ザイザルシロップの効果や副作用|赤ちゃんへの使用量や味、眠気の出やすさについても

ザイザルシロップに関して、その効果や風邪に対する使用、咳に対する効果の有無、眠気などの副作用、用法用量や赤ちゃんに対する使用量、味などの特徴、ステロイドなどとの飲み合わせなどについて添付文書等から解説していきます。

ザイザルシロップの味や特徴

ザイザルシロップはレボセチリジンを成分として含み、鼻炎症状や蕁麻疹、湿疹などの皮膚疾患に使用される液体の薬です。

ザイザルシロップは6ヶ月以上の赤ちゃんでも使用される

ザイザルシロップの特徴の一つに6ヶ月以上の赤ちゃんから使用することが出来る点が挙げられます。
なお、6ヶ月未満の赤ちゃんに関しては中には使用されるケースもありますが、基本的には医師の判断に従うようにしましょう。

ザイザルシロップは甘い味をもつ

ザイザルシロップの味は甘いがついており、無色透明の液体になっています。赤ちゃんや小さい子供でも比較的飲みやすい味となっており、使いやすい薬と言えます。

ザイザルはジルテックの改良版

ザイザルはジルテックという抗ヒスタミン薬の改良版という位置付けとなります。
ジルテックは抗ヒスタミン作用は比較的強いとされているものの、眠気の副作用もよく出る薬になります。ザイザルの成分であるレボセチリジンはジルテックの成分であるセチリジンから、より効果が高い部分を取り出したものにあたり、ジルテックよりも少ない量で同程度の効果が期待でき、眠気の副作用は量が少ない分出にくいという薬になります。

ザイザルシロップの効果|風邪への効果は?

ザイザルシロップは鼻水などの鼻炎症状や、蕁麻疹のほか湿疹などの皮膚疾患のかゆみに対して効果がある薬です。
ザイザルシロップの効能効果の詳細は以下のとおりです。

〔成人〕
アレルギー性鼻炎
蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症
〔小児〕
アレルギー性鼻炎
蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

ザイザルシロップ0.05% 添付文書

ザイザルシロップの作用機序は抗ヒスタミン作用

ザイザルシロップが鼻水などの鼻炎症状や蕁麻疹、湿疹などの皮膚疾患に効果があるのは、ヒスタミンというアレルギーを引き起こす物質に対して、ザイザルシロップが体内のヒスタミン受容体に結合することを阻害するためです。
その結果、ヒスタミンの作用が阻害され、鼻炎症状や皮膚疾患などの症状が和らぎます。

ザイザルシロップの効果は70%以上

ザイザルシロップの実際の患者さんに対する効果はアレルギー性鼻炎では75%、皮膚疾患では73%という臨床試験の結果が得られています1)
この臨床試験では、国内の6施設で生後6ヵ月以上2歳未満のアレルギー性鼻炎もしくは皮膚疾患に伴うそう痒を有する小児を対象としており、ザイザルシロップが2週間投与されています。中等度改善以上の効果を示した割合が上記の通りであり、ザイザルシロップは比較的高い効果が期待できると言えます。
1) ザイザルシロップ0.05% 添付文書
 

ザイザルシロップは風邪の鼻炎症状にも一定の効果が期待できる

ザイザルシロップは風邪における鼻炎症状にも一定の効果が期待できます。
厳密には風邪に伴う鼻炎症状に対する効能効果は記載がありませんが、実際に使用されることも少なくなく、ザイザルシロップと同じ抗ヒスタミン薬であるポララミンやペリアクチンには感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻水・咳嗽の適応があり、同じ系統であるザイザルシロップでも一定の効果が期待できると考えられます。

ザイザルシロップは咳に効果があることも

ザイザルシロップは場合によってはに対しても効果があるケースがあります。
咳の原因がアレルギー性によるものであれば、ザイザルシロップの抗アレルギー作用によって改善する可能性が考えられます。
ただし、ザイザルシロップの効能効果には咳の記載はなく、現時点では気管支喘息の適応もないため、基本的に咳だけの症状に対して使用されることはありません。また、風邪による咳に対しては効果が期待できないと言えます。もしザイザルシロップによって咳も改善した場合は副次的な作用があった程度に解釈しておくのが良いでしょう。

ザイザルは1時間程度で効果が現れ32時間以上持続する

ザイザルシロップの効果が出るまでの時間や効果が持続する時間の目安として、ザイザル錠での臨床試験の結果が参考になります。
ザイザル錠を使用した結果、効果発現時間が1時間後程度、効果が最大になるのが6〜8時間後、持続時間が32時間以上であることが確認されています。
この結果からザイザルシロップも同様の傾向があると考えられ、ザイザルシロップは1時間程度で効果が出始め、1日以上効果が持続すると考えられます。

レボセチリジンのヒスタミン誘発性膨疹および発赤に対する抑制効果は、投与後 1 時間から顕著に認められ、投与後 6~8 時間で抑制率は最大値(膨疹:83.8%、発赤:83.6%)を示し、投与後 32 時間の時点でも抑制効果が認められた。また、レボセチリジンはセチリジンの半量で、セチリジンとほぼ同程度の膨疹および発赤抑制効果が得られた。

