ブスコパンの腹痛、胃痛、下痢への使用や授乳の影響、市販のブスコパンについても

ブスコパンについて、下痢や腹痛、胃痛、生理痛などに対する効果や、禁忌のケース、副作用の種類や頻度、授乳中の使用、ブスコパンの市販薬との効き目の違いや値段について、添付文書などから解説します。

ブスコパンの効果|下痢、腹痛、胃痛、生理痛など

ブスコパンはブチルスコポラミンを成分として含み、胃潰瘍や胃炎、胃痛などの症状や、腹痛、膀胱炎、生理痛などの痛みの他、一部の下痢や膀胱炎などに対しても効果のある薬です。

ロキソニンなどの一般的な解熱鎮痛薬とは違った効き方をする鎮痙薬に分類される薬です。

ブスコパンの効能効果の詳細は以下の通りです。

下記疾患における痙攣並びに運動機能亢進

胃・十二指腸潰瘍、食道痙攣、幽門痙攣、胃炎、腸炎、腸疝痛、痙攣性便秘、機能性下痢、胆のう・胆管炎、胆石症、胆道ジスキネジー、胆のう切除後の後遺症、尿路結石症、膀胱炎、月経困難症

ブスコパン錠10mg 添付文書

腹痛や腸疝痛に効くのは副交感神経の抑制による鎮痙作用

ブスコパンが腹痛や腸疝痛に効果があるのは、アセチルコリンという物質による副交感神経の活動を抑制するためです。

アセチルコリンにより副交感神経は腸管の活動を活発にしますが、腹痛が生じている状態とは腸管の運動が活発になりすぎていたり、痙攣している状態です。ブスコパンは抗コリン作用によりアセチルコリンの作用を抑制し、副交感神経を抑えます。

ブスコパンは上記のような効果によって腹痛や腸疝痛に効果を示します。

ブスコパンは胃痛に対しては胃液分泌抑制作用によって効果を示す

ブスコパンは胃潰瘍、胃炎などによる胃痛に対しても効果を発揮しますが、その作用は胃液分泌抑制によるものと考えられます。

胃潰瘍や胃炎は、胃酸の過剰分泌によるものが原因の一つとされており、ブスコパンはこれらを抑える作用も確認されています。

ブスコパンは生理痛に対しても効果を発揮

ブスコパンの鎮痙作用は子宮に対しても効果があり、月経困難症(生理痛)に対しても高い効果を発揮するケースがあります。

人によってはロキソニンなどのNSAIDsと言われる一般的な解熱鎮痛薬よりも効果的と感じることもあるため、NSAIDsで効果を感じない場合にはブスコパンを試してみるのも良いでしょう。

ブスコパンは機能性の下痢には効果あり|下痢の種類によっては注意

ブスコパンは一部の下痢(機能性下痢)に対しても効果があります。

機能性下痢とは他の腸疾患でない場合で腹痛のない下痢のことであり、比較的慢性的に下痢が続く疾患です。このような下痢に対してはブスコパンで効果があるとされています。

一方、細菌感染による下痢に対しては注意が必要です。細菌性下痢に対しては原則使用してはいけません。これはブスコパンによって腸の運動が抑えられることにより、細菌が腸の中に留まる時間が長くなる可能性などのためです。

下痢に使用する場合はブスコパンに適している下痢なのかを見極めてから使用する必要があります。

ブスコパンの膀胱炎に対する効果は泌尿器の鎮痙作用

ブスコパンは膀胱炎にも効果がありますが、その効果は泌尿器の痙攣を和らげる作用や膀胱内圧の上昇を抑制する作用によるものです。

ブスコパンの効果は80%程度|効き目の強さ

ブスコパンのそれぞれの疾患に対する効果の程度は複数の臨床試験によって確認されており、その効果をまとめると、全体的な有効率は80%程度という結果になります1)

ブスコパンを使うと8割程度の確率で効果を期待できると考えられるという解釈ができ、比較的強い効き目を期待できるでしょう。

投与対象 有効率(%)
胃腸管の痙攣並びに運動機能亢進 78.6
胆管の痙攣並びに運動機能障害 73.8
尿路の痙攣 100
女性性器の痙攣性状態 81.3
合計 78.6

1) ブスコパン錠10mg インタビューフォーム

ブスコパンの注意や副作用|禁忌のケース

ブスコパンの注意点や副作用についても確認していきましょう。

ブスコパンを使用していけないケース(禁忌)

ブスコパンは使用してはいけないケース(禁忌)がいくつかあります。

主な禁忌はO157などの出血性大腸炎の場合や緑内障などの場合です。これらの場合は、現在の疾患をさらに悪化させる場合があるため、絶対に使用するのはやめましょう。

また、細菌性の下痢の場合も原則禁忌という注意喚起がされており、この場合もよほどの理由がない限りは使用しないことになりますので、ご注意ください。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

