フロベンの効果や副作用|強さや川崎病での使用、ロキソニンとの違いなども

フロベンの特徴、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、授乳中・妊娠中の使用、薬価、ジェネリック、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

フロベンの特徴

フロベンはフルルビプロフェンを成分とし、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛、歯の炎症などに対して効果があるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)に分類される解熱鎮痛薬です1)
フロベンの特徴はプロスタグランジン合成阻害作用により、強力な抗炎症作用、速効的な鎮痛作用を発揮する点です2)
フロベンには通常の錠剤であるフロベン錠40と、粉の薬であるフロベン顆粒8%が販売されています。
1) フロベン錠40/フロベン顆粒8% 添付文書
2) フロベン錠40/フロベン顆粒8% インタビューフォーム

フロベンとロキソニンとの違いや併用

フロベンと同じNSAIDsに分類される解熱鎮痛剤の代表格としてロキソニンが挙げられます。
フロベンとロキソニンは基本的な作用機序は同じですが、その違いとしてまず挙げられるのが効能効果の違いです。ロキソニンは肩関節周囲炎や頸肩腕症候群の他、風邪などの上気道炎における解熱鎮痛としても効能効果が認められています。
また、市販されているかという違いもあり、フロベンは市販薬としてはありませんが、ロキソニンは市販薬としても買うことができます。
薬の価格である薬価はフロベン錠40の1錠が15.7円であるのに対し、ロキソニン錠が1錠あたり15.9円であり大きな差はないと言えます。
なお、フロベンとロキソニンは基本的には併用されるケースはあまりありません。医師からの特別な指示があるような場合を除き、自己判断で併用するのは避けましょう。

フロベンの効果

フロベンの関節リウマチ、変形性関節症、腰痛、歯の炎症などに対して効果があります。
フロベンの効能効果の詳細は以下の通りです。

○下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、歯髄炎、歯根膜炎
○抜歯並びに歯科領域における小手術後の鎮痛・消炎

フロベン錠40/フロベン顆粒8% 添付文書

フロベンの作用機序

フロベンのの主な作用機序はシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害によるプロスタグランジン生合成の抑制です1)
フロベンはCOXという酵素を阻害し、痛みの原因の一つであるプロスタグランジンという物質の生合成を阻害することによって鎮痛効果がもたらされます。
1) フロベン錠40/フロベン顆粒8% 添付文書

フロベンの生理痛への効果の有無

生理痛に関してはフロベンの効能効果には明記されていません。生理痛もプロスタグランジンが関与しており、前述の通りフロベンの作用機序はプロスタグランジン産生阻害であるため、実際には生理痛などへの痛みに対しても効果が得られる可能性があります。しかし、フロベンは併用することができない薬(併用禁忌薬)などの制限もあり、ロキソニンなどと比較すると重篤な高血圧症のある患者も禁忌事項に挙げられているため、医師からの特別な指示があるような場合を除き、自己判断で生理痛に使用するのは避けるようにしましょう。

フロベンの効果の強さ

フロベンの強さとして参考になるデータが製薬会社の資料にあります1)
抗炎症作用を確認した動物実験ではアスピリンより強力、インドメタシンとは同等以上の作用が確認されています。
鎮痛作用を確認した動物実験ではアスピリンより強力であることが確認されています。
プロスタグランジン生合成阻害作用を確認した動物実験ではインドメタシン、ジクロフェナクよりも強い作用を持つことが確認されています。

フロベンは45.9〜90.3%の有効率

フロベンの実際の患者さんに対する効果は臨床試験において確認されています。
一例として腰痛には59.5%が有効以上、87.7%でやや有効以上の有効率が得られています。

疾患名 有効率 (%)
有効以上
有効率 (%)
やや有効以上
関節リウマチ 34/74 (45.9) 62/74 (83.8)
変形性関節症 57/123 (46.3) 94/123 (76.4)
腰痛症 194/326 (59.5) 286/326 (87.7)
歯髄炎 88/165 (53.3) 136/165 (82.4)
歯根膜炎 95/155 (61.3) 140/155 (90.3)
抜歯並びに歯科領域における
小手術後の鎮痛・消炎
276/407 (67.8) 355/407 (87.2)

1) フロベン錠40/フロベン顆粒8% 添付文書

フロベンの使い方

フロベンの一般的な使い方として、錠剤では1回1錠を1日3回食後に使用、もしくは症状が強いときに1回1〜2錠を使用します。
フロベンの用法用量の詳細は以下の通りです。

フロベン錠40
通常、成人1回1錠、1日3回 (3錠/日、フルルビプロフェンとして120mg/日) 食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。頓用の場合には、1回1~2錠 (フルルビプロフェンとして40~80mg) を経口投与する。
フロベン顆粒8%
通常、成人1回0.5g、1日3回 (1.5g/日、フルルビプロフェンとして120mg/日) 食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。頓用の場合には、1回0.5~1g (フルルビプロフェンとして40~80mg) を経口投与する。

フロベン錠40/フロベン顆粒8% 添付文書

フロベンは川崎病に用いる場合も

フロベンは川崎病における抗血栓療法でも用いられるケースがあります。
日本小児循環器学会による川崎病急性期治療のガイドラインでは、アスピリン肝障害の強い時の代替としてフロベンが挙げられており、投与量は体重1kgあたり3〜5mgを1日3回に分けて使用するとしています3)
3) 川崎病急性期治療のガイドライン 日本小児循環器学会

