ソランタールの効果や副作用|授乳・妊娠中の使用やカロナール・ロキソニンなどとの違いも

ソランタールの特徴、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、授乳・妊娠中の使用、薬価、ジェネリックなどについて添付文書等から解説していきます。

ソランタールの特徴

ソランタールはチアラミドを成分とし、解熱鎮痛作用をもつNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の一つに分類される薬です。

ソランタールにはソランタール錠100とソランタール錠50があり、それぞれチアラミドを100mg、50mg含む錠剤です1)

ソランタールの特徴として、非ステロイド・非ピリン系の塩基性鎮痛・抗炎症剤であり、急性炎症性・疼痛性疾患に対しての有効性が認められています。また、その作用はロキソニンなどのNSAIDsとは異なり、シクロオキシゲナーゼの阻害ではなく、炎症部位で起炎因子のヒスタミン、セロトニンと強く拮抗し、急性炎症を特異的に抑制する、とされています2)

1) ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg 添付文書
2) ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg インタビューフォーム

ソランタールの効果

ソランタールは様々な疾患に対して炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。

代表的な効能効果として、腰痛や肩こり(頸肩腕症候群)、抜歯後の痛み、風邪などによる痛み(頭痛や喉の痛みなど)などがあります。

ソランタールの効能効果の詳細は以下の通りです。

1.各科領域の手術後並びに外傷後の鎮痛・消炎

2.下記疾患の鎮痛・消炎
関節炎、腰痛症、頸肩腕症候群、骨盤内炎症、軟産道損傷、乳房うっ積、帯状疱疹、多形滲出性紅斑、膀胱炎、副睾丸炎、前眼部炎症、智歯周囲炎

3.抜歯後の鎮痛・消炎

4.下記疾患の鎮痛
急性上気道炎

ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg 添付文書

ソランタールの作用機序

ソランタールの作用機序は、炎症部位で起炎因子のヒスタミン、セロトニンと強く拮抗し、急性炎症を特異的に抑制することで抗炎症・鎮痛作用がもたらされます2)

このような作用機序はロキソニンなどの一般的なNSAIDsのシクロオキシゲナーゼ阻害によるものとは異なり、その作用機序からソランタールは胃腸障害などの副作用も少ないことが考えられます。

2)  ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg インタビューフォーム

ソランタールは解熱作用はあまりない

ソランタールは抗炎症、鎮痛の作用が確認されていますが、その作用機序から解熱作用についてはあまりないと考えられます。

NSAIDsによる解熱作用は、シクロオキシゲナーゼの阻害によるプロスタグランジンの生合成阻害によるものですが、ソランタールはこのシクロオキシゲナーゼの阻害作用はあまりないと考えられており、解熱作用はあまり期待できず、効能効果にも解熱については記載されていません1)

解熱目的で薬を使用する場合はソランタールはあまり向いていないと言えるでしょう。

1) ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg 添付文書

ソランタールの効果時間

ソランタールの効果発現時間や、効果持続時間の参考になるデータとして、ラットに対する動物実験の結果があります。

ソランタールの成分であるチアラミド塩酸塩は、起炎物質(カラゲニン、セロトニン、卵白アルブミン等)で惹起されるラット急性足浮腫に対して、1時間前投与で、起炎物質投与後1~5時間まで抑制作用を示した、という結果が得られています2)

上記の結果から考えると、ソランタールは1時間程度で効果が現れ、5時間程度持続することが想定されます。

2)  ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg インタビューフォーム

ソランタールの効果は56.3〜93.8%の有効率

ソランタールの効果は実際の人に対する臨床試験によって有効率が確認されています。

代表的な疾患に対する有効率は、手術後の疼痛・炎症に対して84.6%の有効率、腰痛症に対して67.5%の有効率、肩こり(頸肩腕症候群)に対して59.3%の有効率、上気道炎症(風邪など)に対して75.8%の有効率、膀胱炎に対して86.7%の有効率、抜歯後の疼痛・炎症に対して69.6%の有効率などが挙げられます1)

対象疾患名 例数 有効率
(%)
手術後の疼痛・炎症 176/208 84.6
外傷後の疼痛・炎症 36/49 73.5
関節炎 27/48 56.3
腰痛症 52/77 67.5
頸肩腕症候群 54/91 59.3
上気道炎症 116/153 75.8
骨盤内炎症 35/56 62.5
軟産道損傷 65/95 68.4
乳房うっ積 13/21 61.9
帯状疱疹 61/65 93.8
多形滲出性紅斑 22/30 73.3
膀胱炎 39/45 86.7
副睾丸炎 27/32 84.4
前眼部炎症 43/54 79.6
智歯周囲炎 61/78 78.2
抜歯後の疼痛・炎症 16/23 69.6

1) ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg 添付文書

ソランタールの使い方

ソランタールは100mg錠を1回1錠、1日2〜3回使用するのが一般的です。

ソランタールの用法用量の詳細は以下の通りです。

1.各科領域の手術後並びに外傷後の鎮痛・消炎

2.下記疾患の鎮痛・消炎
関節炎、腰痛症、頸肩腕症候群、骨盤内炎症、軟産道損傷、乳房うっ積、帯状疱疹、多形滲出性紅斑、膀胱炎、副睾丸炎、前眼部炎症、智歯周囲炎

3.抜歯後の鎮痛・消炎

通常、成人にはチアラミド塩酸塩として、1回110.2mg(チアラミドとして100mg)を1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

4.下記疾患の鎮痛
急性上気道炎

通常、成人にはチアラミド塩酸塩として、1回110.2mg(チアラミドとして100mg)を頓用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大330.6mg(チアラミドとして300mg)を限度とする。

ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg 添付文書

ソランタールの副作用

ソランタールの主な副作用は食欲不振、胸やけ、悪心等の消化器症状と、発疹、頭痛、浮腫などとされています1)

ソランタールは前述の通り、シクロオキシゲナーゼ(COX)に対する作用はあまりなく、COX-1阻害によって起こされる胃荒れなどの胃腸障害は少ないことが予想されます。

1) ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg 添付文書

ソランタールの飲み合わせ

ソランタールは飲み合わせに注意が必要な薬や併用できない薬(併用禁忌)はありません1)

基本的にどのような薬とも飲み合わせは問題ないと言えるでしょう。

ただし、ソランタールは鎮痛剤であるため、他の解熱鎮痛剤と併用することはあまり望ましくありません。代表的な解熱鎮痛剤としてカロナールやロキソニンがありますが、作用が一部重複するため、医師からの特別な指示があるようなケースを除き、これらの薬とは基本的には併用しないほうが良い言えるでしょう。

なお、ソランタールの添付文書では、重要な基本的注意として、他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましいとされています。

重要な基本的注意

(5) 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。

ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg 添付文書

1) ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg 添付文書

ソランタールの授乳、妊娠中の使用

ソランタールは授乳中、妊娠中の使用についてそれぞれ注意喚起されています。

ソランタールの授乳への影響

ソランタールの授乳中の使用は、製薬会社からは避けることが望ましいとされており、授乳中に使用する場合は授乳を注意するよう注意喚起されています。

授乳婦:授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[母乳中へ移行することが報告されている。]

ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg 添付文書

その理由として、ソランタールの成分は母乳中に移行することが確認されています。

授乳婦にチアラミド200mgを経口投与したときの乳汁中濃度は、投与1時間後に最高値(0.64μ g/mL)を示し、以後速やかに消失した。

ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg 添付文書

ただし、専門家による見解では、ソランタールは授乳をしている場合でも使用できるという内容もあり、愛知県薬剤師会が作成している「妊娠・授乳と薬」対応基本手引きでは、母乳中に移行する量は少ないため、使用できるという見解です3)

母乳中への移行は少ないので使用できる。授乳による乳児への有害事象の報告が見あたらない

「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)

実際に授乳中にソランタールを使用するかは、処方医の先生の判断となります。ソランタールに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は授乳中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

3) 愛知県薬剤師会 「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)(2012)

ソランタールの妊娠中の使用

ソランタールの妊娠中の使用に関しては、治療の有益性が危険性を上回る場合のみ使用と注意喚起さており、医師の判断によっては使用できるケースがあります1)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg 添付文書

ただし、上記の理由は妊娠中に使用した経験が多くないためであり、明らかな危険性が確認されているというものでありません。動物実験における胎盤関門の通過性や生殖発生毒性を確認した結果では、胎児に対する影響はあまり大きくないことが想定される内容となっています。

分布

(2) 血液-胎盤関門通過性
該当資料なし

<参考> 胎盤通過性(ラット)
妊娠 18 日目の雌性ラットに 14C 標識チアラミドを静脈内投与すると、放射能は胎盤を通過し、胎児にも放射能の分布がみられたが、投与 6 時間後には放射能の分布はみられなかった。

毒性試験

(3) 生殖発生毒性試験

ICR 系マウスに 50~250mg/kg、SD 系ラットに 250~1,000mg/kg、New Zealand White 系ウサギに 64~250mg/kg を胎児の器官形成期に経口投与した試験では、催奇形作用、胎児毒性は認められなかった。

ソランタール錠50mg/ ソランタール錠100mg インタビューフォーム

実際に妊娠中にソランタールを使用するかについても、授乳中と同様、処方医の先生の判断となります。ソランタールに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は妊娠中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

ソランタールの薬価、ジェネリック

ソランタールの2016年4月改定(2018年3月まで)の薬価は、ソランタール錠100mgが1錠あたり12.1円、ソランタール錠50mgが1錠あたり9.6円となっています。

なお、ソランタールにはジェネリック医薬品はありません。

ソランタールの市販での販売

ソランタールの成分であるチアラミドは市販薬の成分としては販売されておらず、市販では購入できません。

痛み止めを市販で購入したい場合はロキソニンの成分であるロキソプロフェン、それに近い成分であるイブプロフェン、カロナールの成分であるアセトアミノフェンなどを含んだ市販薬が一般的となります。

ソランタールとカロナール・ロキソニンの違いや併用は

ソランタールと同系統の薬として、カロナールやロキソニンなどが代表的な解熱鎮痛薬として挙げられます。

ソランタールとカロナールは得意な症状が違います。ソランタールは炎症を抑え痛みを和らげますが、カロナールは抗炎症作用はほとんどなく、痛みの閾値を上げることによって鎮痛作用をもたらすとされています。また、ソランタールには解熱作用はあまりありませんが、カロナールは熱中枢に作用して解熱作用をもたらすとされており、解熱薬としてもよく使われる薬です。したがって、ソランタールは痛み止めとして、カロナールは解熱薬としての役割が大きいと言えます。

ソランタールとロキソニンは同じNSAIDsですが、作用機序に違いがあり、ロキソニンの方が解熱作用もあり、鎮痛作用も強いと考えられます。ただし、胃腸障害などの副作用はソランタールの方が少ないと考えられ、ソランタールの方が安全に使用できる可能性がある薬と言えるかもしれません。実際の効果は人によっても感じ方が異なるため、ソランタールの方がより効果を実感できるというケースも考えられ、自分にあっている方の薬を使うのが良いと言えるでしょう。

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。

今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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