トミロンの小児・子供への使用|使用する量や副作用、飲み合わせ、錠剤の使用についても

トミロンの特徴、小児の使用、錠剤の使用、年齢別の量、小児での副作用などについて添付文書等から解説していきます。

トミロンの特徴と小児の使用

トミロンはセフテラムを成分とする抗生物質であり、中耳炎や副鼻腔炎、膀胱炎、風邪が悪化した際の咽頭・喉頭炎などに使用される薬剤です((トミロン錠50/トミロン錠100 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/480297_6132009F1023_1_19.pdf))。
トミロンの特徴として、幅広い菌種に効果があり、歯科領域や小児に対してもよく使われる薬のひとつです。
トミロンには錠剤のトミロン錠50、トミロン錠100、主に子供で使用されるトミロン細粒小児用10%、トミロン細粒小児用20%の種類があります。

トミロンの小児への適応、効果

トミロンは小児にも使用される薬です。ただし、トミロンの錠剤は15歳未満の小児に対する具体的な用量は設定されていません。
小児の場合はトミロン細粒を使用するケースが多いと言えます。
トミロンの適応は菌種として溶連菌を含むレンサ球菌属や肺炎球菌、インフルエンザ菌など幅広く、疾患としては中耳炎や副鼻腔炎、膀胱炎、風邪が悪化した際の咽頭・喉頭炎など様々です。小児と15歳以上の成人とでは適応症が少し異なり、尿道炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎などは15歳以上の成人のみ、逆に猩紅熱は15歳未満の小児のみの適応となります。
トミロン錠、トミロン細粒の効能効果の詳細は以下の通りです。

<適応菌種>
セフテラムに感性のレンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属
<適応症>
●咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染
●膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎
●バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎
●中耳炎、副鼻腔炎
●歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

トミロン錠50/トミロン錠100 添付文書

小児
<適応菌種>
セフテラムに感性のレンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌
<適応症>
咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱

トミロン細粒小児用10% 添付文書

トミロンは咳や鼻水を抑える薬ではない

トミロンは抗生物質であり、その効果は菌が増えるのを防ぐ作用です。急性疾患に伴う咳や鼻水、熱などに対して直接鎮める作用はありません。症状に対しては咳に対しては鎮咳薬、鼻水に対しては抗アレルギー薬、熱や痛みに対しては解熱鎮痛薬が併用されることがあります。
ただし、トミロンは疾患を引き起こす原因である菌に対して作用する原因療法であるため、効果が得られた場合は、副次的にそれらに伴う症状(咳、鼻水、熱、痛みなど)を改善していくため、間接的にこれらの症状に効果があるとも言えます。

トミロンの小児の用量|年齢別の使用量、錠剤の使用は

トミロンには錠剤のトミロン錠50、トミロン錠100、粉薬のトミロン細粒小児用10%、トミロン細粒小児用20%があります。それぞれの用量を確認していきます。

トミロン錠の小児の用量

トミロンの錠剤は前述の通り、小児に対する具体的な用法用量は設定されていませんが実際には錠剤が使用されるケースもあります。
トミロン細粒の用量を参考にすると、体重kgあたり3〜6mgを1回量として使用しますが、体重が30kgの場合などでは1回量は90mg〜180mgとなり、1回50〜200mg使用する成人の量と差がありません。このような場合は錠剤を使用しても安全性はあまり問題ないと言えるため、医師の判断で錠剤が使用されるケースがあります。

トミロン細粒の小児の用量

トミロン細粒は体重別に用量が設定されています。
通常は体重kgあたり1回3〜6mgを使用します。トミロン細粒10%が1gあたり100mgの成分、トミロン細粒20%は1gあたり200mgの成分を含みます。したがって、トミロン細粒10%の場合、10kgであれば1回0.3〜0.6g、20kgであれば0.6〜1.2g、30kgであれば0.9〜1.8gを使用、トミロン細粒20%の場合、10kgであれば1回0.15〜0.3g、20kgであれば0.3〜0.6g、30kgであれば0.45g〜0.9gを使用するのが一般的です。

○小児
通常、小児に対しては、セフテラム ピボキシルとして1日量9~18mg(力価)/kgを3回に分割して経口投与する。

トミロン細粒小児用10% 添付文書

トミロン細粒の新生児の使用

トミロン細粒は安全性が高い薬のひとつですが、新生児に対しては安全性は確立されていないとされています。

実際には使用される可能性はありますが自己判断で使用するようなことは避けましょう。

小児等への投与
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。

トミロン細粒小児用10% 添付文書

トミロン細粒の小児の飲ませ方|味はイチゴ味|飲み物、食べ物に混ぜるのは

トミロン細粒はイチゴの味がついており、小児でも比較的飲みやすい味となりますが、もともとは苦みがある成分のため、飲ませ方にも注意しましょう。
一般的な飲ませ方として、水に入れて飲む、小さい子供の場合は少量の水を加え、きれいに洗った指先につけ、子供の上顎、頬の内側に塗ったあと、水をのませるなどの方法があります((トミロン細粒 お子さまにこな薬を上手にのませるために))。
水以外でもジュース、スポーツドリンク、乳酸飲料など、子供の好みに応じた飲み物と混ぜて使用できます。ただし、ミルクに混ぜて飲ませると味が変わり、ミルクを嫌う可能性があるため、なるべく避けましょう。また、水やオレンジジュースでかき混ぜすぎると苦味が出ることがあるので注意しましょう。
その他、砂糖、粉末クリームを加えたり、ジャム、シロップ、水飴、ハチミツなどの甘いものや、アイスクリーム、シャーベット、ヨーグルト、ゼリーなどの冷たいものに混ぜても大丈夫です。ただし、混ぜた状態での保存は避けましょう。