1. 出血性大腸炎の患者
[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]
2. 緑内障の患者
[眼内圧を高め、症状を悪化させることがある。]
3. 前立腺肥大による排尿障害のある患者
[更に尿を出にくくすることがある。]
4. 重篤な心疾患のある患者
[心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]
5. 麻痺性イレウスの患者
[消化管運動を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
6. 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者

原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)

細菌性下痢患者
[治療期間の延長をきたすおそれがある。]

ブスコパン錠10mg 添付文書

ブスコパンは口の渇きや便秘、頭痛などの副作用に注意|眠気や吐き気はほとんどなし

ブスコパンは非常に高い作用が期待されるのと同時に副作用にも注意が必要な薬です。副作用の頻度は全体の20%程度2)とされており、注意が必要です。

頻度が高い副作用は口渇(口の渇き)や便秘眼の調節障害などがあり、これらはブスコパンを含めた抗コリン作用がある薬に比較的共通した副作用と言えます。

また、頭痛排尿障害なども抗コリン薬で注意が必要な副作用です。

頻度は低いものの眼圧上昇による緑内障の副作用にも注意が必要です。一見関係なさそうですが、ブスコパンを一定期間使用しているような場合は眼の違和感にも注意をしましょう。

一般に薬の副作用として心配される眠気吐き気は、ブスコパンの副作用としては注意喚起されていません。眠気、吐き気の副作用はあまり心配しなくても問題ないでしょう。ただし、吐き気に関しては、非常に稀であるものの、他の症状と同時に出ている場合、重大な副作用のアナフィラキシーショックである可能性も否定できません。吐き気と共に呼吸困難、悪寒、血圧低下、むくみなどの症状が出た場合はすぐに医師の診察を受けましょう。

ブスコパンには注射もありますが、注射のブスコパンの場合、上記の副作用に加えて、顔面紅潮(顔の赤み)やめまいなどがあります。

2) ブスコパン錠10mg 添付文書

ブスコパンの授乳中の使用

ブスコパンは授乳中でも使用出来る薬です。

製薬会社が作成している添付文書でも授乳中の特別な注意喚起はされておらず、授乳中でも特別な措置は必要ないと考えられます。

ただし、長期的に使用するのは念のため避けるようにしましょう。また、ブスコパンを処方してもらう時には医師や薬剤師には必ず授乳中であることを伝えておきましょう。

ブスコパンの市販|効き目の違いや値段など

ブスコパンは市販でも買える薬です。

代表的な市販薬は同じ商品名のブスコパンA錠です。こちらは1錠あたりに含む有効成分のブチルスコポラミンの量も処方薬のブスコパンと全く同じ量になります。その他にもブスコパンMカプセルなどがあり、こちらはブチルスコポラミンの他に、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムという成分が含まれており、胃酸を中和し胃痛に効果が期待できるため、胃痛の症状が強い場合におすすめの市販薬となります。

ただし、市販のブスコパンでは使用出来る疾患が処方薬と異なります。市販のブスコパンの効能効果は「胃痛、腹痛、さしこみ(疝痛、癪)、胃酸過多、胸やけ」となっており、膀胱炎や機能性下痢に対する適応はありません。もちろん処方薬と同じ成分が入っているので、実際には効果がある可能性はありますが、これらの疾患は医師の適切な診断の上で薬が使われるものであるため、自己判断で市販薬のみで対処するのは避けるようにしましょう。

また、使用出来る量も市販のブスコパンと処方薬とでは異なります。処方薬のブスコパンは1回で最大2錠使用し、1日で使用出来る回数も最大で5回までとなっていますが、市販のブスコパンは1回1錠を1日3回までとなります。医師の診断を受けずに市販薬を処方薬と同じ量を使うのは副作用などの危険性が高まるため、必ず市販薬の用法用量を守りましょう。

ブスコパンの市販薬の値段は以下の通りとなっています。

・ブスコパンA錠:20錠 税込1,296円(税抜1,200円)
・ブスコパンMカプセル:20カプセル 税込1,458円(税抜1,350円)

主なブスコパンシリーズのまとめ

ブスコパン
錠10mg
ブスコパン
A錠
ブスコパン
Mカプセル
区分 処方薬 市販薬 市販薬
効能効果 下記疾患における痙攣並びに運動機能亢進
胃・十二指腸潰瘍、食道痙攣、幽門痙攣、胃炎、腸炎、腸疝痛、痙攣性便秘、機能性下痢、胆のう・胆管炎、胆石症、胆道ジスキネジー、胆のう切除後の後遺症、尿路結石症、膀胱炎、月経困難症
胃痛、腹痛、さしこみ(疝痛、癪)、胃酸過多、胸やけ 胃痛、腹痛、さしこみ(疝痛、癪)、胃酸過多、胸やけ
用法用量 1回1〜2錠
1日3〜5回
1回1錠、1日3回まで 1回1cap、
1日3回まで

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。

今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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