アボコート軟膏について薬の強さ、ロコイドとの違い、陰部、あせも、やけどなどへの使用、市販の販売状況などについて解説していきます。
アボコート軟膏の強さとロコイドとの違い
アボコートはヒドロコルチゾン酪酸エステルを成分として含んでいる軟膏であり、皮膚の湿疹や炎症などに使用されるステロイドの外用剤です。
ステロイドの外用剤はその効果の強さに応じて最強のⅠ群(Strongest)からⅡ群(VeryStrong)、Ⅲ群(Strong)、Ⅳ群(Mild)、最も弱いⅤ群(Weak)に分類されます。アボコートはこの中で強さが下から2番目となるⅣ群に分類され、効果は穏やかでかつ副作用も比較的出にくい安心して使える軟膏です。
同じヒドロコルチゾン酪酸エステルを成分に含む薬にロコイドがありますが、アボコートとロコイドの違いはジェネリック医薬品であるか、先発医薬品であるかの違いとなります。
ロコイドの強さや市販での販売、使用部位、副作用など|あせもやニキビへの使用も
アボコートはロコイドのジェネリック医薬品であり、アボコートはより安価で入手することができます。アボコートの薬価は1gあたり8.9円であるのに対し、ロコイドは1gあたり15.0円であるため、半額まではいかないものの、かなり薬価を抑えることができます。
処方箋上ではロコイドが処方されていてもジェネリックのアボコートを希望する旨を伝えると在庫がある場合は基本的にアボコートに変更してもらえます。ジェネリック医薬品を希望する場合は薬局で申し出るようにしましょう。
アボコート軟膏の効能と使用部位
アボコート軟膏の効能は主に湿疹・皮膚炎の他、痒疹群、乾癬などとなります。
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、脂漏性皮膚炎を含む)、痒疹群(蕁麻疹様苔癬、ストロフルス、固定蕁麻疹を含む)、乾癬、掌蹠膿疱症
アボコート 軟膏 0.1% 添付文書
アボコート軟膏はあせもなどに対して処方されるケースもあるかと思いま。あせもは汗が皮膚の中にたまってしまい炎症などが起きることが原因であるため、アボコートでもある程度効果が期待できます。ただし、あせもではステロイドを使う必要がないケースもあるため、医師から処方されたときのみ使用するようにしましょう。
やけどについては効能効果に明記されておらず、あまり使用するケースはありません。ただし、軽度のやけどややけどのあとの肥厚性瘢痕・ケロイドに対してはステロイドが使用されるケースがあり、先生のよってはアボコートを処方するケースもあるかもしれません。いずれにしても自己判断ではやけどに使用することは避けましょう。
アボコートの使用部位に関しては、前述の通りⅣ群(Mild)に分類される比較的弱いステロイドであるため、陰部や顔などの部位でも使用することができる薬です。
ただし、陰部や顔は他の皮膚が厚い部分と比較し、薬の吸収率が数倍から数十倍になり、効果が強くでる傾向があり、また、顔の中でも唇などはさらに効果が強く出る可能性があります
陰部や顔、唇などに使用する場合は十分に注意しながら使用しましょう。また、自己判断で陰部や顔、唇に使用するのは危険が伴いますので、医師から指示された場合のみに使用するようにしましょう。
アボコートは効果がマイルドなため、肌が敏感で薬の吸収率が大人よりも高くなることがある子供や赤ちゃんでも使用されます。ただし、こちらも必ず医師から指示された指示された用法用量で使用するようにしましょう。
アボコートの市販での販売
アボコートの成分であるヒドロコルチゾン酪酸エステルを含む薬は市販でも購入することができます。
代表的な市販薬としてロコイダン軟膏、ロコイダンクリームがあります。
ロコイダン軟膏、ロコイダンクリームは効能として 湿疹、皮膚炎、かぶれ、かゆみ、虫さされ、じんましん、あせもが挙げられており、処方薬と同じ様な使い方ができます。なお、1g中の有効成分の量は処方薬の1/2となっているため、アボコートよりは若干効果が弱くなる可能性はあります。
ロコイダン軟膏、ロコイダンクリームの効能効果の詳細は以下の通りです。
湿疹,皮膚炎,かぶれ,かゆみ,虫さされ,じんましん,あせも
ロコイダン軟膏/ロコイダンクリーム 添付文書
その他にも同じヒドロコルチゾン酪酸エステルを含む市販の薬として佐藤製薬株式会社が販売しているセロナシリーズなどもあります。こちらは軟膏、クリームの他、ソフト(しっとりタイプのクリーム)、QTローションといった剤型があり、使用感の異なる剤型の選択肢が多くあります。
アボコートは佐藤製薬が販売しているため、アボコートの市販薬という意味では同じ佐藤製薬が出しているセロナシリーズの方が適している可能性があります。
軟膏剤は製薬会社によっても使用感が異なるケースがあるため、可能であれば各社の使用感を試して、自分に合うものを見つけられると良いですね。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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