鼻風邪の症状を抑える市販の薬に関して、成分に着目し効果の強さや眠気の出にくさからなどから、ケース別のおすすめの市販薬を紹介していきたいと思います。
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症状が鼻水、鼻づまり、鼻炎、くしゃみのみの場合は抗ヒスタミン薬
そもそも鼻水、鼻づまり、鼻炎、くしゃみが起こる原因の一つにヒスタミンという物質が関わっています。風邪などによって異物が鼻に入ると、体からヒスタミンが分泌され、鼻水をだして異物の侵入を防いだり、くしゃみで異物を外に出すような作用が起きます。
したがって、鼻水、鼻づまり、鼻炎、くしゃみなどの症状を抑える手段の一つとして、このヒスタミンの効果を抑えるという方法があり、その作用を有する薬を抗ヒスタミン薬(抗ヒスタミン成分)と言います。抗ヒスタミン薬は大まかに古くに開発された第一世代と副作用などの面で改善されている第二世代に分かれます。
まずは、症状が鼻水、鼻づまり、鼻炎、くしゃみなどの鼻風邪の症状が特に強い場合のおすすめを紹介したいと思います。
鼻水、鼻づまり、鼻炎、くしゃみでおすすめはアレジオン
鼻水、鼻づまり、鼻炎、くしゃみの症状を抑えるのでおすすめの市販薬が、エピナスチンという第二世代の抗ヒスタミン成分を含むアレジオン10です。おすすめの理由としては以下の2点が挙げられます。
・1日1回で効果が出る
・眠気がかなり出にくい
1日1回でいいという点は忙しい方には大きなメリットではないでしょうか。飲み忘れのリスクも減りますし、薬を職場や外出先に持ち歩く必要も無くなりますよね。また、眠気が出にくいというのも大きなメリットの一つです。
そもそも抗ヒスタミン成分の特徴として、副作用で眠気が出るというものがあります。アレジオンの成分であるエピナスチンはこの眠気が抗ヒスタミン成分の中でもかなり出にくい部類に属します。さらに眠気が出にくい市販薬にアレグラFXが挙げられますが、残念ながらアレグラは1日2回の使用が必要となっており、アレジオンの1日1回より服用回数が多いというデメリットがあります。
アレジオンは眠気が多少出ても寝る前でしたらあまり問題になりませんので、1日1回というのは大きなメリットですね。また、価格のコストパフォーマスも結果として1日1回のアレジオンの方が良くなります。
以上の理由からアレジオンを第一のおすすめとしたいと思います。
より強い効果を望むならストナリニ・サットがおすすめ
さて、1日1回で済む点と眠気ができにくい点からアレジオンをおすすめとしましたが、鼻水、鼻づまり、鼻炎、くしゃみなどの症状に対してより強い成分を望む場合は、第一世代の抗ヒスタミン薬がおすすめです。
一般的に第一世代の抗ヒスタミン薬は、眠気が出やすい、1日数回の服用が必要という特徴もあったりしますが、抗ヒスタミン作用は第二世代より第一世代が強いと言われています。
第一世代の抗ヒスタミン成分を含むものでおすすめしたいひとつが、ストナリニ・サットです。
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩という強力な抗ヒスタミン成分を含んでおり、ベラドンナ総アルカロイドというこちらも鼻風邪の症状に対して効果のある成分も配合されています。また、特に鼻づまりに効果のあるフェニレフリン塩酸塩も含まれてます。
眠気の副作用が懸念されますが、無水カフェンインを含むことで多少は緩和されるのと、1日3回服用する煩雑さは、水なしでどこでも服用できるという製剤的な特徴が多少は補ってくれます。
アレジオンなどの第二世代の抗ヒスタミン成分を含む薬か、ストナリニ・サットの第一世代の成分を含む薬を選ぶかは、自分の現在の症状や生活スタイルで判断するのでいいでしょう。
発熱や喉の痛み、咳があるときは総合感冒薬がおすすめ
風邪による鼻水、鼻づまり、鼻炎、くしゃみなどの症状がある場合は、その他に熱や喉の痛み、咳がある場合もあるかと思います。もしそれらの症状を全てカバーしたい場合は、鼻炎用薬ではなく、風邪の症状全般に効くいわゆる総合感冒薬がおすすめです。
今回は総合感冒薬の中でも特に鼻水、鼻づまり、鼻炎、くしゃみなどに効果が期待出来き、かつその他に気になる症状ごとにおすすめを紹介します。
鼻風邪の他に特に咳や痰が気になるときはストナジェルサイナスS
鼻風邪の鼻水、鼻づまり、鼻炎、くしゃみといった症状はもちろん、咳や痰の症状も気になるケースがあると思います。その場合におすすめしたいのがストナジェルサイナスSです。
