ボンビバの錠剤が発売!経口で使用するボンビバ錠の特徴や薬価を確認

ボンビバの経口製剤であるボンビバ錠が2016年4月に発売しました(発売日:2016年4月21日)。新たに登場した骨粗鬆症治療薬のボンビバ錠の特徴や効果、使い方、副作用や飲み合わせの他、薬価についても確認していきます。

ボンビバ錠の特徴

ボンビバ錠はイバンドロン酸ナトリウムを成分とする骨粗鬆症に対する治療薬です。その最大の特徴は1ヶ月に1回の使用のみで骨粗鬆症に効果があるという点です。飲み忘れのリスクも少なく非常に使い易い薬と言えます。
ボンビバは従来は注射剤のみで使用されていましたが、今回、経口内服できる錠剤が登場したため、ボンビバの成分を状況に応じて注射で使用するか、飲み薬で使用するか選べるという利点もあります。この注射剤と経口剤が同じ成分で販売されているという点もボンビバの特徴であり、同じような特徴を持った骨粗鬆症の薬はボナロンという薬のみです。しかし、ボナロンは注射剤の場合は注射の場合は月に1回で済みますが、経口剤の場合は最低でも1週間に1回使用する必要があり、この点は注射剤と経口剤ともに月1回の使用で済む、ボンビバの方が使いやすさという面で優れていると言えるでしょう。

ボンビバ錠の効果

ボンビバ錠の適応は骨粗鬆症に対してのみです。したがって、公式にボンビバ錠の効果があるのは骨粗鬆症だけとなります。

ボンビバの作用は

ボンビバは人の生理現象である骨の代謝において、骨を吸収する作用を抑制することで骨粗鬆症に対して効果をもたらします。
骨は一度作られたら終わりではなく、形成と吸収を繰り返しながら代謝を行っています。骨粗鬆症は何らかの原因でこの骨代謝のバランスがくずれ、骨密度(骨量)が低下した状態です。
ボンビバはこの骨代謝のバランスが崩れた状態に対して、骨吸収を抑制し、骨密度を改善させる働きが期待できます。

ボンビバの効果の強さ

ボンビバ錠は注射剤と同程度の高い効果があることが確認されています。
ボンビバ錠を実際の骨粗鬆症の患者さんに対して使用した調査では、4ヶ月目から骨密度の増加が確認され、12ヶ月使用した結果は、骨密度を5%以上改善させるというものでした。これは数年前から使用され、効果の実績があるボンビバの注射剤と同程度の効果であり、ボンビバは経口剤の錠剤でも高い効果が期待出来ることが確認されました1)
1) ボンビバ錠100mg インタビューフォーム

ボンビバの効果が出るまで

ボンビバ錠の効果は使用してから1ヶ月で確認されています。
ボンビバ錠を使用した場合、投与後1ヶ月で骨吸収マーカーを抑制したことが確認されています1)
骨吸収マーカーとは骨の代謝のうち骨の吸収を評価する指標であり、骨吸収マーカーが抑制されるということは、骨密度の低下を抑えることにつながります。
このようにボンビバ錠は早期に効果が出ることも確認されています。
1) ボンビバ錠100mg インタビューフォーム

ボンビバ錠の使い方

ボンビバ錠は1ヶ月に1回、朝起きた時に1錠を使用するのみです。1ヶ月に1回で済むため飲み忘れなどのリスクも少ないのが大きな特徴と言えます。
使い方の注意点はコップ一杯程度の多めの水で服用し、飲んだ後は少なくとも60分は横にならないことと水以外のものは摂取しないこととされています。また、硬度の高いミネラルウォーターも薬の吸収に影響を及ぼす可能性があるため、避けましょう。
また、食道炎や食道潰瘍、胃潰瘍のリスクがあるため、ボンビバ錠を口の中で溶かしたり、噛んだりすることは避けましょう。
用法用量の詳細は以下の通りです。

通常、成人にはイバンドロン酸として100mgを1カ月に1回、起床時に十分量(約180mL)の水とともに経口投与する。
なお、服用後少なくとも60分は横にならず、飲食(水を除く)及び他の薬剤の経口摂取を避けること。

ボンビバ錠100mg 添付文書

起床時に使用する理由

ボンビバ錠を起床時に使用する理由は食事の影響を受けやすいからです。
ボンビバ錠は食後投与をすると薬物の血中の濃度が低下することが確認されています。また、カルシウムやマグネシウムの含量が高い飲料(硬度の高いミネラルウォーターや牛乳など)や他の薬剤を同時摂取するとボンビバ錠の吸収が妨げられることがあります2)
これらの点からボンビバ錠は起床時に使用することとされており、服用後の60分は水以外のものを摂取しないようにとされています。
2) ボンビバ錠100mg 新医薬品の「使用上の注意」の解説

服用後60分は横になっていけない理由

ボンビバ錠の服用後60分は横になっていけない理由は、薬が食道などに付着して悪影響を及ぼすリスクを防ぐためです。
ボンビバ錠は食道を通過するのが遅くなると、食道炎や食道潰瘍及び胃潰瘍などのリスクがあることが確認されています。これらの副作用を防ぐには胃内へ速やかにボンビバ錠を到達させる必要があり、このため、少なくとも60分は横にならないこと、口の中で溶かしたり噛んだりしないこと、寝る前や起床する前に使用しないことが注意喚起されています2)。
2) ボンビバ錠100mg 新医薬品の「使用上の注意」の解説

ボンビバ錠を飲み忘れた場合は

ボンビバ錠を飲み忘れた場合は気付いた日の翌日に1錠使用します。
ボンビバ錠は1ヶ月に1回使用するだけで効果が出る便利な薬ですが、使用頻度が1ヶ月1回であるが故に、逆に飲み忘れてしまうようなケースもあるかと思います。
メーカーからの公式の情報ではボンビバ錠の服用を忘れた場合は、気づいた日の翌日に1錠服用し、以後は、その服用を基点として、1カ月間隔で服用する3)とされていますので、このような対応をしましょう。
3) ボンビバ錠100mg 添付文書

ボンビバ錠の副作用や飲み合わせ

ボンビバ錠には副作用や飲み合わせの注意もあります。それぞれ見ていきましょう。

ボンビバ錠は下痢などに注意

ボンビバ錠の副作用で比較的頻度が高い副作用は、下痢、背部痛(背中の痛み)、頭痛、関節痛、倦怠感(だるさを感じる)などとされています。特にボンビバを使用した直後ははこれらの副作用注意が必要です。

ボンビバ錠は牛乳、カルシウム、マグネシウムなどの飲み合わせに注意

ボンビバ錠は水以外の飲料(特に牛乳や硬度の高いミネラルウォーター)や、カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウムなどが含まれる薬と飲み合わせが良くないとされています。
これらはボンビバ錠の成分とくっついてしまうことにより、ボンビバ錠の体への吸収が悪くなるとされています。
ボンビバ錠を使用した後は少なくとも60分は牛乳やカルシウムなどを含む飲料水、他の薬などを摂取しないようにしましょう。

ボンビバ錠の薬価

ボンビバ錠の薬価は2790.00円とされています。
 
薬を使用する際には必ず添付文書を確認し、決められた用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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