ザイザルの飲み合わせに関して、飲み合わせに注意が必要な薬について、それぞれの領域の薬ごとに確認していきます。
Contents
- 1 ザイザルの特徴
- 2 ザイザルとの飲み合わせが禁忌、併用注意なものは
- 3 ザイザルの解熱鎮痛剤との飲み合わせ|ロキソニン、カロナール、市販のイブ、バファリンは
- 4 ザイザルと処方薬の風邪薬との飲み合わせ|PLやカフコデなど
- 5 ザイザルと市販の風邪薬飲み合わせ|パブロンやルルは
- 6 ザイザルと他の鼻炎薬・アレルギー薬との飲み合わせ|アレグラ、アレジオン、タリオン、アレロックなど
- 7 ザイザルと抗ロイコトリエン薬との飲み合わせ|オノン、キプレス、シングレアなど
- 8 ザイザルと胃薬・胃腸薬の飲み合わせ
- 9 ザイザルとビタミン剤の飲み合わせ
- 10 ザイザルと咳止めの飲み合わせ|アスベリン、メジコン、フスコデなど
- 11 ザイザルと痰切りの飲み合わせ|ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボンなど
- 12 ザイザルと抗生物質との飲み合わせ|メイアクト、フロモックス、クラリス、ジスロマック、クラビット、ワイドシリンなど
- 13 ザイザルと抗インフルエンザ薬との飲み合わせ|タミフル、イナビル、リレンザなど
- 14 ザイザルと漢方薬の飲み合わせ
- 15 ザイザルと抗炎症薬の飲み合わせ|トランサミンなど
- 16 ザイザルとサプリメントの飲み合わせ|ビタミン剤などは
ザイザルの特徴
ザイザルはレボセチリジンを成分として含み、花粉症を含めたアレルギー性鼻炎や蕁麻疹、皮膚疾患などに対して効果が認められている薬です((ザイザル錠5mg 添付文書))。
ザイザルの特徴は、ジルテックなどのセチリジン製剤の改良版と言える薬剤であり、セチリジンの効果的な成分を取り出した薬剤(ラセミ体であるセチリジンのR-エナンチオマー)です。ジルテックなどのセチリジン製剤の半量で同程度の効果を効果を期待することができ、眠気の副作用は抑えられているという特徴があります。
子供に対してもシロップ剤では生後6ヵ月の小児から、錠剤では7歳以上の小児から使用できる第2世代抗ヒスタミン薬です((ザイザル錠5mg インタビューフォーム))。
ザイザルには錠剤とシロップ剤の2種類があり、シロップ剤は主に子供に使用、錠剤も7歳以上の小児から大人まで幅広く使われます。
ザイザルとの飲み合わせが禁忌、併用注意なものは
ザイザルは絶対に併用できない薬(併用禁忌薬)はありません((ザイザル錠5mg 添付文書))。
一方、併用に注意を要する薬として、数種類のものが併用注意薬として注意喚起されています。
ザイザルの併用注意の薬剤は以下の通りです((ザイザル錠5mg 添付文書))。
成分名等 | 代表的な薬剤等 |
テオフィリン | テオドール、テオロング |
リトナビル | ノービア |
中枢神経抑制剤 アルコール |
|
ピルシカイニド塩酸塩水和物 | サンリズム |
これらのうち特にアルコールに関しては多くの人で摂取する可能性がある成分です。併用注意の理由として、中枢神経抑制作用が増強される可能性があるため、とされており、眠気などの作用が強く出る可能性があります。ザイザルを服用中はなるべく飲酒は控えるようにし、仮に摂取する場合も最低限の量にする、時間をずらすなどの対応をするのが安全と言えます。
また、小児をはじめとした喘息患者においてはテオロングやテオドールなどのテオフィリン製剤を使用しているケースも多くあります。これらの薬剤と併用注意としている理由はザイザルの成分と同様のセチリジンの暴露量が増加する可能性があるためとされていますが、実際には併用するケースも多くあり、処方医が併用を判断しているケースでは特に問題ないと言えます。ただし、自己判断で併用するようなことは避けましょう。
その他、ザイザルと同じ抗アレルギー薬に分類されるアレグラやタリオン、アレジオン、クラリチン、アレロックなどは同じ作用となるため、基本的には併用しないことが多い薬となります。
ザイザルの解熱鎮痛剤との飲み合わせ|ロキソニン、カロナール、市販のイブ、バファリンは
