カロナールの飲み合わせについて、飲み合わせの悪い薬や併用に注意が必要な薬、それぞれの領域の薬ごとに確認していきます。
Contents
- 1 カロナールの特徴|飲み合わせの悪い薬の有無
- 2 カロナールと飲み合わせが悪い薬|アセトアミノフェンを含む薬剤
- 3 カロナールの飲み合わせ|併用に注意が必要な薬
- 4 カロナールと漢方の飲み合わせ
- 5 カロナールと咳止めの飲み合わせ|アスベリン、メジコン、フスコデなど
- 6 カロナールと痰切りの飲み合わせ|ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボンなど
- 7 カロナールと抗炎症薬の飲み合わせ|トランサミンなど
- 8 カロナールと鼻水・アレルギー薬との飲み合わせ|アレグラ、アレロック、ザイザルなど
- 9 カロナールと抗ロイコトリエン薬との飲み合わせ|オノン、キプレス、シングレアなど
- 10 カロナールと抗生物質との飲み合わせ|メイアクト、フロモックス、クラリス、ジスロマック、クラビット、ワイドシリンなど
- 11 カロナールと抗インフルエンザ薬との飲み合わせ|タミフル、イナビル、リレンザなど
- 12 カロナールと気管支拡張貼り薬との飲み合わせ|ホクナリンテープなど
- 13 カロナールと他の解熱鎮痛剤との飲み合わせ|ロキソニンやブルフェンなど
- 14 カロナールと胃薬・胃腸薬の飲み合わせ
- 15 カロナールとアルコールの飲み合わせ|飲酒の可否
- 16 カロナールと市販薬の飲み合わせ
カロナールの特徴|飲み合わせの悪い薬の有無
カロナールはアセトアミノフェンの成分を含む解熱鎮痛剤であり、頭痛や歯痛、風邪などに使用される薬です((カロナール錠200/カロナール錠300/カロナール錠500 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/112429_1141007F1063_4_02.pdf))。
カロナールの特徴として、解熱鎮痛剤の中でも特に安全性が高く、小児でも安全に使用できる薬です。ロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と比較し、消化性潰瘍の発生が少なく((Pocket Drugs 2017, 医学書院))、胃に負担がかかりにくい特徴もあります。
また、カロナールの成分であるアセトアミノフェンはインフルエンザの発熱に対しても解熱剤として使われることがあり、日本小児科学会からもインフルエンザでの解熱で使用が推奨されています。
カロナールの飲み合わせとして、カロナールに含まれるアセトアミノフェン以外の成分とでは、飲み合わせが悪く絶対に併用できない薬(併用禁忌)というものはありません((カロナール錠200/カロナール錠300/カロナール錠500 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/112429_1141007F1063_4_02.pdf))。
ただし、カロナールと同じ成分のアセトアミノフェンを含む薬剤については、重篤な肝障害が発現する可能性があるため、併用を避けるよう製薬会社より警告されています((カロナール錠200/カロナール錠300/カロナール錠500 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/112429_1141007F1063_4_02.pdf))。
ただし、実際には医師の判断によりトラムセットなどアセトアミノフェンが含まれる製剤との併用されるケースもあり、最終的には処方医の先生の判断となります。
また、併用禁忌以外では、カロナールと飲み合わせに少し注意が必要な併用注意薬がいくつかあります。
カロナールと飲み合わせが悪い薬|アセトアミノフェンを含む薬剤
カロナールと飲み合わせが悪い薬として、カロナールと同じアセトアミノフェンを含む製剤が挙げられます。
アセトアミノフェンを含む処方薬として、カロナールの他にコカールや、アセトアミノフェン錠などがあります。また、痛み止めの別の成分との合剤であるトラムセットなどのもあります。
他にも風邪で処方されるPL顆粒やカフコデなども少量のアセトアミノフェンを含みます。
飲み薬以外では坐剤のアンヒバやアルピニーなどもアセトアミノフェンの製剤となります。
これらの製剤とカロナールを併用するとアセトアミノフェンの摂取量が多くなり、肝機能に影響を及ぼす可能性があるため、製薬会社からは他のアセトアミノフェンを含む製剤との併用は避けるよう警告されています((カロナール錠200/カロナール錠300/カロナール錠500 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/112429_1141007F1063_4_02.pdf))。
これらのうち、PL顆粒やカフコデ、トラムセットなどは医師の判断によってカロナールと併用されるケースもありますが、自己判断で併用するようなことは避けましょう。