ザイザル インタビューフォーム

ザイザルシロップの使い方|赤ちゃんへの使用量は

ザイザルシロップの使い方は大人に使用する場合は、1回10mLを1日1回寝る前に使用、子供の場合は年齢によって異なり、1回2.5mLもしくは5mLを1日1回もしくは2回使用します。
ザイザルシロップの用法用量の詳細は以下のとおりです。

〔成人〕
通常、成人には1回10mL(レボセチリジン塩酸塩として5mg)を1日1回、就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日20mL(レボセチリジン塩酸塩として10mg)とする。
〔小児〕
通常、6ヵ月以上1歳未満の小児には1回2.5mL(レボセチリジン塩酸塩として1.25mg)を1日1回経口投与する。
通常、1歳以上7歳未満の小児には1回2.5mL(レボセチリジン塩酸塩として1.25mg)を1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
通常、7歳以上15歳未満の小児には1回5mL(レボセチリジン塩酸塩として2.5mg)を1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。

ザイザルシロップ0.05% 添付文書

6ヶ月以上の赤ちゃんでは1日1回2.5mLを使用する

ザイザルシロップは6ヶ月以上1歳未満の赤ちゃんでも使用でき、使用量は2.5mLを1日1回となります。
実際には2.5mLは測りにくいため、薬局の方で薬剤成分のないシロップや水で薄めて1回3mL等になるように調節しているケースもあります。1回に指示された用量をしっかり確認して使用するようにしましょう。
なお、1日1回使用する時の時間帯は特に決まりはありません。医師や薬剤師からいつ使用するかの指示がある場合はそれに従いましょう。もし時間帯の指示がない場合は、任意のタイミングで問題ありませんが、効果が切れる時間がないように、毎日の服用時間をおおよそ揃えて使用するようにしましょう。

1歳以上の子供では1回に2.5mL〜5mLを1日2回

1歳以上7歳未満の子供では1回2.5mL、7歳以上15歳未満では1回5mLをそれぞれ1日2回、朝食後と夕食後に使用します。
こちらも1回量が3mLなどになるように薬局側で調節されているケースがあるため、薬剤師に指示された量を確認して使用しましょう。

ザイザルシロップの副作用|眠気に注意

ザイザルシロップは比較的副作用が少なく、安全に使用できる薬と言えます。
ザイザルシロップは国内で行われた臨床試験では、60人中、副作用が出た症例はないという結果でした。
その他、副作用の頻度として参考になるものとして、ほぼ同じ成分であるセチリジンの副作用の傾向が参考となります。
小児においてはセチリジンのドライシロップの臨床試験の結果があり、副作用の頻度は全体で4.2%、主なものは肝機能の指標となる検査値のALT(GPT)上昇が1.3%、眠気が1.0%という内容でした。

ザイザルシロップは眠気に注意

ザイザルシロップは前述の通り、ジルテックの成分を改良し、効果の強さはそのままに眠気などの副作用が出にくくなった薬ですが、それでも一定の割合で眠気の副作用が出ることがあります。
眠気の頻度の目安となるのが、ザイザルとほぼ同じ成分のセチリジンドライシロップにおける1%という頻度です。
ただし、就寝前に飲んだ場合は眠気が出てもあまり問題になることはなく、1日2回使用する場合に、朝食後に使用するときに必要に応じて注意を払うようにしましょう。

ザイザルシロップの飲み合わせ|ステロイドとの飲み合わせは?

ザイザルは飲み合わせに注意が必要な薬がいくつかあります。
いずれも併用禁忌(併用できない)ではなく、併用注意(併用に注意が必要)というレベルであるため、絶対に併用できないわけではありませんが、併用する場合は様子を見ながら慎重に使用する必要があります。
併用注意の薬剤の詳細は以下通りです。

成分名 代表的な
製品
併用注意の理由
テオフィリン テオドール、テオロング セチリジン塩酸塩との併用により、テオフィリンの薬物動態に変化はないが、セチリジン塩酸塩の曝露量の増加が報告されている。
リトナビル ノービア セチリジン塩酸塩との併用により、セチリジン塩酸塩の曝露量の増加(40%)及びリトナビルの曝露量のわずかな変化(-11%)が報告されている。
中枢神経抑制剤
アルコール
中枢神経系に影響を与える可能性があるため、中枢神経抑制剤あるいはアルコールと併用する際は注意すること。
ピルシカイニド塩酸塩水和物 サンリズム セチリジン塩酸塩との併用により、両剤の血中濃度が上昇し、ピルシカイニド塩酸塩水和物の副作用が発現したとの報告がある。

ザイザルシロップとステロイドは飲み合わせ問題なし

アレルギーの症状が比較的重い場合にはステロイドを使用するケースもありますが、ザイザルシロップはステロイドとの飲み合わせは注意喚起されていなく、特に問題ありません。
ザイザルシロップとステロイドが処方された場合には安心して使用しましょう。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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