ストナジェルサイナスSは鼻水、鼻づまり、鼻炎、くしゃみなどに効果が有る成分として、抗ヒスタミン成分のジフェニルピラリン塩酸塩、鼻粘膜に作用し鼻水、鼻づまりを抑えるdl-メチルエフェドリン塩酸塩、鼻腺に作用し、鼻水を抑えるベラドンナ総アルカロイドの3つの成分が含まれています。
これらの成分により鼻水に対しては十分な効果が期待できますね。その他に、ストナジェルサイナスSには咳に有効な成分が2種類含まれています。
咳に有効な成分の一つ目がジヒドロコデインリン酸塩です。ジヒドロコデインリン酸塩は脳の咳中枢に直接作用して咳を鎮める効果を持っています。その作用は市販薬で使用される成分の中では最も強力なものの一つであり、十分な効果が期待できるでしょう。
咳に有効な成分の二つ目がノスカピンです。こちらの成分も咳中枢に働きかけて咳を鎮める効果を示します。ジヒドロコデインリン酸塩よりも効果は弱いとされてますが、即効性があるとされており、ジヒドロコデインリン酸塩と組み合わせることで、即効性かつ効果も十分ということになります。
ストナジェルサイナスSは上記のように鼻水、鼻づまり、鼻炎、くしゃみなどの症状の他、咳に対しても十分な効果が期待できます。
鼻風邪の他に特に喉の痛みが気になるときはベンザブロックSプラス
ベンザブロックSプラスは鼻水、鼻づまり、鼻炎、くしゃみなどに効果が有る成分として、抗ヒスタミン成分のd-クロルフェニラミンマレイン酸塩、鼻粘膜に作用し鼻水、鼻づまりを抑えるdl-メチルエフェドリン塩酸塩、鼻腺に作用し、鼻水を抑えるヨウ化イソプロパミドの3つの成分が含まれています。
こちらもこれらの成分により鼻水に対しては十分な効果が期待できます。その他に、ベンザブロックSプラスには喉の痛みにも有効な成分が含まれています。
喉の痛みに有効な成分の一つ目がアセトアミノフェンです。こちらは解熱鎮痛の成分であり、熱を下げる作用の他、痛みに対しても効果があります。喉の痛みの他、関節などの痛みにも効果が有るため、様々な風邪薬に使われてい成分の一つです。
喉の痛みに有効な二つ目の成分がトラネキサム酸です。トラネキサム酸は抗炎症作用により喉の痛みや腫れに効果を示します。
なお、熱に関してはストナジェルサイナスSもベンザブロックSプラス共に、アセトアミノフェンが1日量として900mg配合されてますので、効果にあまり差はないでしょう。
鼻づまりが特にひどい場合は点鼻薬がおすすめ
最後に特に鼻づまりがひどい場合に、直接鼻に作用させる市販薬がおすすめです。
直接鼻に作用させる薬は点鼻薬といわれ、効果が実感しやすいものが多いですが、長期間使用したり、1日で何回も使用したりすると、逆に鼻づまりが悪化する可能性もあるため、本当につらいときだけ使用し、長くても一週間程度に留め、長期の使用は避けましょう。
鼻粘膜血管を収縮させるナザールスプレー
ナザールスプレーはナファゾリンという血管を収縮させる成分を含んでいる点鼻薬です。鼻づまりは鼻粘膜の血管が拡張している状態であり、ナザールスプレーはこれを収縮させるため、鼻づまりに効果があります。
ナザールスプレーはナファゾリンの他にも抗ヒスタミン成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩や殺菌成分のベンザルコニウム塩化物を含んでいます。
痛みやかゆみが強い場合は局所麻酔を含むベンザ鼻炎スプレー
鼻づまりで痛みやかゆみが強い場合は麻酔作用のあるものを含む点鼻薬がおすすめです。ベンザ鼻炎スプレーは血管収縮成分として、テトラヒドロゾリン塩酸塩を含んでおり、さらに麻酔作用を示すリドカインを含みます。リドカインは鼻の粘膜の感覚を鈍らせるため、一時的に鼻の苦しさが軽減されます。非常に効果を実感しやすいですが、前述の通り、頻回に使用しすぎないよう注意しましょう。
ベンザ鼻炎スプレーにはその他、抗ヒスタミン成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩と殺菌成分のベンゼトニウム塩化物を含みます。
終わりに
今回は風邪をひいたときの鼻水、鼻づまりに効く市販薬について、ケース別におすすめの薬を紹介しました。これらはいずれも決められた用法用量で使うことにより、効果が発揮されやすくなり、副作用も最小限にできます。用法用量をしっかり守り風邪の症状を抑えましょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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