イミグランの効果や副作用、薬価やジェネリックについて

イミグランは錠剤の他、注射や点鼻薬もある片頭痛(偏頭痛)の治療薬です。イミグランの片頭痛に対する効果や副作用、薬の値段である薬価やジェネリック、授乳中の使用などについて添付文書などから解説していきます。

イミグランの錠剤、注射、点鼻薬の種類

イミグランはスマトリプタンという成分を含み、トリプタン系というグループに分類される主に片頭痛の治療に使われる薬です。
イミグランの薬の種類として飲み薬のイミグラン錠50、鼻からさす点鼻薬のイミグラン点鼻液20、注射で使用するイミグラン注3、イミグランキット皮下注3mgがあります。効果が出るまでの時間は注射が最も速いとされており、さらに錠剤よりも点鼻薬の方が速いと考えられますが、使いやすさという点ではやはり錠剤が最もポピュラーな薬の使い方ができる飲み薬です。また、イミグランキット皮下注3mgは患者さん本人が使用できる自己注射という形の注射剤となります。

イミグランの片頭痛に対する効果

イミグランは片頭痛に対して効果がある薬です1)2)。また、注射剤のみ群発頭痛にも効果が認められています3)4)
片頭痛は脳血管内の血小板からセロトニンという物質が異常に放出され、これに反応して血管が収縮し、血流障害が起きた後、セロトニンの枯渇に伴い、血管が拡張して血管周囲の脳神経の一つである三叉神経を刺激し、痛みの伝達物質でもあるサブスタンスPと言われる物質などが放出されることによって引き起こされます3)。群発頭痛に関して原因があまりわかっていないものの、やはりセロトニンが関与しているとされています。
イミグランはこのセロトニンのような働きをすることによって、セロトニンが枯渇し拡張した血管を収縮させ、片頭痛に効果を示します。
イミグランの効果が出るまでの時間は注射薬が最も早く10分程度、次が点鼻薬で15分程度、飲み薬の錠剤に関しては30分程度で現れると言われています5)
なお、イミグランイミグランキット皮下注3mgに関しては非常に高い有効率が確認されており、片頭痛、群発頭痛いずれに対しても93.9%で効果が認められたという結果が得られています4)。また、片頭痛に関しては投与10分で30.3%に効果、投与20分で51.5%に効果、投与30分で75.8%に効果、投与60分で93.9%に効果が認められたという結果でした。
1) イミグラン錠50 添付文書
2) イミグラン点鼻液20 添付文書
3) イミグラン注3 添付文書
4) イミグランキット皮下注3mg 添付文書
5) 今日の治療薬2016 解説と便覧

イミグランの副作用

イミグランの副作用の主な副作用は吐き気や嘔吐、体の痛み、眠気、動悸、めまい、倦怠感(だるさ)などとされています。一般的に点鼻薬は副作用が少ない傾向がありますが、点鼻薬に特徴的な副作用(鼻炎や鼻を刺激される症状)がでることがあります。また、注射にも熱感(熱っぽい感覚)がでやすい特徴があります。
イミグランの薬価とジェネリック
イミグランの各剤型の薬価は錠剤が1錠あたり763.9円、イミグラン点鼻液が1個あたり1073.4円、イミグラン注3は3100.0円、イミグランキット皮下注3mgは2934.0円となっています。
また、イミグランの錠剤にはジェネリック医薬品が販売されており、こちらは薬価が半額程度の値段となるため、より安価に使用することができるようになっています。ジェネリック医薬品を希望する場合は薬局にてその旨を伝えましょう。

イミグランの授乳中の使用

イミグランは授乳中の場合、薬を使用後12時間は授乳を避けることが注意喚起されています。その理由は人への母乳中に薬の成分が移行することが知られているからです。イミグランの血中での薬の濃度が半分になる時間がおよそ2時間弱であるため、12時間経てば体の中にはほとんど薬の成分が残っていないと考えられます。

授乳中の婦人には本剤投与後12時間は授乳を避けさせること[皮下投与後にヒト母乳中へ移行することが認められている]

イミグラン 添付文書

薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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