フロベンの小児の使用

フロベンは15歳未満の小児の使用に関しては、禁止はされていないものの使用経験が少ないため、安全性が確立していないとされています。

【使用上の注意】
7. 小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

フロベン錠40/フロベン顆粒8% 添付文書

実際に小児に対して使用するかは医師の判断となるため、自己判断で使用することは避けましょう。

フロベンのインフルエンザでの使用

インフルエンザの際にフロベンの使用は禁止されてはいませんが推奨もされていません。
インフルエザの際に解熱目的で最も使用される解熱剤はカロナールなどのアセトアミノフェン製剤です。逆にインフルエンザ脳症やライ症候群のリスクから使用するのが望ましくないとされているのが、ボルタレンなどのジクロフェナク製剤、ポンタールなどのメフェナム酸製剤、アスピリンなどです。
フロベンは積極的な推奨はされていませんが、禁止もされていないため、医師からの指示であればインフルエンザのときにも使用して問題ないといえるでしょう。ただし、自己判断では使用しないようにしましょう。

フロベンの副作用

フロベンの主な副作用は胃部不快感(1.56%)、食欲不振(1.03%)、悪心(0.81%) 等の消化器症状、発疹(0.24%)、そう痒感(0.22%)、浮腫(0.21%)などとされています1)
正しい使用法であれば副作用に関して大きな心配はいらないと言えるでしょう。
なお、薬の副作用の定番と言える眠気に関しては、フロベンでは0.1%未満の頻度とされており1)、実際に経験することはあまりないと言えます。フロベンの成分はいわゆる眠気を引き起こす成分とは言えないため、基本的には眠気に関する心配は必要ないでしょう。
1) フロベン錠40/フロベン顆粒8% 添付文書

フロベンの飲み合わせ

フロベンは他の薬との飲み合わせに関して、併用できない薬(併用禁忌薬)、併用に注意が必要な薬(併用注意薬)がいくつかあります1)
フロベンと併用できない薬(併用禁忌薬)として、キノロン系の抗菌剤の一部が注意喚起されています1)。具体的にはエノキサシン、ロメフロキサシン(バレオン)、ノルフロキサシン(バクシダール)、プルリフロキサシン(スオード)が挙げられます。併用禁忌とされている理由として痙攣の症状が現れた報告があるためです。
フロベンを使用中は別の病院、クリニックにかかる場合にも必ず使用している旨を伝えるようしましょう。
併用に注意が必要な薬(併用注意薬)としては以下のものがあります。

成分名等 代表的な薬剤
ニューキノロン系抗菌剤
(禁忌のものは除く)
クラビット
クマリン系抗凝血剤 ワーファリン
メトトレキサート メトレート、リウマトレックス
リチウム製剤 リーマス
チアジド系利尿薬
ループ利尿薬
ラシックス
副腎皮質ホルモン剤 プレドニン
CYP2C9阻害作用を有する薬剤 デプロメール、タガメット

1) フロベン錠40/フロベン顆粒8% 添付文書
キノロン剤のクラビットなどは風邪が悪化したときなどでも処方されるケースがあるため注意しましょう。

フロベンの授乳中の使用

フロベンは授乳中に使用する場合は基本的に授乳を中止するよう注意喚起されています。

授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。
[母乳中へ移行することが報告されている。]

フロベン錠40/フロベン顆粒8% 添付文書

上記の注意喚起がされている理由として、フロベンの成分は乳汁中に移行することが報告されているためです。しかし同時にその量はごく少量であることも記載されています2)

なお、国立成育医療研究センターの妊娠と薬情報センターの見解では、フロベンは「授乳中に安全に使用できると思われる薬」として分類されており4)、実際には大きなリスクはないと考えられています。

実際に授乳中にフロベンを使用するかは、処方医の先生の判断となります。フロベンに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は授乳中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

2) フロベン錠40/フロベン顆粒8% インタビューフォーム
4) 国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター

フロベンの妊娠中の使用

フロベンは妊娠後期では禁忌とされ、使用することはできません。それ以外の妊娠期間では治療の有益性が危険性を上回る場合のみ使用と注意喚起さており、実際に使用するかは医師の判断となります。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊娠後期には投与しないこと。
[妊娠後期のラットに投与した実験で、分娩遅延及び胎児の動脈管収縮が認められている。
2.妊婦 (妊娠後期以外) 又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

フロベン錠40/フロベン顆粒8% 添付文書

上記のような注意喚起がされている理由として、妊娠後期のラットにフルルビプロフェンを投与した実験で、胎児の動脈管収縮が高度であったとが理由として挙げられています2)

実際に妊娠中にフロベンを使用するかは、授乳中と同様に処方医の先生の判断が必要です。フロベンに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は妊娠中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

フロベンの薬価、ジェネリック

フロベンの2016年4月改定(2018年3月まで)の薬価はフロベン錠40で1錠あたり15.7円、フロベン顆粒8%で1gあたり31.2円となっています。
なお、フロベン錠40にはジェネリック医薬品が販売されており、アップノン錠40mgという製品名で販売されています。薬価は1錠あたり6.2円であり、フロベン錠よりも安価で手に入ります。フロベン顆粒にはジェネリック医薬品はありません。

フロベンの市販での購入

フロベンの成分であるフルルビプロフェンは市販薬の成分としては販売されておらず、市販では購入できません。
痛み止めを市販で購入したい場合はロキソニンの成分であるロキソプロフェン、それに近い成分であるイブプロフェン、カロナールの成分であるアセトアミノフェンなどを含んだ市販薬が一般的となります。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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