ベタニスの効果や副作用、緑内障では使える?過活動膀胱の薬について薬価、禁忌や警告についても確認

ベタニス錠25mg、50mgについて、過活動膀胱に対する効果や副作用、便秘の副作用の有無、緑内障での使用の可否、禁忌や警告、薬の薬価などについて添付文書やインタビューフォームから確認していきます。

ベタニスの特徴と効果|過活動膀胱に対する効果は

ベタニスはミラベグロンを成分とし、アステラス製薬が製造販売している頻尿などの症状が出る過活動膀胱治療薬の治療薬です。

従来の過活動膀胱の利用薬である抗コリン薬と異なる作用をもち、抗コリン薬の特徴的な副作用である便秘、口渇、眼圧上昇などが少ないことがあり、緑内障の患者さんでも使用できる特徴があります。

ベタニスの効能効果の詳細は以下の通りです。

過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁

ベタニス錠25mg/ ベタニス錠50mg

ベタニスの作用機序はβ3受容体への選択的作用による膀胱の弛緩によるものです。

過活動膀胱とは「尿意切迫感を有し、通常は頻用および夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁を伴うこともあれば伴わないこともある状態」です。過活動膀胱の治療は、膀胱の収縮を抑制することで症状が改善するため、膀胱を弛緩させる薬を用いますが、ベタニスはβアドレナリン受容体のうち、β3受容体に作用することにより膀胱を弛緩させます。

ベタニスの過活動膀胱に対する効果は実際の患者に対する臨床試験において確認されています。その臨床試験の結果は、ベタニスを使用した患者さんでは、プラセボ(偽薬)を使用した患者さんと比較し、排尿回数、尿意切迫感回数、尿失禁回数、切迫性尿失禁回数のいずれに関しても改善作用が認められたとされており1)、過活動膀胱に対して高い効果があることが確認されています。

1) ベタニス錠25mg/ ベタニス錠50mg 添付文書

ベタニスはベシケアとの併用でも高い効果が確認されている

ベタニスはベシケアと併用することで、過活動膀胱に対してより高い効果が得られることが確認されています。

ベシケアは従来より過活動膀胱に使われている抗コリン薬であり、ベタニスと作用機序が違います。したがって2つの薬は併用することで相乗効果が期待されますが、実際に高い効果が得られることが臨床試験で確認されています。しかもこの臨床試験結果では併用することによる副作用のリスクについてもあまり問題がないという結論でした2)

ベタニスはベシケアとも比較的安全に併用できると考えられます。

2) Abrams P et al, : Eur Urol. 2015 Mar;67(3):577-88

ベタニスの副作用|便秘や口内乾燥は少ない

ベタニスの主な副作用は便秘、口内乾燥の他、白血球数減少、肝臓機能の指標であるAST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ‐GTP上昇、Al‐P上昇、代謝系の指標となるCK(CPK)上昇などの臨床検査血の異常です。

特に便秘口内乾燥の副作用は過活動膀胱の定番の副作用と言えますが、ベタニスに関してはこれらの副作用の頻度が従来の抗コリン薬と比較し頻度が低いことが知られています。その理由は前述の作用機序の違いによるものであり、ベタニスは使い易い薬と言えます。

実際に過活動膀胱の抗コリン薬の代表的な薬であるベシケアと比較しても、口内乾燥の頻度はベシケアの28.3%に対し、ベタニスは1.7%、便秘に関してもベシケアの14.4%に対し、ベタニスは2.9%と頻度が低いことがわかります1),3)

一方でベタニスは頻度は高くないものの、不整脈や頻脈などを起こす可能性があることが知られており、脈拍の異常などには念のため注意するようにしましょう。

1) ベタニス錠25mg/ ベタニス錠50mg 添付文書
3) ベシケア錠2.5mg/ ベシケア錠5mg 添付文書

ベタニスの禁忌や警告|緑内障の場合は使える?

ベタニスは慎重投与という条件があるものの、緑内障の患者さんに対しても使用することが可能な過活動膀胱治療薬です。

ベタニスの作用機序は前述の通り、β3受容体作用によるものであり、抗コリン作用による弾圧上昇に伴う緑内障悪化の副作用の心配が少ない薬です。

それでも慎重投与に「緑内障の患者」が設定されている理由は、海外の臨床試験において緑内障の悪化が1例報告されており、また緑内障患者への投与経験が限られていることからとしています3)。なお、国内の臨床試験において、本剤が投与された緑内障合併の過活動膀胱患者10例では、緑内障の悪化は報告されていないとされており2)、基本的には問題なく使用できると考えられます。

その他、ベタニスで警告されている内容と、禁忌の内容は以下の通りです。

【警告】

生殖可能な年齢の患者への本剤の投与はできる限り避けること。[動物実験(ラット)で、精嚢、前立腺及び子宮の重量低値あるいは萎縮等の生殖器系への影響が認められ、高用量では発情休止期の延長、黄体数の減少に伴う着床数及び生存胎児数の減少が認められている。]

ベタニス錠25mg/ ベタニス錠50mg 添付文書

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.重篤な心疾患を有する患者[心拍数増加等が報告されており、症状が悪化するおそれがある。]
3.妊婦及び妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
4.授乳婦[動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。また、授乳期に本薬を母動物に投与した場合、出生児で生存率の低値及び体重増加抑制が認められている。(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)]
5.重度の肝機能障害患者(Child-Pughスコア10以上)[血中濃度が過度に上昇するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
6.フレカイニド酢酸塩あるいはプロパフェノン塩酸塩投与中の患者(「相互作用」の項参照)

ベタニス錠25mg/ ベタニス錠50mg 添付文書

上記の通り、警告では動物実験で生殖器系への影響が認められているため、基本的に妊活中の方などには向いていない薬です。

また、禁忌に関しては合計6項目あり、ベタニスの成分に対してアレルギーを経験したことがある方の他、妊娠中の人、授乳中の人、重篤な心疾患のある人、重度の肝機能障害のある人、そしてフレカイニド酢酸塩(製品名:タンボコール)あるいはプロパフェノン塩酸塩(製品名: プロノン)を使用している人です。これらに該当する人はベタニスを使用することはできませんので注意しましょう。

3) ベタニス錠25mg/ ベタニス錠50mg インタビューフォーム

ベタニスとの薬価とジェネリック

ベタニスの薬価はベタニス錠25mgで1錠あたり116.2円、ベタニス錠50mgで1錠あたり195.2円とされています。

また、ベタニスは現在のところジェネリック医薬品は販売されていません。

ジェネリック医薬品を販売できる条件として、その薬の特許期間が終了していることと、再審査期間という薬が市販された後に再度、規制当局から有効性と安全性に問題がないか一定期間調査した結果の審査を受ける過程を経ないと、ジェネリック医薬品は販売されません。

ベタニスに関しては、再審査期間が8年と設定されており、最低でも規制当局に承認された2011年7月1日から8年後の2019年6月30日まではジェネリック医薬品が販売されることはありません。

実際には早くても再審査期間終了から1年程度はジェネリック医薬品は販売されないため、当面はベタニスのジェネリック医薬品は販売されないでしょう。

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。

今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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