ロキソニン・ロキソプロフェンの副作用を解説|眠気、胃痛、むくみ、頭痛など

代表的な解熱鎮痛成分であるロキソプロフェン(代表製品:ロキソニン)について、胃痛、吐き気、眠気、むくみなどの代表的な副作用やまれに起こる重大な副作用、近年新たに注意喚起された腸閉塞の副作用、その他に報告されている副作用などについて添付文書等から解説していきます。

ロキソニンの特徴と副作用

ロキソニンは解熱鎮痛薬の代表的な薬であり、NSAIDsという解熱鎮痛薬のグループに属する薬です。腰痛や歯痛などをはじめとした様々な痛みや風邪などの発熱に対し使用されることがあります。

ロキソニンの成分はロキソプロフェンであり、ロキソニンSなどで市販薬としても販売されている薬です。

ロキソニンは効果が出るまでの時間が早く、作用も比較的強いため、非常によく使われる解熱鎮痛薬です。また、その成分が代謝されてから効果を発揮するプロドラッグという特徴から副作用も比較的抑えられていますが、中には副作用がでてしまうケースもあり、その副作用の代表が胃痛などの胃腸障害です。今回はロキソニンの副作用に焦点を当てて確認していきます。

ロキソニンで最も頻度が高い副作用は消化器症状

ロキソニンの代表的な副作用は、胃部不快感(胃痛など)、腹痛、悪心(吐き気)・嘔吐、食欲不振等の消化器症状とされており、その頻度は2.25%とされています。

それに続く頻度の副作用がむくみ(0.59%)、 発疹蕁麻疹等(0.21%)、眠気(0.10%)となっており、その他にも口内炎(0.06%)、副作用としての頭痛(0.03%)、めまい(0.01%)などの副作用の報告があります1)

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ロキソニンによる胃痛などの胃部不快感

ロキソニンによる胃痛などの胃部不快感は最も有名な副作用の一つであり、他の消化器症状と合わせた頻度は2.25%と比較的高い頻度なっています。

その原因は、プロスタグランジン合成酵素であるシクロオキシゲナーゼの抑制によるプロスタグンラジンの産生低下です。プロスタグランジンは胃粘膜防御において重要な役割を果たしており、ロキソニンはこのプロスタグランジンの合成を阻害してしまうことにより、胃粘膜防御機能が低下するために、胃痛などの症状が起こるとされています。

身近な対策として挙げられるのは、必ず食後に使用することや多めの水で服用することとされています。また、もともと胃が弱い自覚がある場合には、処方医の先生に相談することで、ムコスタやセルベックスなどの胃粘膜保護薬と一緒に使用することでこれらの副作用を軽減できると考えられています。

セルベックスに関してはその成分であるテプレノンを含んだ市販薬も販売されており、必要に応じて市販薬でも対策をすることができます。

ロキソニンによる吐き気

ロキソニンによる吐き気(嘔気を含む)は0.14%と報告されています。

ロキソニンにより吐き気が発生する理由の一つとして、胃や腸の粘膜障害による刺激が考えられます。前述の通り、ロキソニンは胃粘膜障害などを引き起こす可能性がある薬であり、この刺激により、末梢性の吐き気が起こるという可能性が考えられています。

ロキソニンによる吐き気が強い場合には、刺激が少ないと考えられるカロナールなどのアセトアミノフェン製剤や、処方薬であればCOX-2選択阻害薬と言われるセレコックスなどの解熱鎮痛薬に変えるなどの対処も可能です。

ロキソニンによるむくみ

ロキソニンによるむくみ浮腫の頻度は0.59%とされています。

ロキソニンによりむくみが起きる理由の一つとして、プロスタグランジン生合成の抑制による、腎血流量の低下によるものが考えられています。体の水分はナトリウムとともに腎臓から尿中に排出されますが、腎血流が低下するとナトリウムの再吸収が亢進され、ナトリウムの貯留が起き、またアルドステロン作用が増強して結果として尿管からの水の再吸収が増強し、水が尿として排出されなくなるため、むくみとして現れます。

むくみとともに尿量が少なくなることがありますが、尿がほとんど出ないレベルまで行くと危険を伴う可能性があるため、必ず医師に相談しましょう。

ロキソニンによる発疹

ロキソニンによる発疹蕁麻疹の頻度は0.21%とされています。

ロキソニンによる発疹は基本的にはアレルギー反応と考えられるケースが多いとされています。発疹は使用してすぐ発生するものが多いですが、数日経ってから起こる遅発性の発疹も中にはあるため、注意が必要です。なお、発疹などの過敏症系の副作用に関しては、原則は薬を中止します。継続して何らかの解熱鎮痛薬を使用したい場合は医師に相談するようにしましょう。

