子供多いとされる溶連菌感染症について、その特徴や診断方法、使われる薬やその副作用、市販薬での対処の可否や、出席停止期間について確認していきます。
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溶連菌感染症はどんな病気
溶連菌感染症は正式には溶血性連鎖球菌の感染によって起こる病気です。主な症状は喉が痛くなく咽頭炎であり、時には舌にいちごのような赤いブツブツができる苺舌や赤い発疹がでる猩紅熱(しょうこうねつ)という症状を引き起こします。また、発熱したり、吐き気や実際に嘔吐してしまうケースもあります。風邪と異なる点として、熱や鼻水はあまり見られないという特徴もあります。
一年中感染する可能性のある疾患ですが、比較的感染しやすい時期として12月〜3月の冬場と5月〜6月の初夏の時期が挙げられます。
溶連菌は数分で診断できる
溶連菌は主に抗原迅速検査という検査方法で診断されることが一般的になっています。この方法は綿棒などで、のどから菌を採取し、数分で溶連菌に感染しているか調べることができます。
溶連菌に対しては抗生物質の薬を10日程度使用する
溶連菌感染症と判明したら抗生物質を用いた薬による治療を行うのが一般的です。
よく使われる薬の一つがサワシリン細粒です。ペニシリン系と呼ばれる抗生物質の一つであり、合計10日間程度処方されることが一般的です。
抗生物質の効果が現れると早ければ一晩で喉の痛みが治まり、発疹の症状や、熱も下がり始めます。
抗生物質を使用する上で重要なことは、症状が治まっても自己判断で薬の使用を中止しないことです。症状が治まっても実際には細菌がまだ体の中に残っていることがあり、中途半端な状態で薬の使用を中止すると腎炎などの合併症にかかる可能性もあります。処方された分の抗生物質は必ず飲みきるようにしましょう。
また、溶連菌に感染した場合は、治療後の2〜4週間後に尿検査を受けると腎炎などに罹っていないかなどが確認できます。出来る限りこれらの検査も実施するようにしましょう。
溶連菌の治療の薬で起こる副作用は下痢
溶連菌の治療薬の抗生物質を使用した際に比較的よく見られる副作用の一つに下痢があります。
抗生物質は細菌を殺す作用を持っていますが、病気をもたらす細菌の他に、身体にもともと必要な腸内細菌などに対しても影響を与えます。これらの影響により腸内のバランスが崩れて下痢が起きてしまいます。このような理由があるため、抗生物質には下痢の副作用がつきものであり、あまり重症でなければ下痢が起きてもしばらくは様子見でも問題ありません。ただし、あまりひどい下痢が続くような場合は、別に原因がある可能性もありますので、医師に相談するようにしましょう。
溶連菌に効く薬は市販では買えない
溶連菌感染症は比較的起きやすい疾患のひとつであり、その症状から一般の方でも溶連菌感染の可能性を考えるケースも中にはあるかと思います。そういった時に市販の薬で対処したいということを考えるかもしれませんが、残念ながら溶連菌に効果のある薬は市販では買えません。
そもそも溶連菌感染症は経験豊富な医師でも見た目だけでは風邪などの疾患と鑑別しにくいとされています。必ず医師の診察を受けて適切な薬を処方をしてもらうようにしましょう。
溶連菌に感染した時の出席停止期間は2〜3日
最後に溶連菌感染症の出席停止期間も確認しましょう。
溶連菌に感染した時は一般的に治療を開始して回復傾向に向かえば2〜3日経過後に登園や登校が可能となります。
ただし、この点も基本的には医師の判断になるため、初回の診察時や再診の際に登園や登校の再開のタイミングについて医師と相談しておくようにしましょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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