ラシックスの効果や作用機序、薬局での市販や通販での入手可否|薬価やジェネリック、効かない場合の対処法など

ラシックス錠の効果や作用のメカニズム(作用機序)、通販や薬局での市販の有無、薬価、ジェネリック、半減期、効かない場合の対処法などを添付文書等から解説していきます。

ラシックスの効果と作用

ラシックスはフロセミドの成分を含む利尿薬です。利尿薬の中でも比較的利尿作用が強いループ利尿薬に分類され、いわゆる「むくみ」と言われる浮腫に使用されます。また、利尿作用による降圧作用から高血圧症に対しても使用される薬です。

ラシックスの効能効果の詳細は以下の通りです。

高血圧症(本態性、腎性等)、悪性高血圧、心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫、月経前緊張症、末梢血管障害による浮腫、尿路結石排出促進

ラシックス錠10mg/ラシックス錠20mg/
ラシックス錠40mg/ラシックス細粒4% 添付文書

ラシックスの作用機序はヘンレ係蹄でのNa再吸収抑制

ラシックスの作用機序はヘンレ係蹄上行脚でのNa再吸収抑制です。

尿は腎臓で作られ、膀胱まで移動する際に、尿管において水分などが再吸収され、尿が濃縮されます。この際の再吸収を抑制することによって、利尿作用がもたらされますが、水分はNaと一緒に再吸収される性質があるため、Naの再吸収を抑制すると利尿作用につながります。

Naの再吸収率は、尿管の腎臓に近い側から順に、近位尿細管で70%、ヘンレ係蹄上行脚で20%、遠位尿細管で7%、集合菅で3%とおおよその割合が確認されています。

利尿薬の利尿作用の効果の強さは、作用する尿細管部位のNa再吸収率が指標となるため、ラシックスなどのループ利尿薬は比較的利尿作用が強い利尿薬に分類されます。しかし、作用時間は比較的短く、降圧作用は弱いという特徴もあります。

ラシックスの臨床試験での効果は70.0%〜88.9%

ラシックスの効果は臨床試験にて確認されており、その効果は疾患に応じて70.0%〜88.9%の有効率であったことが確認されています1)

臨床試験は947例の実際の患者さんを対象に実施され、心性浮腫には87.7%、肝性浮腫には87.1%、腎性浮腫には70.0%、本態性高血圧には84.0%、腎性高血圧には88.9%という結果でした。

このようにいずれの疾患においても70%以上の有効率が確認されており、ラシックスは比較的高い効果が期待出来る利尿薬です。

1) ラシックス錠10mg/ラシックス錠20mg/ラシックス錠40mg/ラシックス細粒4% インタビューフォーム

ラシックスの半減期と効果時間

ラシックス錠の半減期(t1/2)は0.35時間とされており、最大血中濃度到達時間(tmax)は1〜2時間とされています2)。ラシックス錠は使用してから1〜2時間程度で血中での濃度が最高となり、その後30分程度で濃度が半分になっていきます。

また、ラシックス錠の効果が出るまでの時間や効果が持続する時間に関しては、服用してから利尿作用が出るまでの時間は1時間以内持続する時間は6時間程度であることが確認されています3)〜5)

2) ラシックス錠10mg/ラシックス錠20mg/ラシックス錠40mg/ラシックス細粒4% 添付文書
3) Rupp, W., et al.:Symposion in Schloß Reinhartshausen am Rhein, 12 Mai,1969
4) Timmerman, R. J., et al.:Curr. Ther. Res., (2) 6 ,88,1964
5) Vorburger, C.:J. Urol. Nephrol., 72(9),581,1966

ラシックスが効かない場合は?|ラシックスの使い方を確認

ラシックスは前述の通り、特に利尿作用においては発現時間が速い薬ですが、中にはラシックスが効かない効果がない(実感できない)といったケースもあります。考えらる理由ごとに確認していきましょう。

まずは用法用量を確認|ラシックスは1回40〜80mgを使用

ラシックス錠は1回に比較的多くの錠数を使用する薬となります。ラシックス10やラシックス20では1錠だけ使用するというケースは多くありません。

ラシックスの効能効果の詳細は以下の通りです。

通常、成人にはフロセミドとして1日1回40~80mgを連日又は隔日経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。腎機能不全等の場合にはさらに大量に用いることもある。ただし、悪性高血圧に用いる場合には、通常、他の降圧剤と併用すること。

ラシックス錠10mg/ラシックス錠20mg/
ラシックス錠40mg/ラシックス細粒4% 添付文書

上記内容をラシックス錠の規格( 10、20、40mg)別に成立すると以下のようになります。

製品名 通常の1回量
ラシックス錠10mg 4錠〜8錠
ラシックス錠20mg 2錠〜4錠
ラシックス錠40mg 1錠〜2錠

ラシックスが効かないと感じる場合は、ラシックスの使用する錠数が間違っている可能性もあります。ラシックスを処方された際には、必ず自分の1回量が何錠であるか確認しましょう。

