ロコイドの軟膏やクリームについて、効果の強さや効能、あせもや虫さされ、ニキビの使用の可否、市販での購入、子供や赤ちゃんの使用、陰部や顔、唇への使用などについて解説します。
ロコイドの強さ
ロコイドはヒドロコルチゾン酪酸エステルを成分として含んでおり、皮膚の湿疹や炎症などに使用されるステロイドの外用剤です。
ステロイドの外用剤はその効果の強さに応じて最強のⅠ群(Strongest)からⅡ群(VeryStrong)、Ⅲ群(Strong)、Ⅳ群(Mild)、最も弱いⅤ群(Weak)に分類されます。ロコイドはこの中で強さが下から2番目となるⅣ群に分類されるため、効果は穏やかなものの、副作用も比較的出にくく安心して使える外用剤と言えます。
ロコイドの種類と効能
ロコイドには軟膏とクリームの剤型があり、それぞれ使用感や作用の仕方が多少変わるため、状況に応じて使い分けることができます。軟膏とクリームのおおよその使い分けは以下の通りです。
軟膏 | クリーム | |
メリット | 保湿性が高く、刺激が少ない | 軟膏よりもベタつかず、吸収も良い |
デメリット | ベタベタし使用感がイマイチ | 軟膏よりも効果が低い可能性、刺激を感じることも |
向いているケース | 傷があったり、ジュクジュクしている部分 | 乾燥している部分、皮膚が厚い部分 |
ロコイドの効能は湿疹・皮膚炎の他、痒疹群、乾癬などとなります。
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、脂漏性皮膚炎を含む)、痒疹群(蕁麻疹様苔癬、ストロフルス、固定蕁麻疹を含む)、 乾癬、掌蹠膿疱症
ロコイド軟膏0.1%/ロコイドクリーム0.1%
添付文書
あせもなどに対して処方されるケースもあるかと思いますが、あせもは汗が皮膚の中にたまってしまい炎症などが起きることが原因であるため、ロコイドでも効果が期待できます。ただし、あせもではステロイドを使うまでもないケースもあるため、医師から処方されたときに使用するようにしましょう。
虫さされについては効能効果に明記されていないもののこちらも皮膚の炎症が生じている場合には効果が期待できます。医師の診察を受けてロコイドを処方されるケースでは適切に使用するようにしましょう。
ニキビに対しては基本的にはロコイドの効能には含まれません。炎症を鎮める目的で効果があるケースもありますが、ステロイド外用剤には一般的に痤瘡様疹(ニキビのような状態)の副作用の可能性が知られており、ニキビが悪化してしまうケースもあります。従って自己判断でニキビに使用するのは避けましょう。
ロコイドの使用部位と子供や赤ちゃんの使用可否
ロコイドは前述の通りⅣ群(Mild)に分類される比較的弱いステロイドになるため、陰部や顔などの部位でも使用することができる薬です。ただし、陰部や顔は他の皮膚が厚い部分と比較し、薬の吸収率が数倍から数十倍になり、効果が強く出ます。また、顔の中でも唇などはさらに効果が強く出る可能性があります。従って、陰部や顔、唇などに使用する場合は十分に注意しながら使用しましょう。また、自己判断で陰部や顔、唇に使用するのは危険が伴いますので、医師から指示された場合のみに使用するようにしましょう。
また、ロコイドは効果がマイルドなため、肌が敏感で薬の吸収率が大人よりも高くなるケースがある子供や赤ちゃんでも使用されます。ただし、こちらも必ず医師から指示された指示された用法用量で使用するようにしましょう。
ロコイドの副作用
ステロイドは副作用が心配と思う方も多いかと思いますが、ロコイドは効果も強い方ではなく、正しく使用する分にはあまり副作用の心配をする必要はありません。ロコイドの添付文書に記載されている副作用の頻度は、軟膏で0.3%、クリームで0.6%とされており、ほとんど副作用は出ないと考えられます。
可能性がある主な副作用は、皮膚炎、乾皮様皮膚(乾燥しているような症状)、瘙痒感(かゆみ)などとされています。
その他にもステロイドに共通して可能性のある魚鱗癬様皮膚変化という皮膚がうろこの様にはがれたり、乾燥する症状がありますが、あまり頻度は高くありません。また、長期で使用する場合に比較的知られている副作用として、酒さ様皮膚炎が挙げられますが、この副作用は顔がほてったようになり、赤いブツブツができ、ステロイドの使用をやめると悪化するといったものになります。こちらも頻度は高くありませんが、上記のような症状が現れた場合には少し注意し、医師の判断を仰ぐようにしましょう。
その他にもステロイドは免疫を弱めてしまう傾向があり、その結果皮膚の感染症を起こしてしまうリスクも少なからずあります。この点にも注意しましょう。
ロコイドの市販での販売
ロコイドの成分であるヒドロコルチゾン酪酸エステルを含む薬は市販でも購入することができます。代表的な市販薬として処方薬のロコイドと同じ製薬会社の鳥居薬品株式会社が製造販売しているロコイダン軟膏、ロコイダンクリームが挙げられます。
ロコイダン軟膏、ロコイダンクリームは効能として 湿疹、皮膚炎、かぶれ、かゆみ、虫さされ、じんましん、あせもが挙げられており、処方薬と同じ様な使い方ができます。なお、1g中の有効成分の量は処方薬の1/2となっているため、ロコイドよりも若干効果が弱くなる可能性はあります。
ロコイダン軟膏、ロコイダンクリームの効能効果の詳細は以下の通りです。
湿疹,皮膚炎,かぶれ,かゆみ,虫さされ,じんましん,あせも
ロコイダン軟膏/ロコイダンクリーム 添付文書
その他にも同じヒドロコルチゾン酪酸エステルを含む市販の薬として佐藤製薬株式会社が販売しているセロナシリーズなどもあります。こちらは軟膏、クリームの他、ソフト(しっとりタイプのクリーム)、QTローションといった剤型があり、使用感の異なる剤型の選択肢が多くあります。
薬を使用する際には必ず添付文書を確認し、決められた用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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