ディフェリンゲルの効果や副作用|ダラシン、アクアチムとの違いやニキビ跡への効果など

ディフェリンゲルの特徴、効果、使い方、副作用、薬価、ジェネリック、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

ディフェリンゲルの特徴

ディフェリンゲルはアダパレンを成分として含み尋常性ざ瘡(にきび)に対して効果が認められている塗り薬です((ディフェリンゲル0.1% 添付文書http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/200483_2699711Q1027_1_10.pdf))。
ディフェリンゲルの特徴は国内初のレチノイド様作用を有するニキビ治療剤であり((ディフェリンゲル0.1% インタビューフォーム http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/200483_2699711Q1027_1_010_1F))、日本皮膚科学会のガイドラインにおいても推奨度が高い薬の一つです((尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017))。

ディフェリンゲルとダラシン、アクアチムとの違い

ディフェリンゲルと同じニキビ治療薬として、ダラシン、アクアチム、ゼビアックス、ベピオなどが処方薬として販売されています。
これらの違いとして、ディフェリンゲルは皮膚の角質への分化を抑えることでニキビが作られるのを元から抑えるのに対し、ダラシン、アクアチム、ゼビアックスは抗菌剤の成分を含んでいるため、ニキビの原因菌に作用してニキビを防ぐ作用があります。また、ベピオも抗菌成分と同様にニキビの原因菌に作用してニキビを改善しますが、抗菌成分とは作用が異なり、過酸化ベンゾイルの分解で生成したラジカルによる抗菌作用によるものです。
ベピオゲルの効果や副作用|ニキビ跡への使用や化粧水の順番、毛穴への効果も
通常、ディフェリンゲルはこれらの抗菌成分と併用されることが多く、近年ではこれらの成分が一緒に含まれている配合剤も販売されています。代表的な配合剤はディフェリンゲルの成分とベピオゲルの成分が含まれるエピデュオゲルです。また、ダラシンTゲルとベピオゲルとの成分を含んだ配合剤デュアックゲルなども販売されています。

ディフェリンゲルの効果

ディフェリンゲルの正式な効能効果は「尋常性ざ瘡」であり、いわゆるニキビに対して効果が認められている薬です((ディフェリンゲル0.1% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/200483_2699711Q1027_1_10.pdf))。

ディフェリンゲルの作用機序

ディフェリンゲルの作用機序はニキビの原因となる表皮の角化細胞の分化抑制によるものです。
ニキビの原因として、毛穴のつまり、皮脂分泌の増加、ニキビ菌の増加などが挙げられますが、ディフェリンゲルはこのうち毛穴のつまりを取り除くことによりニキビを防ぎます。ニキビの初期である面ぽう、第二段階の炎症を起こしたニキビまでの段階において効果が期待できる薬です。

ディフェリンゲルの効果が出るまでの期間

ディフェリンゲルは最初は3ヶ月を目標に使用する薬となります。
使い始めの2週間は肌の乾燥を感じる時期であり、ニキビに対する効果は実感しにくい期間となりますが、使用後2週間以降から少しずつ効果を感じるようになることが多くなり、2ヶ月目以降からは効果が実感できる期間となっていきます。3ヶ月目以降は治ったと思っても再発するケースもあるため、自己判断では中止せず、医師の判断を仰ぐようにしましょう。

ディフェリンゲルのガイドラインによる評価

ディフェリンゲルは日本皮膚科学会のガイドラインにおいても推奨度が高い薬の一つです。
急性炎症期の炎症性皮疹(いわゆる赤ニキビ)、面皰(いわゆる白ニキビ)、寛解維持(よくなっている状態を維持する)においてディフェリンゲルの推奨度は「A(行うよう強く推奨する(少なくとも 1 つの有効性を示すレベルIもしくは良質のレベルIIのエビデンスがある))」とされています((尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017))。

ディフェリンゲルの実際の患者さんでの効果

ディフェリンゲルの実際の患者さんに対する効果は臨床試験にて確認されています。
日本においてニキビ患者を対象にディフェリンゲルもしくは基剤のみを12週間使用した臨床試験では、総皮疹数の減少率(中央値)は、基剤群(36.9%)に比較してディフェリンゲル0.1%群(63.2%)で統計学的に有意であったとされています((ディフェリンゲル0.1% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/200483_2699711Q1027_1_10.pdf))。

ディフェリンゲルはにきび跡を治す薬ではない

ディフェリンゲルは炎症が起きているニキビや炎症が起きる前のニキビに対して使用する薬であり、にきび跡を治す薬ではありません。製薬会社からの資料でもにきび跡(瘢痕)の症状には範囲外となっています((ニキビ治療とマルホのお薬について))。
また、日本皮膚科学会のガイドラインにおいてもにきび跡(瘢痕)の症状に対しては推奨されておらず((尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017))、自己判断でニキビ跡に使用するようなことは避け、医師による処置を受けるようにしましょう。

ディフェリンゲルの使い方

ディフェリンゲルの使い方は、1日1回洗顔後に使用します。
ディフェリンゲルの用法用量の詳細は以下の通りです。


1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。

ディフェリンゲル0.1% 添付文書


ディフェリンゲルを実際に塗る際は、十分な洗顔後にディフェリンゲルをニキビとその周囲に適量使用します。顔全体に塗る場合の使用量の目安は、人差し指の先端から一つ目の関節までの長さのゲル(約0.5g)を使用します((ディフェリンゲル0.1%を使用される方へ))。