腎機能障害時はより高用量を使用するケースも

ラシックスは腎機能障害時には利尿効果が下がるとされています。

腎機能障害時にはラシックスの近位尿細管への分泌量が低下し、さらに蛋白尿がある場合は、ラシックスの成分と尿タンパクが結合し作用を発揮しにくくなります。

このような理由から腎機能障害時にはより高用量を用いるケースがあります。

ただし、実際に用量を増やすかの判断は医師が行うため、腎機能の低下があり、ラシックスが効かないと思っても自己判断で量を増やすのはやめましょう。

サイアザイド系(チアジド系)利尿薬との併用でより強力な利尿効果得られるケースがある

ラシックスが効かない場合の対処法の一つとして、フルイトランなどのサイアザイド系(チアジド系)利尿薬と併用する方法があります。

ラシックスを慢性的に使用していると、ラシックスの作用点ではない遠位尿細管におけるNaの再吸収が増加し、利尿効果が薄れるケースがあります。ここに遠位尿細管が作用点であるサイアザイド系の利尿薬を併用することによって、ラシックスの慢性的使用による利尿効果の薄れをカバーしてくれます。

このようにサイアザイド系利尿薬はラシックスなどのループ利尿薬とは作用点が異なるため、場合によっては相乗効果を得られるケースがあります。

実際にサイアザイド系利尿薬を併用するかを決めるのはやはり処方医の先生の判断となりますが、もし一緒に処方された場合は、上記のような理由があることを理解しておきましょう。

また、もしフルイトランなどのサイアザイド系利尿薬を飲み忘れていた場合は、上記の通りラシックスの効果にも影響があるため、必ず飲むようにしましょう。

肝性浮腫では抗アルドステロン薬の方が効果が高い

ラシックスを浮腫で使用していて効かないと感じる場合は、浮腫の原因による可能性もあります。

肝機能障害や肝硬変が原因となる肝性浮腫では、利尿薬の中でもアルダクトンなどの抗アルドステロン薬が第一選択とされており、ラシックスなどのループ利尿薬よりも効果が高いとされています6)

何らかの理由から処方医の先生が抗アルドステロン薬を選択していない可能性もありますが、肝性浮腫を自覚していてラシックスが効かない場合には、処方薬の内容について処方医の先生と相談してみるのも一つの手でしょう。

6) 肝硬変診療ガイドライン2015

ラシックスの通販や薬局での市販の有無

ラシックスを市販で入手することの可否について、ラシックスと同じ成分の市販薬の有無、ラシックスを処方箋なしで薬局で入手することの可否、通販などでの個人輸入について確認していきます。

ラシックスの成分は市販薬では販売されていない

ラシックスの成分であるフロセミドを含む市販薬は販売されていません。

ラシックスをはじめとした利尿薬の成分は市販薬としては販売できない成分であり、今後も規制の大きな変化がない限りは、市販薬で販売されることはないと考えられます。

ラシックスは処方箋がないと薬局で購入できない

処方薬を取り扱う薬局において、処方箋なしでラシックスを購入することはできません。

一般的に処方薬と呼ばれる医薬品は正式には医療用医薬品に分類されます。医療用医薬品は、さらに「処方箋医薬品」と「処方箋医薬品以外の医薬品」に分類され、「処方箋医薬品以外の医薬品」に関しては厳密に言うと処方箋がなくても買うことが可能となります。しかし、ラシックスに関しては「処方箋医薬品」に分類されるため、必ず医師の診察を受けた上での処方箋が必要な医薬品となります。このような規制区分からもラシックスは自己判断で使用する類の薬ではないため、残薬などを自己判断で使用するようなことは避けましょう。

ラシックスを通販などで個人輸入することは可能

その他のラシックスの入手方法として、通販などで個人輸入する方法があります。

厚生労働省のサイトにおいても、一部の医薬品を除き、海外から個人輸入で医薬品を買うことは認められていることが記載されています。

ラシックスは個人輸入することが可能な医薬品に該当し、インターネット上でも通販として個人輸入を実施してくれるサイトがあったります。

しかし、この方法にはいくつかのリスクもあります。

リスクの一つとして、海外の医薬品であるため、品質が粗悪な可能性があります。もっとも極端な例ではラシックスの成分とは全く別の成分が含まれている、といった可能性もゼロではありません。

また、価格についても適正価格でない可能性があるというリスクがあります。

そして、万が一重い副作用などが出てしまうケースの場合、本来は国から受けれられる救済が受けられいない可能性があるというリスクもあります。

このように通販の個人輸入でラシックスは入手できるものの、いくつかのリスクが伴うことを理解しておきましょう。

ラシックスの薬価とジェネリック

ラシックス錠の薬価は、ラシックス錠10mgが1錠あたり9.1円、ラシックス錠20mgが9.6円、ラシックス錠40mgが14.0円とされています。

ラシックス錠にはジェネリック医薬品があり、「フロセミド錠」の名称で販売されています。ラシックスと同じ効果が期待でき、より安価な薬価で入手することが可能です。

ラシックス錠とそのジェネリックの薬価は以下の通りです。

先発医薬品 ジェネリック
販売名 薬価 販売名 薬価
ラシックス
錠10mg
9.1 フロセミド
錠10mg
6.0
ラシックス
錠20mg
9.6 フロセミド
錠20mg
6.0
ラシックス
錠40mg
14.0 フロセミド
錠40mg
6.3

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。

今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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