パラセタ坐剤の効果や体重別の使用量|座薬の使用期限やアンヒバとの違いなども

パラセタ坐剤の50、100、200について、座薬としての効果や効果時間、副作用、体重別の使用量、使用期限、アンヒバとの違い、ダイアップやナウゼリンとの併用する順番などについて解説します。

パラセタの効果と効果時間

パラセタ坐剤は痛み止め解熱剤として使われる座薬のひとつです。成分としてアセトアミノフェンを含んでおり、赤ちゃんが発熱した時などにも使用される、比較的安全性が高いとされる薬です。
パラセタの効能効果は以下となります。

小児科領域における解熱・鎮痛

パラセタ坐剤 添付文書

パラセタに含まれる成分のアセトアミノフェンの作用機序は、現在も不明な部分がありますが、主に脳において痛覚閾値(痛みの感じにくさ)を高めることや、体温調節中枢に作用して皮膚の血管を拡張させて体温を下げると考えられています。

パラセタは30分で効果を示し、4時間持続する|空ける間隔は4〜6時間

パラセタは発熱に対して使用してから30分程度で熱が下がり始め、1〜2間後に効果のピークを迎えるとされています。また、その効果の持続時間は4時間とされています。
これらの情報は同じアセトアミノフェンを含むアンヒバの情報より確認できます1)
また、パラセタを連続して使用する際には、使用の間隔として4〜6時間以上空けることが注意喚起されています2)
1) アンヒバ坐剤 添付文書
2) パラセタ坐剤 添付文書
 

パラセタの体重ごとによる使用量

パラセタには50100200の種類があり、それぞれアセトアミノフェンが50mg、100mg、200mg含まれています。
パラセタは体重ごとに使用する個数の目安が決まっており、年齢の目安はおおよそ以下の通り3)となります。例として3歳では平均体重が15kg程度なので、100mg坐剤を1〜2個程度が適切な用量になります。

体重 年齢の目安 50mg 100mg 200mg アセトアミノフェンの量
5kg 0歳 1〜1.5個 0.5個 50〜75mg
10kg 1〜3歳 2〜3個 1〜1.5個 0.5個 100〜150mg
20kg 4〜7歳 2〜3個 1〜1.5個 200〜300mg
30kg 8〜10歳 1.5〜2個 300〜450mg

パラセタの使い方は、座薬ですのでお尻の穴に入れて使います。上下不対象の形状となっており、太くなっている方から肛門内に挿入します。1/2個を使用する場合は、上下や左右対象に切らずに、斜めに切って使用します。

通常、乳児、幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10~15mgを直腸内に挿入する。投与間隔は4~6時間以上とし、1日総量として60mg/kgを限度とする。
なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、成人の用量を超えない。

パラセタ坐剤 添付文書

3) パラセタ坐剤 添付文書 一部改変

パラセタの使用期限と保管方法

アンヒバの使用期限は以下のように定められており、基本的には薬を交付されてから1〜2年程度は使用できるケースが多いでしょう。

[有効期間又は使用期限]
使用期限:3年

パラセタ坐剤 インタビューフォーム

また、保存方法は冷蔵庫などの冷所である必要があります。実際に使用するまでは冷蔵庫で保管しておくようにしましょう。

パラセタの副作用

パラセタは非常に安全性の高い薬であり、副作用はあまりありません
その中でも比較的見られるものは、皮疹食欲不振下痢吐き気などです。皮疹が出た場合はすぐに使用を中止するのが安全ですが、食欲不振、下痢、吐き気などは、症状が軽いような場合は少し様子をみても良いでしょう。しかし、症状がひどい場合は、こちらも薬を中止し、処方医の先生などに相談しましょう。
その他、パラセタの成分であるアセトアミノフェンは稀に過剰に摂取することが問題になるケースがあります。アセトアミノフェンは安全性が高い成分であるがゆえに、多くの市販薬にも含まれる成分であるため、気づかないうちに重複して摂取してしまう可能性もあります。パラセタを使用している際には市販薬の成分などにも気を使って、アセトアミノフェンを重複して摂取しないよう注意しましょう。

パラセタとアンヒバとの違い

パラセタとアンヒバは基本的に違いはありません。
同じアセトアミノフェンを成分とし、規格も50mg、100mg、200mgの3種類がそれぞれ販売されています。
基本的には同じ効果が期待できる座薬であり、副作用のリスクなども変わりないと言えます。
強いて違いを挙げると、パラセタ坐剤200のみ、アンヒバ坐剤200のジェネリック医薬品の扱いとなるため、パラセタ坐剤200の方が薬価(薬の価格)が安くなっています(パラセタが19.9円、アンヒバが28.0)。したがってアセトアミノフェンを200mg含む座薬としてはパラセタの方が経済的と言えます。なお、50と100に関してはパラセタとアンヒバで薬価の違いはありません。
なお、パラセタとアンヒバを併用するケースはまずありません。どちらも同じ座薬と言えるため、全く相乗効果が期待できず、単純に2倍量使用することと同じことになります。自己判断で併用するようなことは避けましょう。

パラセタとダイアップ、ナウゼリンの併用|使用する順番は

パラセタと比較的一緒に処方されることが多い座薬としてダイアップナウゼリンが挙げられます。
ダイアップはジアゼパムを成分として含み、小児の熱性けいれんやてんかんのけいれん発作に使われる神経を落ち着かせる効果のある座薬です。
ナウゼリンはドンペリドンという吐き気止めの成分を含んでおり、風邪を引いたときに吐き気もあるようなケースではパラセタとナウゼリンが併用されるケースも少なくありません。
 
パラセタとダイアップもしくはナウゼリンを併用する場合には、使う順番に注意が必要となります。
座薬を使用する順番は、①ダイアップ坐剤 or ナウゼリン坐剤、30分以上経ってから②パラセタ坐剤となります。
この理由は、ダイアップやナウゼリンの成分は、油に溶けやすい性質を持っており、油性の基剤が使われているパラセタの坐剤を先に使ったり間を空けずに使用すると、ダイアップやナウゼリンの成分がパラセタの基剤に吸収されてしまい、ダイアップやナウゼンリの効果が発揮されにくくなるためです4)
ダイアップ、ナウゼリンともに重要な役割を持った薬のため、十分な効果を発揮される必要があり、必ずこの順番や使用間隔を守るようにしましょう。
 
4) 沖縄県薬剤師会 http://www.okiyaku.or.jp/0_QA/kodomo/kodo03.html
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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