ロキソニンの成分であるロキソプロフェンに対するアレルギー反応であることがあるため、他の成分に変更することで対処できることがあります。

ロキソニンによる眠気

ロキソニンによる眠気の頻度は0.1%とされています。

ロキソニンは花粉症の薬のような、いわゆる眠くなる成分は含んでいないため、基本的には眠くなることは多くはありません。ではなぜロキソニンで眠くなるかという理由は、現時点では明確にされていないものの、プラスタグランジンD2の睡眠誘発作用、プロスタグランジンE2の覚醒誘発作用などが複雑に関与してる可能性が考えられています2)

ロキソニンはシクロオキシゲナーゼを阻害することによりプロスタグランジの合成に影響を与えるため、この作用により副次的に眠気を引き起こしている可能性があります。

ロキソニンによる眠気の副作用は、花粉症や酔い止め薬のような頻度ではないものの、念のため注意が必要な副作用といます。

2) Hayaishi O: J Biol Chem, 263(29): 14593-14596, 1988

ロキソニンによる口内炎

ロキソニンによる口内炎の頻度は0.06%とされています。

ロキソニンにより口内炎が起こる理由の一つとして、薬のアレルギー反応による固定薬疹の症状の一つである可能性が有ります。固定薬疹は皮膚の同じ場所に繰り返し紅斑が起き、この際口内炎が起こることがあります。

薬のアレルギーによる場合は成分を変更することで副作用がでなくなる可能性があるため、同じ症状を繰り返す場合は、薬を変更することを検討しましょう。

ロキソニンによる副作用としての頭痛

ロキソニンによる副作用としての頭痛の頻度は0.03%と報告されています。

ロキソニンは本来、解熱鎮痛薬であり、頭痛を含めた痛みに足してい効果がありますが、ロキソニンを使用することで逆に頭痛を引き起こすというケースも中にはあります。

この理由のひとつに薬物乱用頭痛が挙げられます。薬物乱用頭痛は、3ヶ月以上にわたり鎮痛薬を使用している場合に診断されることがあります。鎮痛薬を過度に使用することにより、痛みの中枢の感受性が亢進して、わずかな刺激を痛みとして感じやすくなっている状態です。対処法としては、原因薬の中止であり、1週間程度は反跳頭痛が続くことがありますが、この期間を乗り切ることが重要となります。

ロキソニンを慢性的に使用している場合は、この薬物乱用頭痛の可能性もあるため注意しましょう。

ロキソニンによるめまい・ふらつき

ロキソニンによるめまいの頻度は0.01%と報告されており、決して高い頻度ではありません。

ロキソニンによりめまいが起こる理由は様々な要因が考えられますが、その中でも注意が必要なものとして消化性潰瘍による二次的に引き起こされるめまいが挙げられます。

ロキソニンは前述の通り、胃痛など消化器症状の副作用が出ることがありますが、胃腸障害が悪化すると胃潰瘍を起こし、慢性的な出血が生じることがあります。

このような慢性的な出血が起きた状態では、貧血状態になり、その結果、めまいやふらつきが起こるケースがあります。

消化性潰瘍は吐血や、下血、黒色便などの症状がでるため、めまいの他にこのような症状がある場合には、消化性潰瘍による二次的なめまいの可能性が疑われます。

ロキソニンの重大な副作用

ロキソニンには頻度はごく稀と言えるものの、重大な副作用も報告されています。

重大な副作用とは、ごく稀であるが、起きてしまったら重大なことになる副作用と言えます。頻度が高く色々な人に起きる、というわけではありません。

ロキソニンの重大な副作用として、現在は13種類の副作用が注意喚起されています。近年では2016年3月に新たに腸閉塞の副作用が注意喚起されています。それぞれの副作用の概要と初期症状は下記の通りとなります。万が一初期症状に該当する症状が複数重なるような場合はすぐに医師の処置を受けるようにしましょう。

なお、重大な副作用の概要や<初期症状>は重篤副作用疾患別対応マニュアルや患者向医薬品ガイドからの出典となります。

ショック、アナフィラキシー様症状

医薬品の過敏反応であり、多くの場合は 30 分以内で、じんま疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、そして息苦しさなどの呼吸器症状を呈します。また、突然、蒼白、意
識の混濁などのショック症状があらわれることがあります。