また、市販薬のパブロンやルル、ベンザブロックのシリーズなどいずれもアセトアミノフェンを含む製品があるため、市販薬との併用はなるべく避けるのが安全と言えます。市販薬と併用したい場合は、成分にアセトアミノフェンが含まれないかを確認するようにしましょう。
カロナールの飲み合わせ|併用に注意が必要な薬
カロナールには併用が禁止ではないものの、飲み合わせに注意が必要な薬がいくつかあり、併用注意として注意喚起されています。
カロナールの併用注意の薬剤は以下の通りです((カロナール錠200/カロナール錠300/カロナール錠500 添付文書))。
成分名等 | 代表的な薬剤等 |
リチウム製剤 (炭酸リチウム) |
リーマス錠 |
チアジド系利尿剤 (ヒドロクロロチアジド等) |
フルイトラン |
アルコール(飲酒) | |
クマリン系抗凝血剤 (ワルファリンカリウム) |
ワーファリン |
カルバマゼピン フェノバルビタール フェニトイン プリミドン リファンピシン イソニアジド |
テグレトール、ヒダントール |
抗生物質 抗菌剤 |
上記のような薬のうち、特に抗生物質や抗菌剤に関しては、実際には併用されるケースも多くあり、必ずしも避ける必要はありません。併用注意とされている理由は過度の体温下降を起こ
す頻度が高くなるという理由であり、念のため体温が下がりすぎないか注意しましょう。
また、その他の併用注意薬に関しても必ずしも避ける必要はありません。医師が承知の上で処方された場合にはあまり心配せず服用しましょう。ただし、自己判断でカロナールを併用するのは避けましょう。
カロナールと漢方の飲み合わせ
カロナールは飲み合わせの悪い漢方はなく、基本的にはどの漢方薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い漢方では風邪全般に使用される葛根湯や鼻水などに使用される小青竜湯、咳などに使用される麦門冬湯などありますが、いずれの漢方もカロナールと併用することが可能です。
カロナールと咳止めの飲み合わせ|アスベリン、メジコン、フスコデなど
カロナールは飲み合わせの悪い咳止め薬はなく、基本的にはどの咳止めとも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い咳止めでは、アスベリン、メジコン(デキスロトメトルファン)、フスコデ、アストミン、フスタゾールなどがありますが、いずれの薬剤もカロナールと併用することが可能です。
ただし、カフコデに関しては、カロナールとおなじアセトアミノフェンの成分を含むため、自己判断では使用せず、医師が一緒に使用して良いと判断した時のみ使用するようにしましょう。
カロナールと痰切りの飲み合わせ|ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボンなど
カロナールは飲み合わせの悪い痰切り薬はなく、基本的にはどの痰切りとも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い痰切りでは、ムコダイン(カルボシステイン)、ムコソルバン・ムコサール・ムコソレート(アンブロキソール)、ビソルボン(ブロムヘキシン)などがありますが、いずれの薬剤もカロナールと併用することが可能です。
カロナールと抗炎症薬の飲み合わせ|トランサミンなど
カロナールは抗炎症薬であるトランサミン(トラネキサム酸)とも飲み合わせは悪くなく、非常によく併用される薬の一つです。
カロナールと鼻水・アレルギー薬との飲み合わせ|アレグラ、アレロック、ザイザルなど
カロナールは飲み合わせの悪い抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬はなく、基本的にはどの薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬として、アレグラ(フェキソフェナジン)、クラリチン(ロラタジン)、アレジオン(エピナスチン)、エバステル(エバスチン)、タリオン(ベポタスチン)、ザイザル、アレロック(オロパタジン)、ジルテック(セチリジン)、デザレックス、ビラノア、ルパフィン、ゼスラン・ニポラジン(メキタジン)ポララミン(クロルフェニラミン)、ザジテン(ケトチフェン)、セレスタミンなどがありますが、いずれの薬剤もカロナールと併用することが可能です。
カロナールと抗ロイコトリエン薬との飲み合わせ|オノン、キプレス、シングレアなど
カロナールは飲み合わせの悪い抗ロイコトリエン薬はなく、基本的にはどの薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い抗ロイコトリエン薬として、オノン(プランルカスト)、キプレス・シングレア(モンテルカスト)がありますが、いずれの薬剤もカロナールと併用することが可能です。
カロナールと抗生物質との飲み合わせ|メイアクト、フロモックス、クラリス、ジスロマック、クラビット、ワイドシリンなど
