新しい爪水虫の治療薬ルコナック爪外用液5%が2016年1月に承認され、2016年4月に発売(発売日:4月25日)されました。ルコナックの添付文書やインタビューフォームに基づいて、その効果や副作用、使い方、薬価などについて確認していきます。
ルコナックの特徴と効果
ルコナックはルリコナゾールという成分を含む爪白癬(いわゆる爪の水虫)の治療薬です。従来よりルリコンという薬剤名でルリコナゾールの成分は使用されていましたが、ルリコンには爪白癬の適応はありませんでいた。ルコナックはルリコンよりも5倍高い濃度の成分が含まれている点が特徴であり、爪への浸透性を高めるとことによって爪白癬に対して効果を示す薬です。
ルコナックの効果の強さ
ルコナックは強い抗菌力が確認されています。抗菌薬の指標としてMIC(最小発育阻止濃度)とMCC(最小殺菌濃度)が用いられており、これらの指標は小さければ小さいほど、抗菌力が強いとされています。
同じ爪白癬に使用される成分としてエフィナコナゾールがありますが、ルコナックの成分であるルリコナゾールはMIC、MCCいずれもエフィナコナゾールよりも低い値となっており、強い抗菌力が期待できます。
薬剤名 |
原因菌 |
MIC90 | MMC90 |
ルコナック | T. rubrum T. mentagrophytes |
0.00098 0.00098 |
0.0078 0.0078 |
エフィナコナゾール | T. rubrum T. mentagrophytes |
0.016 0.031 |
0.25 0.25 |
ルコナックの効果時間
ルコナックは使用して1日で爪の深部まで到達することが確認されています。このことから比較的早い効果が期待できる薬ですので、1日1回の使用を忘れないようにしましょう。ルコナックのインタビューフォームに記載されている内容は以下の通りです。
Franz型セルを用いて、ヒト爪の爪甲側に本剤を0.5μLずつ1日、7日、14日及び21日間塗布した際の爪中薬物分布を測定した。その結果、爪に投与されたルリコナゾールは速やかに浸透して投与翌日には爪甲の最深部でMICを上回り、投与期間に依存した爪中薬物濃度の上昇が認められた。
ルコナック爪外用液5% インタビューフォーム
ルコナックの使い方
ルコナックは1日1回、爪全体に塗る薬となります。爪の上からワンプッシュで爪全体に広がるとされています。
ルコナックの用法用量は以下の通りです。
<用法又は用量>
1日1回罹患爪全体に塗布する。
<用法又は用量に関連する使用上の注意>
本剤を長期間使用しても改善が認められない場合は使用中止を考慮するなど、漫然と長期にわたって使用しないこと(本剤の臨床試験において、48週を超えて使用した場合の有効性・安全性は確認されていない。)。ルコナック爪外用液5% 添付文書
ルコナックの薬価
ルコナックの薬価は1gあたり、997.8円、1本で3.5gのため、1本3492.3円となります。
ルコナックの副作用
皮膚乾燥、接触皮膚炎(かぶれ)、爪囲炎(爪の周囲の炎症)、皮膚炎、皮膚刺激、乾燥症などとされています。重大な副作用はあまり報告されていないようですが、上記のようなルコナック使用部位の局所性の副作用に注意しましょう。
ルコナックの販売
ルコナックは佐藤製薬とポーラファルマが販売しています。
爪の水虫の方でルコナックに興味がある場合は医師に相談してみましょう。
薬を使用する際には必ず添付文書を確認し、決められた用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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