<初期症状>
めまい、冷や汗、意識がうすれる、考えがまとまらない、血の気が引く、息切れ、判断力の低下、からだがだるい、ふらつき、意識の低下、ほてり、眼と口唇のまわりのはれ、しゃがれ声、息苦しい、動悸(どうき)、じんましん

無顆粒球症、溶血性貧血、白血球減少、血小板減少

無顆粒球症とは、血液中の白血球のうち、体内に入った細菌を殺す重要な働きをする好中球(顆粒球)が著しく減ってしまい、細菌に対する抵抗力が弱くなった状態のことです。

血小板減少は、血液中の血小板が少なくなった状態です。血小板の正常値は 15~35 万/mm3 で、通通常 10 万/mm3 以下を血小板減少症としています。血小板数が 5 万/mm3 以下になると、ちょっとした打ち身などであおあざが出来て、それが拡大しやすくなったり、歯磨き時に出血したり、生理出血が止まりにくくなって出血量が増えたりする傾向があります。

白血球減少は、その名の通り白血球が減少した状態であり、血液1mm3あたり3000個以下になった状態を、白血球減少症といいます。

溶血性貧血とは、赤血球が破壊されることによっておこり、血液中の赤血球数やヘモグロビンの濃度が減少し、体内の酸素が少なくなる状態のことです。

<初期症状>
発熱、のどの痛み、からだがだるい、ふらつき、疲れやすい、立ちくらみ、めまい、頭が重い、白目が黄色くなる、動く時の動悸や息切れ、皮膚が黄色くなる、褐色尿、鼻血、歯ぐきの出血、あおあざができる、皮下出血、出血が止まりにくい

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)

中毒性表皮壊死融解症は、全身が広範囲にわたり赤くなり、全身の10%以上にやけどのような水ぶくれ、皮ふのはがれ、ただれなどが認められ、高熱(38℃以上)、皮ふや口にできるぶつぶつ、目が赤くなるなどの症状を伴う重症の皮膚障害です。

<初期症状>
からだがだるい、関節の痛み、全身の赤い斑点と破れやすい水ぶくれ(水疱)、発熱、食欲不振、高熱、まぶたや眼の充血、結膜のただれ、ひどい口内炎、唇や口内のただれ、赤い発疹、中央にむくみをともなった赤い斑点、陰部の痛み

急性腎不全、ネフローゼ症候群、間質性腎炎

急性腎不全になると、老廃物が血液中にたまり高窒素血症という状態になり、重い場合、人工透析をしないといけない状態になります。

ネフローゼ症候群とは、色々な原因で腎臓の糸球体という血液をろ過する器官より血液中の蛋白が多量に漏出し、血液中の蛋白が減少した状態をいいます。

間質性腎炎は、腎臓の尿細管やその周囲の組織(間質)に炎症を起こす病気です。症状が重くなると、透析療法が必要となることがあります。

<初期症状>
からだがだるい、からだのむくみ、疲れやすい、意識の低下、頭痛、眼がはれぼったい、息苦しい、尿がでない、尿量が減る、全身の著明なむくみ、関節の痛み、発熱、頭痛、膨れあがる感じ、血尿

うっ血性心不全

うっ血性心不全は、心臓が全身に血液を十分送り出すことができなり、肺にうっ血が生じ、息苦しさ、むくみ、疲れやすさなどさまざまな症状が出現する状態です。急激な体重増加、脈拍の増加、尿量の減少などもあります。

<初期症状>
からだがだるい、全身のむくみ、吐き気、息苦しい、動く時の息切れ

間質性肺炎

間質性肺炎は、肺胞の壁や周辺に炎症が起こり、この病態になると血液に酸素が取り込めず動脈血液中の酸素が減少した状態(低酸素血症)となり呼吸が苦しくなります。

<初期症状>
発熱、から咳、息苦しい、息切れ

消化管出血

消化管出血は消化性潰瘍の症状である出血が起きている状態です。消化性潰瘍は胃や十二指腸の粘膜があれることをいいます。消化性潰瘍の一番大きな原因はピロリ菌という菌が胃の中に感染していることですが、その次に多い原因が医薬品、特に解熱消炎鎮痛薬の服用です。