ザイザルは飲み合わせの悪い解熱鎮痛薬はなく、基本的にはどの薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い解熱薬として、処方薬ではロキソニン(ロキソプロフェン)、カロナール(アセトアミノフェン)、ボルタレン(ジクロフェナク)、セレコックスなどがありますが、いずれの薬剤もよく併用され、ザイザルとの併用は問題ありません。
市販薬に関しては、イブ、バファリン、ロキソニンS、タイレノールなどの解熱鎮痛薬がありますが、いずれも併用可能な薬となります。ただし、イブリシーズにおけるエスタックイブシリーズや、バファリンシリーズにおけるバファリンかぜEX錠などの風邪薬については、総合感冒薬(風邪薬)に該当するため、これらの自己判断での併用はなるべく避けましょう。
ザイザルと処方薬の風邪薬との飲み合わせ|PLやカフコデなど
ザイザルと処方薬の風邪薬との飲み合わせは基本的に問題ありません。
PL配合顆粒やピーエイ配合錠、カフコデN配合錠などの処方薬の風邪薬では併用されるケースも多くあり、飲み合わせは問題ないと言えます。
ザイザルと市販の風邪薬飲み合わせ|パブロンやルルは
ザイザルと市販の風邪薬の飲み合わせについては、飲み合わせが明確に悪いと言えるものはないものの、少し注意が必要となります。
パブロン、ルル、ベンザブロック、コンタックなどの市販の風邪薬は注意点として、「本剤を服用している間は,次のいずれの医薬品も使用しないでください」という注意喚起がされており、アレロックはこの中の「抗ヒスタミン剤を含有する内服薬等」に該当し得る薬剤です。
このような注意が喚起がされている理由として、市販の風邪薬には第一世代の抗ヒスタミン成分が含まれているケースが多く、第2世代の抗ヒスタミン薬であるザイザルと一部作用が重なることがある点が挙げられます。
実際には第一世代の抗ヒスタミン薬と第二世代の抗ヒスタミン薬は併用されるケースも多くありますが、自己判断ではこれらの併用は避ける方が安全と言えるでしょう。
ザイザルと他の鼻炎薬・アレルギー薬との飲み合わせ|アレグラ、アレジオン、タリオン、アレロックなど
ザイザルは抗アレルギー薬に分類される薬剤であり、基本的に他の抗アレルギー薬とは併用しません。
ザジテン(ケトチフェン)、ゼスラン・ポララミン(メキタジン)、アレグラ(フェキソフェナジン)、ジルテック(セチリジン)、アレロック(オロパタジン)、タリオン(ベポタスチン)、エバステル(エバスチン)、アレジオン(エピナスチン)、クラリチン(ロラタジン)、デザレックス、ビラノア、ルパフィン、ディレグラなどとは併用しないのが一般的です。ただし、処方医の先生の判断でこれらを併用するケースもあり、その場合は医師の指示通りに使用するようにしましょう。
また、抗ヒスタミン薬の第一世代とは併用することがあり、ポララミンやレスタミン、セレスタミンなどとは併用されるケースがありますが、自己判断での併用は避けましょう。
市販の鼻炎薬についても併用はしないようにしましょう。一般的な市販の鼻炎薬には「してはいけないこと」として、他の鼻炎用薬と併用しないよう注意喚起されています。特に市販の鼻炎薬であるコンタック鼻炎ZやストナリニZに関してはザイザルとほぼ同じ成分であるセチリジンを含む薬剤であり、併用することで成分が重複することになるため、絶対に併用はしないようにしましょう。
ザイザルと抗ロイコトリエン薬との飲み合わせ|オノン、キプレス、シングレアなど
ザイザルは飲み合わせの悪い抗ロイコトリエン薬はなく、基本的にはどの薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い抗ロイコトリエン薬として、オノン(プランルカスト)、キプレス・シングレア(モンテルカスト)がありますが、いずれの薬剤もよく併用され、ザイザルとの併用は問題ありません。
ザイザルと胃薬・胃腸薬の飲み合わせ
ザイザルは飲み合わせの悪い胃薬・胃腸薬はなく、基本的にはどの胃薬・胃腸薬とも飲み合わせることができます。
一緒に使用されることが多いものとして、処方薬ではムコスタ(成分名:レバミピド)、セルベックス(成分名:テプレノン)の他、ネキシウムやオメプラール(成分名:オメプラゾール)、タケプロン(成分名:ランソプラゾール)、パリエット(成分名:ラベプラゾール)、タケキャブ、ガスター(成分名:ファモチジン)などがありますが、これらのいずれの薬剤もザイザルと併用することが可能です。