カロナールは抗生物質や抗菌剤との併用に関して、併用注意とされていますが、実際には併用されるケースも多くあり、必ずしも避ける必要はありません。併用注意とされている理由は過度の体温下降を起こす頻度が高くなるという理由であり、医師の適切な処方の元の併用であれば一緒に使っても問題ありません。
カロナールと併用される抗生物質・抗菌剤として、ワイドシリン、クラバモックス、サワシリン、メイアクト(セフジトレン)、フロモックス(セフカペン)、セフゾン(セフジニル)、クラリス(クラリスロマイシン)、ジスロマック(アジスロマイシン)、クラビット(レボフロキサシン)、オゼックス、オラペネムなどがありますが、医師の適切な診察のもと、カロナールと一緒に処方された場合は併用して問題ないと言えるでしょう。
カロナールと抗インフルエンザ薬との飲み合わせ|タミフル、イナビル、リレンザなど
カロナールは飲み合わせの悪い抗インフルエンザ薬はなく、基本的にはどの薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い抗インフルエンザ薬として、タミフル、リレンザ、イナビルがありますが、いずれの薬剤もカロナールと併用することが可能です。
インフルエンザ時の解熱鎮痛薬の使用に関してはインフルエンザ脳症やライ症候群などでリスクが指摘されており、特に小児に関しては解熱鎮痛剤の使用に注意が必要ですが、カロナールの成分であるアセトアミノフェンは日本小児科学会もインフルエンザ時の解熱剤として使用が推奨されます。
一般的に頻用されているアセトアミノフェンによる本症の致命率の上昇はなく、インフルエンザに伴う発熱に対して使用するのであればアセトアミノフェンがよいと考える。
平成12年11月12日 日本小児科学会理事会
カロナールと気管支拡張貼り薬との飲み合わせ|ホクナリンテープなど
カロナールは気管支拡張の貼り薬であるホクナリンテープ(ツロブテロールテープ)とも飲み合わせは悪くなく、非常によく併用される薬の一つです。
カロナールと他の解熱鎮痛剤との飲み合わせ|ロキソニンやブルフェンなど
カロナールと他の解熱鎮痛剤は基本的には避けることが望ましいと製薬会社から注意喚起されていますが((カロナール錠200/カロナール錠300/カロナール錠500 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/112429_1141007F1063_4_02.pdf))、実際には、併用されるケースもあります。
カロナールを1日3回などの定時で使用し、痛みや熱が辛いときにロキソニン(ロキソプロフェン)やブルフェン(イブプロフェン)などを頓服で使用するなどのケースや、セレコックスなどの痛み止めを整形外科などで使用しており、熱が高いときだけカロナールを併用するなどのケースもあります。
これらの併用は自己判断では避けるべきですが、医師が併用を把握した上で処方している場合は使用しても問題ないと言えるでしょう。
カロナールと胃薬・胃腸薬の飲み合わせ
カロナールは飲み合わせの悪い胃薬・胃腸薬はなく、基本的にはどの胃薬・胃腸薬とも飲み合わせることができます。
一緒に使用されることが多いものとして、処方薬ではムコスタ(成分名:レバミピド)、セルベックス(成分名:テプレノン)の他、ネキシウムやオメプラール(成分名:オメプラゾール)、タケプロン(成分名:ランソプラゾール)、パリエット(成分名:ラベプラゾール)、タケキャブ、ガスター(成分名:ファモチジン)などがありますが、これらのいずれの薬剤もカロナールと併用することが可能です。
カロナールとアルコールの飲み合わせ|飲酒の可否
カロナールとアルコールとの飲み合わせは併用注意とされており、その理由は肝障害が起きるリスクがあるとされているからです。アルコールの常飲により、アセトアミノフェンが肝臓に対して毒性を持つ成分への代謝が促進されるようになり、肝臓にダメージを与える可能性が考えられています。
したがって、カロナールとアルコール(飲酒)との併用は基本的には避けるようにしましょう。
普段からアルコールの量には気をつけ、特にアセトアミノフェンを使用している期間だけでもアルコールを控えるもしくは量を減らす、薬とアルコールの時間を空けて飲むなどの工夫をするようにしましょう。
カロナールと市販薬の飲み合わせ
カロナールに含まれるアセトアミノフェンは、多くの市販薬にも含まれる成分であり、カロナールとの飲み合わせには注意が必要です。
市販の解熱鎮痛剤であるタイレノールや小児用バファリンはアセトアミノフェンを成分とする薬であり、また、総合感冒薬(かぜ薬)であるパブロン、ルル、ベンザブロックなどいったブランドの製品にもアセトアミノフェンが含まれる製品が数多くあります。
基本的にカロナールを使用している場合には市販の痛み止めや風邪薬を使用するのは避け、他の市販薬を使用したい場合も成分にアセトアミノフェンが含まれていないことを確認するようにしましょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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