<初期症状>
血を吐く、吐き気、嘔吐(おうと)、腹痛、血が混ざった便、黒色便

消化管穿孔

消化性潰瘍の悪化により、潰瘍が深い場合は胃が破れる(穿孔:穴があく)状態です。この場合は強い腹痛が続きます。

<初期症状>
吐き気、嘔吐、激しい腹痛

小腸・大腸の狭窄・閉塞

2016年3月に新たに注意喚起されるに至った重大な副作用です。

腸閉塞はイレウスとも言われ、腸管の動きが鈍くなり、排便が困難になることにより起こる病気であり、医薬品により引き起こされる場合もあります。

ロキソニンでは、この腸閉塞に関連する症例が数例集積されたために、添付文書に新たな重大な副作用として追記されました。他の重大な副作用と同様、頻度は非常に稀であると考えられますが、近年で最も使用される薬のひとつであるロキソニンに追記された副作用であるため、非常に大きなニュースになったという経緯があります。

<初期症状>
吐き気、嘔吐、腹痛、腹部膨満

肝機能障害、黄疸

肝臓は、生命維持に必要なさまざまな働きをする大切な臓器です。薬の代謝(化学変化)は肝臓で行なわれることが多く、さまざまな代謝産物が肝臓に出現するため、副作用として肝機能障害が多いと考えられています。

<初期症状>
からだがだるい、白目が黄色くなる、吐き気、嘔吐、食欲不振、かゆみ、皮膚が黄色くなる、尿が濃くなる、尿が褐色になる

喘息発作

アスピリンに代表される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)あるいは解熱鎮痛薬によって、発作が引き起こされる喘息です。アスピリン喘息とも呼ばれます。しかし、アスピリンだけでなく、ピリン系、非ピリン系に関わらずほとんどの解熱鎮痛薬が原因となります。軽症例で半日程度、重症例で 24 時間以上続くこともありますが、合併症を起こさない限り、原因となった医薬品が体内から消失すれば症状はなくなります。

<初期症状>
息をするときヒューヒューと音がする、息苦しい、息切れ

無菌性髄膜炎

無菌性髄膜炎は髄膜炎のうち髄液培養で細菌・真菌が検出されないものをいい、その
ほとんどがウイルス性と考えられていまが、まれに医薬品による刺激によっても無菌性髄膜炎が生じることがあるので注意が必要です。発症すると、発熱・頭痛・嘔吐がみられ、うなじが硬くなって首が前に曲げにくくなる、意識が薄れるなどの症状が多くの場合にみられます。

<初期症状>
発熱、頭痛、嘔吐

横紋筋融解症

横紋筋融解症は、骨格筋の細胞が融解、壊死することにより、筋肉の痛みや脱力などを生じる病態をいいます。

<初期症状>
脱力感、手のしびれ、手足のこわばり、足のしび れ、筋肉の痛み、赤褐色尿

ロキソニンのその他の副作用

ロキソニンの重篤でないその他の副作用についても確認していきましょう。

ロキソニンのその他の副作用として検査値異常なども報告されています。カテゴリー毎に確認していきましょう。

過敏症

ロキソニンを使用した時のアレルギー症状です。これらの副作用が出た場合は、基本的には薬の使用を中止し、医師の適切な処置を受けるようにしましょう。

<0.1〜1%未満>
発疹

<0.05〜0.1%未満>
そう痒感

<0.05%未満>
蕁麻疹

<頻度不明>
発熱

消化器

ロキソニンの副作用で最も副作用の注意が必要な部位と言えます。特に長期で使用している場合には注意しましょう。

<0.1〜1%未満>
腹痛、胃部不快感、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢

<0.05〜0.1%未満>
消化性潰瘍、便秘、胸やけ、口内炎

<0.05%未満>
消化不良

<頻度不明>
口渇、腹部膨満、小腸・大腸の潰瘍

循環器

頻度は低いものの、動悸や血圧の異常が報告されています。

<0.05%未満>
動悸

<頻度不明>
血圧上昇

精神神経系

薬の副作用の定番である眠気や頭痛、めまいなどに注意が必要です。

<0.1〜1%未満>
眠気

<0.05%未満>
頭痛

<頻度不明>
しびれ、めまい

血液

貧血や血液の検査値に注意が必要です。

<0.05%未満>
貧血、 白血球減少、 好酸球増多

<頻度不明>
血小板減少

肝臓

検査値異常に注意が必要となります。

<0.1〜1%未満>
AST(GOT)上昇、 ALT(GPT)上昇

<0.05%未満>
ALP上昇

泌尿器

いずれも頻度は不明ながらも泌尿器系の副作用も報告があります。

<頻度不明>
血尿、蛋白尿、排尿困難

その他

その他、いわゆるむくみである浮腫などに注意が必要です。

<0.1〜1%未満>
浮腫

<0.05%未満>
顔面熱感

<頻度不明>
胸痛、 倦怠感

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。

今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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