コカールの子供における発熱や頭痛などの使用について、何時間あけるかの間隔や何錠使用するかの量、あけるべき間隔などのついて添付文書等から解説していきます。
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コカールの子供への使用
コカールはアセトアミノフェンの成分を含む解熱鎮痛剤であり、頭痛や歯痛、風邪などに使用され、特に子供の小児科領域の解熱・鎮痛作用も効果が認められている薬です((コカール錠200mg/コカールドライシロップ40% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/300297_1141007F1071_1_21.pdf))。
コカールの特徴として、解熱鎮痛剤の中でも特に安全性が高く、小児でも安全に使用できる薬です。ロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と比較し、消化性潰瘍の発生が少なく((Pocket Drugs 2017, 医学書院))、胃に負担がかかりにくい特徴もあります。
また、コカールの成分であるアセトアミノフェンはインフルエンザの発熱に対しても解熱剤として使われることがあり、日本小児科学会からもインフルエンザでの解熱で使用が推奨されています。
コカールは1歳未満の子供に対しても使用できる薬であり、乳児においても使われるケースがあります。
コカールには錠剤のコカール錠200mgの他、粉薬であるコカールドライシロップ40%、コカール小児用ドライシロップ20%の剤型があります。いずれも子供でも使用することができる薬です。
コカールの子供への用量|何錠・どのくらいの量を使用するか、発熱や頭痛・痛みに対して
コカールは小児の発熱や頭痛・痛みに対して使用することができ、ドライシロップに加え、錠剤も子供で使用するケースがあります。
いずれの場合も、使用する量はアセトアミノフェンの成分として、体重1kgあたり1回10~15mgを使用するとされています((コカール錠200mg/コカールドライシロップ40% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/300297_1141007F1071_1_21.pdf))。
これを錠剤では何錠使用するか、ドライシロップではどの程度の量を使用するかをまとめると以下の通りとなります。
体重 | 1回用量 | |||
成分 | 錠200 mg |
ドライシロップ 40% |
ドライシロップ 20% |
|
5kg | 50- 75mg |
– | 0.125- 0.1875g |
0.25ー 0.375g |
10kg | 100- 150mg |
0.5錠 | 0.25- 0.375g |
0.5ー 0.75g |
20kg | 200- 300mg |
1- 1.5錠 |
0.5- 0.75g |
1.0ー 1.5g |
30kg | 300- 450mg |
1.5- 2錠 |
0.75- 1.125g |
1.5ー 2.25g |
<コカールの小児の用法用量>
通常、乳児、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10~15mgを経口投与し、投与間隔は4~6時間以上とする。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として60mg/kgを限度とする。ただし、成人の用量を超えない。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。コカール錠200mg/コカールドライシロップ40% 添付文書
錠剤は10kg以下の子供ではあまり使用するケースがありません。10kgでは1回あたりコカール錠200を半錠、20kgではコカール錠200を1〜1.5錠、30kgではコカール錠200を1.5〜2錠使用するのが一般的な使い方です。
ドライシロップ剤は40%と20%で使用する量が異なってくるため注意が必要です。体重によって量が決められるため、医師から処方された通りの量を使用するようにしましょう。
いずれの剤型も発熱・頭痛等の症状にかかわらず同じ基準となります。
コカールを子供へ使用する場合の間隔|何時間あけるか、空腹時は
コカールを子供で使用する場合、何時間あけるかの間隔は、大人と同様に4〜6時間の間隔を設ける必要があります。
また、ロキソニンなどの一般的な解熱鎮痛剤の非ステロイド性抗炎症薬( NSAIDs)と比較して胃腸障害などは少ないとされていますが、それでも悪心・嘔吐、食欲不振等などの消化器系の副作用の報告もあり、子供がコカールを使用する場合も空腹時の服用は可能であれば避けたほうが良いでしょう。ただし、空腹時でも使用すること自体は可能であるため、症状との兼ね合いで必ずしも空腹時を避ける必要はありません。
上記の2点はいずれも用法用量にて示されています。
<コカールの小児の用法用量>