トミロンの小児の飲み合わせ

トミロンを小児に使用する場合の飲み合わせに関して、飲み合わせが悪い薬はなく、基本的にどの薬とも一緒に併用することができる薬です。
トミロンと一緒に使用されることが多い薬として、解熱鎮痛剤のカロナール(アセトアミノフェン)、ポンタール(メフェナム酸)、抗アレルギー剤のアレグラ(フェキソフェナジン)、アレジオン(エピナスチン)、アレロック(オロパタジン)、クラリチン(ロラタジン)、ザイザル(レボセチリジン)、ジルテック(セチリジン)、ザジテン(ケトチフェン)、ゼスラン・ニポラジン(メキタジン)、ヘリアクチン、去痰薬のムコダイン(カルボシステイン)、ムコソルバン(アンブロキソール)、ビソルボン(ブロムヘキシン)、鎮咳薬のアスベリン、メジコン、抗ロイコトリエンのオノン(プランルカスト)、キプレス・シングレア(モンテルカスト)、気管支拡張薬のメプチン(プロカテロール)、ホクナリン(ツロブテロール)などがありますが、いずれも併用することができる薬です。

トミロンを小児に使用する場合の時間、間隔は

トミロンの一般的な用法は1日3回食後に使用となりますが、小児の場合は食事が不規則であったり、決まった時間に服用できないこともあります。その場合、4時間程度の間隔を設ければ比較的安全に使用できると言えるでしょう。

トミロンの小児の副作用|下痢の症状、眠気の有無など

トミロンの小児における副作用に関して、トミロン細粒10%の再審査時における結果が参考となります((トミロン インタビューフォーム http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/480297_6132009C1086_1_005_1F))。
トミロン細粒を使用した6,218例のうち、副作用の発現率は1.96%とされています。
最も注意するべき副作用は下痢、軟便などの消化管障害であり、頻度として1.25%であったとされています。
トミロンで下痢が出てしまう理由は、トミロンの成分であるセフテラムが体内の細菌に対して殺菌的な効果を発揮する際、腸内の環境を整えている細菌に対しても影響を及ぼしてしまうことがあるためです。従って、トミロンの投与により下痢が起こることはやむを得ない面もあり、基本的にはトミロンの使用を止めればほとんどのケースで回復するため、大きな心配は要りません。
ただし、あまりに症状がひどい下痢が続く場合は医師に相談し、服薬を継続するか判断を仰ぎましょう。また、日常的に腸が虚弱な体質の方などでは医師に相談するとビオフェルミンRなどの整腸剤を予め処方してもらえるケースもありますので、必要に応じて相談しましょう。
その他、眠気の副作用に関しては認められておらず、添付文書上でも副作用として注意喚起はありません。トミロンは小児において眠気の副作用はまずないと言えるでしょう。
その他、注意が必要な副作用として、低カルニチン血症に伴う低血糖が挙げられます。
低カルニチン血症はトミロンを含む、ピボキシル基を有する抗生物質を乳児に投与した症例に対して、投与期間が短い症例においても低カルニチン血症に伴う低血糖の報告が集積されており、比較的近年、注意喚起されている副作用です。
トミロンを含めたピボキシル基を有する抗菌薬は、消化管吸収を促進する目的で、活性成分本体にピバリン酸がエステル結合されています。これらの薬は吸収後、代謝を受けてピバリン酸と活性本体になり、ピバリン酸はカルニチン抱合をうけピバロイルカルニチンとなり、尿中へ排泄されます。この結果、血清カルニチンが低下することが知られています。カルニチンは、ミトコンドリア内での脂肪酸β酸化に必須な因子です。空腹、飢餓状態では通常、脂肪酸β酸化によって必要なエネルギーを確保し、糖新生を行います。しかし、カルニチン欠乏状態だと脂肪酸β酸化ができず、糖新生が行えないため、低血糖を来たします((PMDAからの医薬品適正使用のお願い 2012年4月))。
また、重要な基本的注意として、血清カルニチンが低下する先天性代謝異常であることが判明した場合には投与しないよう注意喚起されています((トミロン細粒小児用10% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/480297_6132009F1023_1_19.pdf))。
低血糖の症状であるふるえや痙攣、意識障害などの症状が見られた場合はすぐに医師の診察を受けるようにしましょう。
 
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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