ディフェリンゲルを塗り忘れた場合は

ディフェリンゲルを前日に塗り忘れた場合でも、次の日は用法用量通り寝る前に使用します。
1日に2回塗ったり、1回に2回分を塗ったりするのは避けましょう。

ディフェリンゲルを使うときは保湿を

ディフェリンゲルはヒルドイド(成分名:ヘパリン類似物質)などの保湿剤と一緒に処方されるケースが多い薬です。
ディフェリンゲルとヒルドイドなどの保湿剤を一緒に使用する際の順番は、基本的に医師に指示通りとなりますが、一般的には先に保湿剤を使用し、その後ディフェリンゲルを使用します((ニキビ治療とマルホのお薬について))。

ディフェリンゲルの副作用

ディフェリンゲルの代表的な副作用は以下のようなものです((ディフェリン®ゲル0.1%を使用される方へ))。
● 乾燥
● 皮膚不快感(ヒリヒリ感など)
● 落屑(皮膚が細かくはがれる)
● 紅斑(赤くなる)
● そう痒感(かゆみ)
上記の症状は多くは使いはじめてから2週以内に生じ、その後やわらいできます。特に乾燥に関しては使用開始後2週間以内に比較的多くのケースで発生し一過性であるため、我慢できない程度でなければ様子を見ながらディフェンリゲルを継続しましょう。
臨床試験で確認されている副作用の頻度は、主なもので皮膚乾燥(305例、56.1%)、皮膚不快感(259例、47.6%)、皮膚剥脱(182例、33.5%)、紅斑(119例、21.9%)、そう痒症(72例、13.2%)、湿疹(11例、2.0%)、ざ瘡( 7 例、1.3%)、接触性皮膚炎( 7 例、1.3%)、皮膚刺激( 6 例、1.1%)とされています。((ディフェリンゲル0.1% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/200483_2699711Q1027_1_10.pdf 添付文書))。

ディフェリンゲルの併用

ディフェリンゲルは抗菌剤系ニキビ薬や、ヒルドイドなどの保湿剤等と一緒に併用されるケースも多い薬です。
これらの薬と併用する場合は①保湿剤、②ディフェリンゲル、③抗菌剤の順番となります((ニキビ治療とマルホのお薬について))。
代表的な保湿剤はヒルドイド、ビーソフテンなどのヘパリン類似物質を含む製剤であり、ソフト軟膏やクリーム、ローションの形状があり、通常は顔全体の広範囲に使用します。
抗菌剤の塗り薬ではアクアチムクリーム・ローション、ダラシンTゲル・ローション、ゼビアックスローションなどがあり、通常はニキビの患部に部分的に使用します。
なお、抗菌成分以外の抗菌作用をもつ薬としてベピオゲルがありますがこちらもディフェリンゲルと併用されるケースがあります。

ディフェリンゲルの授乳中の使用

ディフェリンゲルは授乳中では使用するのを避けるのが望ましいとされ、使用する場合は授乳を避けるよう注意喚起されています。


授乳中の婦人には使用しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には授乳を避けさせること。[皮膚外用に用いたときのヒト母乳中への移行は不明である。動物実験において、経口又は静脈内投与(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]

ディフェリンゲル0.1% 添付文書


実際に授乳中にディフェリンゲルを使用するかは、処方医の先生の判断となります。ディフェリンゲルに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は授乳中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

ディフェリンゲルの妊娠中の使用

ディフェリンゲルは妊婦または妊娠している可能性のある婦人には禁忌とされており、妊娠中は使用することができません。


妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては使用しないこと。[妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。動物実験において、経皮投与(ラット、ウサギ)で奇形の発生は認められず、過剰肋骨の発生頻度増加が報告されている。経口投与(ラット、ウサギ)で催奇形作用が報告されている。]
妊娠した場合、あるいは妊娠が予想される場合には医師に知らせるよう指導すること。

ディフェリンゲル0.1% 添付文書


ディフェリンゲルが妊娠中の使用が禁忌となっている理由として、動物における生殖発生毒性試験などで一定のリスクが確認されているためです。
妊娠中もしくは妊娠している可能性がある場合は必ず医師や薬剤師に申し出るようにしましょう。

ディフェリンゲルの薬価、ジェネリック

ディフェリンゲルの薬価は2016年4月の改定時点(2016年4月〜2018年3月まで)で、1gあたり120.9円とされています。ベピオゲルの包装単位は1本あたり15gもしくは30gであり、単純計算で15g1本1813.5円、30g1本3627円となります。
なお、ディフェリンゲルは現時点でジェネリック医薬品は販売されていません。

ディフェリンゲルの市販や通販での購入

ディフェリンの成分は市販で購入することはできません。必ず医師の診察を受けた上で処方してもらうようにしましょう。
なお、その他のディフェリンゲルの購入方法として、通販などで個人輸入する方法があります。厚生労働省のサイトにおいても、一部の医薬品を除き、海外から個人輸入で医薬品を買うことは認められていることが記載されています。
ディフェリンゲルは個人輸入で購入することが可能な医薬品に該当しますが、この方法にはいくつかのリスクもあります。
リスクの一つとして、海外の医薬品であるため、品質が粗悪な可能性があります。極端な例ではディフェリンゲルの成分がそとんど含まれていないという可能性も否定できません。価格についても適正価格でない可能性があるというリスクがあります。
また、万が一重い副作用などが出てしまうケースの場合、本来は国から受けれられる救済が受けられいない可能性があるというリスクもあります。このように個人輸入でのディフェリンゲルの購入は選択肢として可能であるものの、いくつかのリスクが伴うことを理解しておきましょう。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
 

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