ロルカムの4mg、2mgについて歯痛や腰痛などに対する効果や効果の強さ、頭痛への効果の有無、眠気などの副作用、何錠使うか、薬価やジェネリックなどに関して添付文書などから解説していきます。
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ロルカムの歯痛や腰痛などへの効果の強さ|頭痛への効果は?
ロルカムはロルノキシカムを成分とするNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)です。
関節リウマチやひざ関節症などの変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群(肩こり)、肩関節周囲炎(五十肩)の痛みや、手術後、外傷後及び抜歯後の消炎・鎮痛目的で使用されます。
ロルカムの効能効果の詳細は以下の通りです。
○下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎
○手術後、外傷後及び抜歯後の消炎・鎮痛ロルカム錠2mg/ ロルカム錠4mg 添付文書
ロルカムの効果の強さを確認している調査として、実際の患者さんに対する臨床試験の結果が公表されています。その結果では腰痛や肩こりなどの痛みに対しては55〜76%程度の改善率、手術後、外傷後、抜歯後の歯痛などの痛みに対しては80〜90%程度の改善率が確認されています1)。
疾患名 | 改善率(%) |
関節リウマチ | 26.0 |
変形性関節症 | 76.9 |
腰痛症 | 70.2 |
頸肩腕症候群 | 58.0 |
肩関節周囲炎 | 55.6 |
手術後疼痛 | 90.3 |
外傷後疼痛 | 80.0 |
抜歯後疼痛 | 81.4 |
なお、ロルカムは効能効果として頭痛の記載ありません。ただし、ロルカムの作用機序から実際には効果があると考えられます。ロルカムの作用機序はシクロオキシゲナーゼをという酵素を阻害し、痛みの原因となるプロスタグランジンという物質の生合成を阻害することです。頭痛に関してもこのプロスタグランジンが原因との一つとされており、ロルカムによってプロスタグランジンの生合成が阻害されるため、効果を発揮するものと考えられます。
ロルカムと時間|効果が出るまでの時間と効果の持続時間
ロルカムの効果がでるまでの時間は比較的早く、30分前後で効果が実感できると考えられます。ロルカムの薬物動態は血中での濃度がもっとも高くなる時間が服用して約0.5時間後とされており1)、血中での濃度が高い時間が効果も高いと考えると、飲んで30分にはかなりの効果が実感できると考えられます。
また、臨床試験において効果が出るまでの時間(効果発現時間)と、効果が持続する時間(効果持続時間)が確認されています2)。
効果発現時間に関しては、手術後疼痛においては15分以内が12.1%、30分以内が34.5%、45分以内が56.9%、1時間以内が89.7%という結果であり、外傷後疼痛においては15分以内が7.3%、30分以内が23.6%、45分以内が34.5%、1時間以内が69.1%という結果でした。
効果持続時間は、手術後疼痛において30分までが96.6%、45分までが94.8%、60分(1時間)までが94.8%、120分(2時間)までが89.7%、180分(3時間)までが81.0%、300分(5時間)までが60.3%、300分(5時間)以上が34.5%という結果であり、外傷後疼痛において30分までが85.5%、45分までが85.5%、60分(1時間)までが85.5%、120分(2時間)までが76.4%、180分(3時間)までが69.1%、300分(5時間)までが47.3%、300分(5時間)以上が30.9%という結果でした。
これらの結果から持続時間に関しては3時間〜5時間以上は持続するのが一般的と言えそうです。
1) ロルカム錠2mg/ ロルカム錠4mg 添付文書
2) 杉岡洋一 ほか:炎症, 17(3),297,1997
ロルカムの種類と使う錠数|4mgは何錠使う?
ロルカムには成分を4mg含んだロルカム錠4mgと2mg含んだロルカム錠2mgがあります。リウマチやひざ関節症、腰痛、肩こりなどの痛みに使用する場合は1回4mgを1日3回使用するとされており、4mg錠なら1回1錠、2mg錠なら1回2錠となります。手術後の痛みや抜歯後の歯痛に対しては1回8mgを使用し、1日3回まで使用できます。4mg錠なら1回2錠の使用となります。
このようにロルカムは痛みの種類によっても何錠使用するかも異なってくるため、医師からの指示をしっかり確認し、使用するようにしましょう。
用法用量の詳細は以下の通りです。
○下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎
通常、成人にはロルノキシカムとして1回4mgを1日3回食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日18mgを限度とする。
○手術後、外傷後及び抜歯後の消炎・鎮痛
通常、成人にはロルノキシカムとして1回8mgを頓用する。ただし、1回量は8mgまで、1日量は24mgまで、投与期間は3日までを限度とする。また、空腹時の投与は避けることが望ましい。ロルカム錠2mg/ ロルカム錠4mg 添付文書
ロルカムの副作用|眠気の有無は?
ロルカムの主な副作用は腹部不快感や腹痛などお腹周りの副作用が頻度が高いとされており、その他ではNSAIDs全般の副作用として知られている胃炎や、浮腫(むくみ)などがあります。
薬の副作用として定番の眠気に関しては、0.1%未満の頻度とされており1)、ほとんど出ないと考えられます。
ロルカムの成分自体はいわゆる「眠くなる成分」には該当せず、基本的には眠気の配はしなくて大丈夫と言えるでしょう。
他にも頻度は高くないものの、頭痛、めまい、吐き気、下痢などの副作用も報告されているため、副作用の症状がひどいとにきは処方医に相談し、場合によっては別の薬に変えてもらうなどの対処をしてもらいましょう。
ロルカムとロキソニンの違いと併用
ロルカムとロキソニンは同じNSAIDsであり、違いが少ない似た特徴を持った薬です。
ロルカムは臨床試験にてロキソニンと違いを比較されています2)。
その臨床試験の結果は、効果の強さ、効果が出るまでの時間や持続時間、副作用の出やすさなどに関して、ロルカムとロキソニンとで差がないという内容でした。
この結果から、ロルカムはロキソニンと同じような特徴をもち、同じような使い方ができる薬と言えそうです。
ただし、ロルカムはロキソニンと異なり、急性上気道炎(風邪など)の解熱・鎮痛に対する効能効果を持っていません。
この点がロルカムとロキソニンの違いの一つと言えます。
薬価に関してはロルカムの方が若干高いと言えます。
ロルカムの薬価は2018年4月の改定時点で、よく使われる4mgにおいて1錠あたり19.5円、ロキソニンは14.5円です。
また、その他の違いとして、ロルカムは錠剤のみであるのに対し、ロキソニンは錠剤のほか、細粒剤や、テープ剤、パップ剤、ゲル剤などの外用剤もあります。
2) 杉岡洋一 ほか:炎症, 17(3),297,1997
ロルカムの薬価とジェネリック医薬品
ロルカムの薬価は2018年4月改定の時点でロルカム錠2mgが1錠14.1円、ロルカム錠4mgが19.5円となっています。
なお、残念ながらロルカムのジェネリック医薬品は販売されていません。決して薬価が高い薬ではありませんが、医師から処方してもらう際は必要最低限の日数にしてもらうのが経済的と言えるでしょう。また、今後ジェネリック医薬品が発売されることを期待しましょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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