通常、乳児、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10~15mgを経口投与し、投与間隔は4~6時間以上とする。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として60mg/kgを限度とする。ただし、成人の用量を超えない。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。コカール錠200mg/コカールドライシロップ40% 添付文書
コカールの子供の使用と飲み合わせ
コカールには飲み合わせに注意が必要な薬がいくつかあり、併用注意として注意喚起されています。
コカールの併用注意の薬剤は以下の通りです((コカール錠200mg/コカールドライシロップ40% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/300297_1141007F1071_1_21.pdf))。
成分名等 | 代表的な薬剤等 |
リチウム製剤 (炭酸リチウム) |
リーマス錠 |
チアジド系利尿剤 (ヒドロクロロチアジド等) |
フルイトラン |
アルコール(飲酒) | |
クマリン系抗凝血剤 (ワルファリンカリウム) |
ワーファリン |
カルバマゼピン フェノバルビタール フェニトイン プリミドン リファンピシン イソニアジド |
テグレトール、ヒダントール |
抗生物質 抗菌剤 |
上記のような薬のうち、特に抗生物質や抗菌剤に関しては、実際には併用されるケースも多くあり、必ずしも避ける必要はありません。併用注意とされている理由は過度の体温下降を起こ
す頻度が高くなるという理由であり、念のため体温が下がりすぎないか注意しましょう。
近年では風邪などを悪化させた際の上気道炎にて使用される抗生物質・抗菌剤として、ワイドシリン、クラバモックス、メイアクト、フロモックス、セフゾン、クラリス、ジスロマック、オゼックス、オラペネムなどがありますが、医師の適切な診察のもと、コカールと一緒に処方された場合は併用して問題ないと言えるでしょう。
また、その他の併用注意薬に関しても必ずしも避ける必要はありません。医師が承知の上で処方された場合にはあまり心配せず服用しましょう。ただし、自己判断でコカールを併用するのは避けましょう。
コカールの子供への使用と副作用
コカールは子供にも使用できる薬であり、子供において特別に注意が必要な副作用もありません。副作用の傾向は大人がメインで使用するコカール錠と子供がメインで使用するコカールドライシロップとで、同じ内容の副作用が注意喚起されているため、年齢にかかわらず、共通の副作用に注意が必要です。
報告されている一般的な副作用は、吐き気、食欲がなくなるなどの消化器症状や、過敏症(アレルギー)などがあり、以下の内容が注意喚起されています。
血液 | チアノーゼ、血小板減少、血小板機能低下(出血時間の延長等) |
消化器 | 悪心・嘔吐、食欲不振等 |
その他 | 過敏症 |
なお、コカールは副作用の頻度が明確になるような調査を実施していないため、いずれの副作用も頻度は不明とされています。
そのほかの副作用として、一般的な解熱鎮痛剤ではよく見られる副作用として胃痛や胃が荒れるといったものがありますが、コカールでは添付文書におていは注意喚起されてなく、ほとんど見られません。
また、コカールを使用して下痢や頭痛が出た場合は今まで報告されていない未知の副作用である可能性も否定できませんが、どちらかと言えば疾患による症状が出た可能性の方が高いと考えられます。薬の副作用の定番である眠気に関してもコカールには基本的に起こらないと言えます。
コカールは子供のインフルエンザでも使用
コカールは子供のインフルエンザの時も発熱や頭痛などの痛みに対して使用することができます。
インフルエンザ時の解熱鎮痛薬の使用に関してはインフルエンザ脳症やライ症候群などでリスクが指摘されており、特に小児に関しては解熱鎮痛剤の使用に注意が必要です。
解熱鎮痛薬の中でもジクロフェナクやメフェナム酸はインフルエンザ脳症での使用にて死亡率を上昇させたという報告があります((平成11年度厚生科学研究「インフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学的研究班」))。
インフルエンザの臨床経過中に発症した脳炎・脳症の重症化と解熱剤の使用
全症 例数 |
死亡 者数 |
死亡率 | |
解熱剤を使用せず | 63 | 16 | 25.4 |
アセトアミノフェン (コカールなど) |
78 | 23 | 29.5 |
ジクロフェナク | 25 | 13 | 52.0 |
メフェナム酸 | 9 | 6 | 66.7 |
その他の解熱剤 | 22 | 5 | 22.7 |
この結果を受けて、日本小児科学会も以下のような見解を示しており、インフルエンザの時に使用する解熱鎮痛剤はアセトアミノフェンを含むコカールなどが推奨されます。
一般的に頻用されているアセトアミノフェンによる本症の致命率の上昇はなく、インフルエンザに伴う発熱に対して使用するのであればアセトアミノフェンがよいと考える。
平成12年11月12日 日本小児科学会理事会
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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