ザイザルとビタミン剤の飲み合わせ
ザイザルは飲み合わせのビタミン剤はなく、基本的にはどのビタミン製剤とも飲み合わせることができます。
一緒に使用されることが多いものとして、フラビタン(ビタミンB2)、ピドキサール(ビタミンB6)、メチコバール(ビタミンB12)、シナール(ビタミン C・パントテン酸)、ビタメジンなどがありますが、これらのいずれの薬剤もザイザルと併用することが可能です。
また、市販のビタミン剤やサプリメントのビタミンとも併用は問題ありません。
ザイザルと咳止めの飲み合わせ|アスベリン、メジコン、フスコデなど
ザイザルは飲み合わせの悪い咳止め薬はなく、基本的にはどの咳止めとも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い咳止めでは、アスベリン、メジコン(デキスロトメトルファン)、フスコデ、アストミン、フスタゾールなどがありますが、いずれの薬剤もザイザルと併用することが可能です。
ザイザルと痰切りの飲み合わせ|ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボンなど
ザイザルは飲み合わせの悪い痰切り薬はなく、基本的にはどの痰切りとも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い痰切りでは、ムコダイン(カルボシステイン)、ムコソルバン・ムコサール・ムコソレート(アンブロキソール)、ビソルボン(ブロムヘキシン)などがありますが、いずれの薬剤もザイザルと併用することが可能です。
ザイザルと抗生物質との飲み合わせ|メイアクト、フロモックス、クラリス、ジスロマック、クラビット、ワイドシリンなど
ザイザルは抗生物質や抗菌剤との併用に関して、飲み合わせの悪い薬はなく、基本的にはどの薬とも一緒に使用することができます。
具体的なその他の抗生物質・抗菌剤として、サワシリン(アモキシシリン)、オーグメンチン、メイアクト(セフジトレン)、フロモックス(セフカペン)、セフゾン(セフジニル)、クラリス(クラリスロマイシン)、ジスロマック(アジスロマイシン)、クラビット(レボフロキサシン)、オゼックス(トスフロキサシン)、ジェニナック、グレースビットなどがありますが、いずれもザイザルと併用できる薬剤です。
ザイザルと抗インフルエンザ薬との飲み合わせ|タミフル、イナビル、リレンザなど
ザイザルは飲み合わせの悪い抗インフルエンザ薬はなく、基本的にはどの薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い抗インフルエンザ薬として、タミフル、リレンザ、イナビルがありますが、いずれの薬剤もザイザルと併用することが可能です。
ザイザルと漢方薬の飲み合わせ
アレロックは飲み合わせの悪い漢方はなく、基本的にはどの漢方薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い漢方薬では風邪全般に使用される葛根湯や鼻水などに使用される小青竜湯、咳などに使用される麦門冬湯などありますが、いずれの漢方もザイザルと併用することが可能です。
ザイザルと抗炎症薬の飲み合わせ|トランサミンなど
ザイザルは抗炎症薬であるトランサミン(トラネキサム酸)とも飲み合わせは悪くなく、よく併用される薬の一つです。
ザイザルとサプリメントの飲み合わせ|ビタミン剤などは
ザイザルとサプリメントとの飲み合わせについても現時点では明確に注意が必要なものは報告されていません。ビタミン剤などとも併用することは可能です。ただし、バレリアン(セイヨウカノコソウ)などは鎮静、催眠作用が強く出る可能性もあるため、念のため注意しましょう。
その他、サプリメントは現時点では特別な注意喚起されているものはあまりありませんが、今後新しい種類のサプリメントが登場する可能性もあるため、心配な場合は医師や薬剤師の相談の上、併用するようにしましょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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