールは手足などの潰瘍、痛み、冷え、しびれなどに効果がある薬です。実際に適応となる病名は閉塞性血栓血管炎やの腰部脊柱管狭窄症であり、これらの疾患の症状に対して使用されます。
プロレナールの効能効果の詳細は以下の通りです。
1.閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善
2.後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力の改善
プロレナール錠5μg 添付文書
プロレナールの作用機序
プロレナールの作用機序は血管拡張作用、血流増加作用、血小板凝集抑制作用によるものです((プロレナール錠5μg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3399003F1081_1_10/))。
プロレナールはプロスタグランジン製剤であり、プロスタグランジンE1には血小板凝集抑制、血管を広げる作用などが知られており、これらの作用により、血栓による潰瘍や痛み、冷えなどを改善したり、脊柱管狭窄症による神経組織・血管の圧迫による痛み、しびれを改善することが記載されます。
プロレナールの実際の効果
プロレナールの実際の患者さんに対する効果は臨床試験において確認されています。
閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛、冷感などの虚血性諸症状および腰部脊柱管狭窄症(SLR 試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)・歩行能力に対して、いずれも56%の改善度が確認されています((プロレナール錠5μg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3399003F1081_1_10/))。
プロレナールの使い方
プロレナールは使用する疾患・病名によって使用する量が異なります。
閉塞性血栓血管炎に伴う症状では1回2錠を1日3回、腰部脊柱管狭窄症に伴う症状に対しては1回1錠を1日3回使用するケースが多い薬です。
プロレナールの用法用量の詳細は以下の通りです。
1 . 閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善には
通常成人に、リマプロストとして1日30μgを3回に分けて経口投与する。
2 . 後天性の腰部脊柱管狭窄症(SLR試験正常で、両側性の間欠跛行を呈する患者)に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力の改善には通常成人に、リマプロストとして1日15μgを3回に分けて経口投与する。
プロレナール錠5μg 添付文書
プロレナールは一包化が可能
プロレナールは以前は湿気に対し不安定であり、薬のPTPシートから出した状態では有効成分お分解が心配されていましたが、2014年10月3日製造方法の一部変更の承認以降は一包化も可能な製剤となっています((プロレナール錠5μg インタビューフォーム http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/400093_3399003F1081_1_020_1F))。
プロレナールの手術前の使用は
プロレナールは血小板凝集抑制作用を持っており、手術前などの使用に関しては少し注意が必要となります。
ただし、ワーファリンやバイアスピリンなどの抗凝固薬や抗血小板薬ほどの休薬期間は必要とされていません。
休薬期間の参考として、鳥取赤十字病院の院内指針では検査・手術時では1日前から休薬、生検・出血低危険度の消化器内視鏡診療時は休薬の必要なし、出血高危険度の消化器内視鏡診療時は1日休薬とされています(鳥取赤十字病院 http://www.tottori-med.jrc.or.jp/trch/wp-content/uploads/2015/01/ac5c959084ec089a07037de545e8640a.pdf)。
プロレナールの副作用
プロレナールは特別に副作用に注意が必要な薬ではありません。
閉塞性血栓血管炎に使用した場合の副作用頻度は、承認時までの調査及び市販後調査より主なものとして、下痢49件(1.1%)、悪心・嘔気・嘔吐22件(0.5%)、潮紅・ほてり22件(0.5%)、発疹17件(0.4%)、腹部不快感・心窩部不快感18件(0.4%)、腹痛・心窩部痛15件(0.3%)、頭痛・頭重14件(0.3%)、AST(GOT)・ALT(GPT)の上昇等の肝機能異常12件(0.3%)、食欲不振10件(0.2%)などが認められています。
腰部脊柱管狭窄症に使用した場合の副作用頻度は、市販後の使用成績調査等では主なものとして、は胃・腹部不快感34件(1.5%)、腹痛13件(0.6%)、下痢10件(0.4%)、頭痛10(0.4%)、悪心7件(0.3%)、胸やけ7件(0.3%)などが認められています((プロレナール錠5μg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3399003F1081_1_10/))。
上記の通り、特別に頻度が高い副作用はなく、下痢や吐き気、胃腸症状などの消化器症状が主なものであり、一過性なものがほとんどであるため、副作用に関して大きな心配は必要ないと言えるでしょう。
プロレナールの飲み合わせ
プロレナールは他の薬との飲み合わせに関して、併用に注意が必要な薬がいくつかあります((プロレナール錠5μg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3399003F1081_1_10/))。
併用注意が必要なものは以下の通りです。
成分名等 | 代表的な薬剤 |
抗血小板剤 アスピリン チクロピジン シロスタゾール 血栓溶解剤 ウロキナーゼ 抗凝血剤 ヘパリン ワルファリン |
バイアスピリン、ワーファリン、プラビックス、プレタール |
上記の薬剤と注意が必要な理由として、プロレナールには血小板凝集抑制作用があり、抗血小板剤や抗凝血剤と併用することにより出血傾向が強まる可能性があるためです。これらの薬を使用している場合には医師や薬剤師に申し出るようにしましょう。
プロレナールの授乳中の使用
プロレナールは授乳中の使用に関しては特別な注意喚起はされていません((プロレナール錠5μg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3399003F1081_1_10/))。基本的には授乳中でも使用可能な薬の一つとなります。
母乳への薬の移行に関して、動物実験の結果が参考となります。授乳ラットにリマプロストアルファデクスを使用した結果、乳汁中への排泄量は、どの時点でも母獣血漿中濃度の1/20~1/3と非常に低く、乳汁中排泄は少なかったとされており((プロレナール錠5μg インタビューフォーム http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/400093_3399003F1081_1_020_1F))、母乳への移行量は少量であることが想定されます。
実際に授乳中にプロレナールを使用するかは、処方医の先生の判断となります。プロレナールに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は授乳中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。
プロレナールの妊娠中の使用
プロレナールは妊婦または妊娠している可能性のある婦人には禁忌とされており、妊娠中は使用することができません。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。〔動物実験(妊娠サル、妊娠ラット静脈内投与)で子宮収縮作用が報告されており、またヒトにおける妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕
プロレナール錠5μg 添付文書
プロレナールが妊娠中の使用が禁忌となっている理由として、妊娠サル、妊娠ラット静脈内投与で子宮収縮作用が報告されているためです。
妊娠中もしくは妊娠している可能性がある場合は必ず医師や薬剤師に申し出るようにしましょう。
プロレナールの薬価・ジェネリック
プロレナールの薬価は、2016年4月の改定時点(2016年4月〜2018年3月まで)で1錠あたり56.0円となっています。
プロレナールにはジェネリック医薬品が販売されており、成分名であるリマプロストアルファデクスの名称で販売されています。プロレナールのジェネリック医薬品の薬価は1錠あたり24.9〜33.7円であり、プロレナールよりも安価となっています。
プロレナールの市販での購入
プロレナールの成分を含む薬は市販で買うことはできません。必ず処方箋が必要となる薬であるため、医師の適切な診断を受けて処方してもらうようにしましょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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